日本国憲法第2条について天使と悪魔が話しているよ!
なぁ、天使よ。第1条で話し合った後、ちょっと考えたんだけどよ、
日本国憲法だ、国民主権だ民主的だのなんだのっていうけどさ、なんだかんだで天皇が特別な存在なのは変わってないんじゃないの?
だって第2条で「皇位は世襲」って言ってるんだろ?
それ、全然民主的じゃないじゃん。
悪魔くん、そこに目をつけるなんて鋭いね!
でも、まず「世襲(せしゅう)」が何か知ってる?
知ってるよ。
「親から子へ引き継がれる」ってことでしょ?
でも、なんでそんな仕組みが今も必要なの?
よくぞ聞いてくれた!
確かに、天皇は特別な存在だけど、その役割は今や「象徴」。
国のリーダーとして政治を動かすんじゃなくて、「日本国民統合の象徴」って位置付けである、というのは第1条でも話したよね
ああ、天皇が「象徴」になった理由には納得しているぜ。
でも、なんでそれを子どもにしか継がせないわけ?一般人にもチャンスがあっていいんじゃないのか?
その点はこの第2条がポイントなんだ。
この条文には「皇室典範(こうしつてんぱん)」という法律が関係していてね、これは天皇がどうやって皇位を継ぐかを具体的に決めているんだ
皇室典範ってなに?
皇室典範?
なんだか難しそうな名前だな。
簡単に言えば「天皇のルールブック」ね。
たとえば、天皇に子どもがいない場合はどうするかとか、どのタイミングで皇位を譲るのかなんてことを決めているんだよ
そんなルール、昔は天皇や政府が勝手に決めてたんだよな、確か
そう。昔はね。
でも、今の日本では「国会」がその内容を決めているんだよ。
つまり、ぼくたちの代表が話し合って決めるってことなんだ
生前退位と特例法の話
でも、ちょっと待ってよ。
平成から令和になったとき、前の天皇が生きてるうちに皇位を譲っただろ?あれって普通のルールに書いてなかった気がするけど?
そうなんだよ!
悪魔くん、意外と詳しいんだね。
皇室典範には「天皇が亡くなったときに次の天皇が即位する」ってだけで、生前に譲ることについては、確かに書かれていないんだ
じゃあ、どうやって譲ったんだ?よく認めてもらえたよな?
うん、それはね、「特例法」というものを使ったんだ。
平成時代の天皇陛下が生前退位を希望されたとき、特別にその一回限りのルールを国会が作ったんだよ
なるほど。でもそれ、次もまた特例法を作らないといけないってこと?
そういうことになるよ。
だから、もし令和の天皇陛下も退位を希望されたら、新たな特例法を作るか、皇室典範そのものを変える必要があるんだ
特例法についてちょっと補足するね。
特例法っていうのはね、名前の通り『特別な場合だけに作られる法律』のこと。
普段は使われないけど、想定外のことが起きて、だけど「やる必要」があるのに必要な法律がない時ってあるよね。
そういう時、『今回は特別にこうしましょう』っていうルールを決めるために作られるんだ。
本当に「特例」だから、「そのケースの時だけ」にしか通用しない法律ってことか。なるほどな~
皇位と民主主義のバランス
うーん、ところで、天皇ってさ、第1条で決められているように「象徴」じゃん?
だったら、世襲じゃなくてもいいんじゃないか?もっと現代的な方法がありそうだけど?
うん、その考えも一理あるね。
でも、あえて世襲にしているのは理由があるんだよ。
皇位を世襲にすることで政治や権力から切り離すことができるんだ。
そうすることで、特定の勢力が利用するのを防いでいるのさ。
これは民主主義においても重要なバランスでもあるよ
確かに。権力を持ちたい輩が近づいたりすることもあるだろうからな。
政治に関わらない象徴っ手のを守るためには、それがいいのかもな
原文と意訳を見てみよう
悪魔くん、第2条を意訳してみてよ
天皇の地位は、血筋で決まってるもので、国会が決めたルール(皇室典範)に従って次の人に引き継がれる
うん、そうそう!
第2条【皇位の世襲】
皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
まとめ
日本国憲法第2条では、
天皇がどのように皇位を継ぐかを「皇室典範」に基づいて決めることが明記されています。
このルールによって、天皇という存在は「世襲」のみによって引き継がれることになりました。
天皇は今でもなお、日本人にとって「特別な存在」だよね。
だからこそ、政治に利用されないような仕組みの1つとして「世襲」になったとも言えるかもしれないね