
たとえば、あなたがクラスの代表を決める話し合いに出たとしよう。
みんながどう話し合ったか、誰が賛成して、誰が反対したか?
それ以前に、話し合いがこっそりやられてたら…?
不安になるよね。
国会だって、同じなんだ。
僕たちが選んだ代表が、何を話して、どう決めているのか。
それを「見える形」にすることで、
ちゃんとチェックできるようになってるんだ。
今回はそんな「国会の会議は見せるのが基本だよ」という
憲法のルールについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第57条【会議の公開と会議録】
両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2
両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3
出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第57条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



1
国会の会議っつーのは、基本的に全部さらけ出してやるのがルールだ。
でもな、出席してる議員の3分の2以上が
「これは秘密な!こっそりやろうぜ」って決めりゃ、
コソコソ会議してもいいらしい。
2
会議やったら、その記録をちゃんと残しとけって話だ。
で、秘密会だとしても、「特別にナイショにしなきゃダメだ」
ってもん以外は、ちゃんと世の中に公開しなきゃいけねぇ。
3
それと、出席してる議員の5分の1以上が
「誰が賛成で誰が反対したかハッキリ書け!」
って言えば、その通りにしなきゃならねぇ。



うんうん、いいね!



ふん、第57条ってのはつまりこういうことだろ?
「国会の会議は、基本的に全部見せる。
でも、議員が多数で『内緒でやろうぜ』って決めたら秘密会議OK」
って、なんだこれ?
堂々と会議をするのがスジってもんだろうが。
そんなの国民に隠れてコソコソやる気満々じゃねぇか。



まあまあ、落ち着いて。
確かに「秘密会」って聞くと怪しく感じるかもしれないけど、
あれにはちゃんと条件があるんだよ。
まず、秘密会を開くには、
出席している議員の3分の2以上の賛成が必要なんだ。
これは、よほどの事情がないとできないってことさ。



そうはいってもさ、
なんでそんな「秘密の会議」なんか必要なんだよ?
全部見せろよ。
国民の税金でやってんだろ?



うん、その通りだよ。
基本は「公開」が原則。
これはね、「国民がちゃんと見張ることができるようにする」
っていう憲法の大切な考え方なんだ。
でも、たとえばだけど、
個人のプライバシーが関係するような場合とかさ、
みんなの前で話すと危ないこともあるでしょ?
そういうときに限って「秘密会」を開くことができるんだ。



なるほどな。
それに実際に「秘密会」が開かれたことは
ないみたいだな。



じゃあさ、「記録もちゃんと残せ」ってのは?



第2項のことだね。
国会の会議はちゃんと記録して、
それをみんなが読めるように公開しなさい。
ってことだよ。
とはいえ、秘密会で「これはさすがに出せない」って
判断された部分だけは公表しなくていいんだ。



そうだよな、
国会のことを国民はちゃんと監視していなきゃいけないから、
全部公開すべきだよな。



ところでさ、
議員が何に賛成して何に反対したかっていうのも、
全部記録しとくべきじゃねぇの?
そこが一番大事だろ。
選挙で誰に投票するかの判断材料になるじゃん。



うん、いい視点!
実は出席議員の5分の1以上が「表決を記録しろ!」って
求めた場合だけ、個別の賛否が記録されるんだ。
ちなみに表決っていうのは、
「賛成か反対かを決める投票」のことだよ。



じゃあよ、誰が賛成したのかって、
普段は書かれないってことか?なんだよそれ。
税金で食ってるなら、それくらい晒せよ。
俺らがチェックできないなら、やりたい放題じゃねぇか。



実際、議会では真逆のことをしておきながら、
全て自分の手柄にしてしまう政党だっているしよ。



そうなんだよねえ…。
一応理由を説明すると、
「議員がプレッシャーを感じずに判断できるように」
って考え方かららしいんだ。



プレッシャー?!
なんのプレッシャーだよ?
国民のためになるようなことはしたくないけれど、
批判されたくもないっていうプレッシャーかよ?



まぁ…
それでも最近は、
透明性を高めようという動きも増えていて、
表決を自主的に公開する政党や議員もいるんだよ。



ふん



でもさ、NHKとかネットで中継してんのに、
途中で放送やめたりとかさ、
どっかのニュース番組は某政党を
わざと取り上げなかったりとかさ、
そういうのも問題じゃね?
マスコミが権力に擦り寄りすぎるだろ!



ほんとにそうだよ。
民主主義は「見える政治」から始まるんだ。
国民が知る権利を持っていて、政治はそれに応える責任がある。
それが憲法第57条が伝えたい一番のポイントなんだよ。



ってことは、今の日本って、
民主主義じゃないってことだろ。結局は。



残念だけど、結局そういうことになるね。
だから僕たちも、もっともっと意識して、
知ろうとしなきゃいけない。
僕たちがちゃんと知ろうとしない、
というのを利用されているとも言えるから。



この!この俺様が!いうぜ!
「国家は国民のためにある」!!!
あくまでも国民に主権があるんだ!!!!
それを、俺たちもちゃんと理解していかなきゃな。



おお、いいね!
だからこそ、国会の会議は公開が原則だし、
その仕組みにはちゃんと意味があるんだよ。
憲法は国家権力を縛って、
国民の自由や権利を守るためにあるんだからね。
まとめ
憲法第57条は、
「国会の会議は国民が知ることができるようにしよう、
ちゃんと見えるようにしよう!」
という大切なルールを定めています。
政治は遠くの誰かが勝手にやっているものではなく、
私たちが選んだ人たちが、私たちの代わりに話し合っている場ですから。
だからこそ、「見える政治」「説明される政治」はとても大切なのです。



だって政治は僕たちの暮らしに直結しているんだから、ね。

