こちら、日本国憲法第70条についての解説だよ!
ってことで、この第70条っていうのはね……
もし総理大臣が「いなくなっちゃった」って時(死んじゃったり、やめちゃったりする場合ね)、
内閣のメンバーもみんな辞めることになるの。
でもね、病気でちょっと休むくらいなら、副総理または指名された人がお仕事を引き継ぐんだよ。
それから、衆議院議員総選挙があったら、「前の内閣を選んだ国会」じゃなくなるわけよ。
だから、新しい国会でまた内閣を選び直さなきゃなんだよ。
で、具体的にはどういうことかっていうと……を、これから話していくね!
それからね、自民党が進めたい改憲草案の中身や、
それについての問題点とかもガッツリ解説してるから、
ぜひぜひ最後までチェックしてほしいな!
日本国憲法第70条【内閣総理大臣の欠缺又は総選挙施行による総辞職】
まずは条文の紹介!かみ砕いてみるね!
内閣総理大臣がいなくなった時、または衆議院議員総選挙の後で、はじめて国会が集まる時はね、内閣は、みんなで辞めなきゃいけないのよ
ちなみに原文はこれね!
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
日本国憲法第70条をさらに解説してみちゃうね!
総理が「いなくなった」と判断する基準とは?
総理大臣がどうにもいなくなっちゃった状況って、どんな時?
それは、こんな状況になった時だよ。
つまり、「あ、完全に、もう戻ってこないな」判断された場合ってこと。
で、内閣の大臣って総理大臣が選んでいるのに(第67条)、
その肝心の総理大臣がいなくなったら意味ないよね!
ってことで、大臣も一緒にやめることになっているんだ。
ちなみに、病気や事故で一時的に仕事ができない時は、
副総理が決められていればその人が、
決められていなかった場合は総理大臣が(病床からとかで)指名した人が
代わりに仕事をすることになってるよ。
でも、あくまでも「短期間で戻ってくること」が前提。
そうじゃない時は辞職するのが通常だね。
総選挙の後に内閣が全員辞職するのはなぜ?
総選挙の後は、内閣は全員辞職するんだよ。
それは、前の内閣を選んだ時とはまた衆議院議員のメンバーが変わっているから。
そもそもね、内閣総理大臣てのは国会議員の中から選ばれるんだけど(第67条)、
総選挙の後って、議員が変わっているじゃない?
それでね、総選挙後の国会は、「直近の国民の意見が反映された」議員や政党になるはずだから、
その流れに合わせて総理大臣も新しく選び直すように憲法で決まってるんだよ。
そういう意味でも、ちゃんと選挙にいかないと、変な人が内閣になりがちってこと!
自民党が第70条をどんな風に変えようとしているか知っておいて!
- 何を変えようとしてるの?
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今の法律で決まってる臨時代行のルールを憲法レベルに引き上げて、
さらに総理大臣の代行をできる人の範囲を広げようとしているの。 - 問題点って何?
-
国会議員じゃない人でも総理大臣代行ができちゃうようになるかもってこと。
(第68条で、国務大臣の半数は国会議員でなくてもOKって決まってるからね)
それに、総理の代わりをする条件がもっと緩くなるから、
内閣総理大臣を意図的にチェンジさせることも可能になっちゃうんだ。
総理が「いなくなった」時以外でも代わりを立てられちゃう
今はね、代行に関することは法律でちゃんと決まってるのよ。
それなのに、自民党は「決まりがない」って嘘をついて、憲法に昇格させようとしているんだ。
それだけじゃないよ。「代行が必要な理由」を増やそうとしているの。
そのことによって、「完全に、総理はもう戻ってこない」となった時以外でも、
代行を立てることができるようになっちゃうんだよね。
これの何か問題かっていうとね。
例えば総理が何かで批判された時に、
一時的に代行を立てて逃げるようなこともできちゃうかもしれないの。
他にも問題点があるよ。それは次の項目で話すね!
議員じゃなくても総理ができちゃうかも?
前提としてね、内閣の大臣は総理大臣が選ぶんだけど、全員が国会議員である必要はないんだよね。
半分以上が議員なら、残りは一般人でもいいってことになっているんだよ。(第68条)。
これ、ある意味、国民の意志そっちのけの選択ともいえるじゃん?一般人は私たちが選んでないから。
だから、「(総理大臣が完全に戻ってこれない場合の)代行の仕事は総辞職すること」
って感じになっているのが今の憲法。
当然だよね。それ以上の権力はない。
※選挙が終わって次の総理大臣が決まるまでは、それまでに決まっていた必要な仕事は続けるよ。
さっきも言ったけど、
総理大臣が病気とかでちょっと休むってときは副総理または指名された大臣がやるの。
だけど、病気が長引いてなかなか戻ってこれないかもってなったら、総理辞職→内閣総辞職。
ところが、もし改憲したら、
内閣総理大臣がいなくても代行を立てれば総辞職しなくてもいいとも解釈できちゃう。
へたすれば、「一般人から選んだ大臣を総理大臣の代行」にして、
「総理大臣の権力全部あげる」こともできちゃう。
最悪、「自民党が総理大臣にしたい人」が一般人だったら、一旦大臣にして、
さらに、総理大臣の代行として総理大臣なみの権力を上げる……
ってことも可能になってしまうの。
やばくない?
あとがき
過去には、代行を立てた過程がクリアじゃなくて、批判されたこともあるんだよね。
だから、「総理大臣」ってめちゃくちゃ大事なポジションなのに、
代行を立てる解釈の幅を広げちゃうと、
国民主権や議院内閣制を無視するようなことになっちゃうかもしれない。
それは絶対ダメだよね。
それにね、総辞職後の空白期間のことは、次の第71条でちゃんと定められているの。
だから、ちゃんとしたルールに従って、透明性を保つことが大切だよ!