【対話でわかりやすく】憲法第64条:裁判官もクビになる?「弾劾裁判所」って?

日本国憲法第64条を対話でわかりやすく。ルールは全員に平等。裁く人もまた裁かれる。

たとえば、学校で先生が明らかにルール違反をしていたら?

「先生だから何をしても許される」なんてこと、
あっていいはずがないよね。

実はこれ、裁判官にも同じことが言えるんだ。

裁判官もまた、とても重要な仕事をしているけれど、
もしもその人が不正をしたり、裁判にふさわしくない態度だったら…?

そこで登場するのが、
憲法第64条に書かれている「弾劾裁判所」という仕組み。

国会が特別なチームを作って、
「その裁判官、クビにすべきかどうか」をきちんと調べてくれる制度。

僕たちの「ちゃんとした人が裁判してほしい!」
という気持ちを守るための大事なルールなんだよ。

これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!

第64条【弾劾裁判所】
国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

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弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第64条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

裁判官がヤバいことやらかしたら、
国会の議員が集まって「弾劾裁判所」ってのを作って、
その裁判官をクビにするかどうか決めるって話だな。
どういうルールでやるかは、あとで法律で決めとけってことだろ。

てんし

うんうん、いいね!

あくま

でもさ、裁判官って偉いんだろ?
そんな簡単にクビにしていいのか?

てんし

そこが大事なポイントなんだ。
裁判官の地位は、第78条でしっかり守られてる。
たとえ総理大臣でも、勝手に「クビ!」なんてできない。

でもさ、もし裁判官が悪いことをしたり、
明らかにおかしい判決ばかり出したりしたら、
ちゃんと責任を取ってもらう必要があるよね。

あくま

なるほどな。
でも誰がその「裁判官がアウトかセーフか」を決めんだよ?

てんし

それが、この「弾劾裁判所」の役目なんだ。
そして、
裁判官を辞めさせるかどうかを判断するのは、国会議員
つまり、国民に選ばれた代表が、
きちんと監視役を担ってるってことだよ。

あくま

へぇ。
じゃあ俺が「あの裁判官ムカつくからクビにしてくれ!」
って言ったらすぐにクビにしてくれるのか?

てんし

さすがにそれは無理だよ(笑)。
でもね、“訴追(そつい)”=クビにしてほしい!っていうお願いは、
国民でも出せるんだよ。
その受付をして調査するのが「裁判官訴追委員会」。

あくま

国民でも!?
…ってことは、ヤバい裁判官がいたら、
通報できるってわけか。

てんし

そう。たとえば、ニュースで
賄賂を受け取った、とか、セクハラをしたみたいな報道があったとき、
もしその人が裁判官なら、訴追委員会に申し立てできるんだ。
手数料もいらないし、誰でもOK。

あくま

へぇ、けっこうちゃんとしてんのな。
でもさ、その弾劾裁判所って、ふだんからあるわけじゃねーんだろ?

てんし

うん、裁判官を裁くときだけ、国会議員が集まって特別に開くんだ。
ちょっと変わった仕組みだけど、
これも「権力のバランス」を保つためにあるんだよ。

あくま

でもさぁ、そんなことしてもどうせ、
すぐまた裁判官に戻れるんじゃねぇの?

てんし

……残念ながら、それはあるね。
実際にストーカー行為をした裁判官が、
あとでまた資格を回復して復職したって例もあるしね。
制度の使い方にはまだまだ課題もあるよ。

あくま

そりゃマズいな。
ちゃんと裁いても意味ないなら、信用されなくなるぜ?

てんし

そうだね。でもそれを防ぐためには、
国民がこの仕組みを知って、ちゃんと声を上げることが大事なんだ。
第64条はそのための入り口なんだよ。

あくま

……なんか今日は、けっこう納得しちまったかもな。
偉い裁判官にもちゃんとブレーキがあるってのは、
意外といいことかもしれねぇなぁ。

てんし

そう、憲法は誰かを特別扱いするためのものじゃなく、
みんなが平等であるための仕組みなんだ。
第64条もまた、、そのバランスを保つための、
静かだけど強い力を持った条文なんだよ。

まとめ

憲法第64条に書かれている「弾劾裁判所」は、簡単に言えば「裁判官を裁く裁判所」。

裁判官って、本来は中立で正しい判断をしてくれる人であってほしい存在ですよね。
でも、裁判官もまた人間である以上、
間違えたり、時には不正をしたりすることもあるかもしれません。

そんなときに「きちんとチェックできる仕組み」があることは、とても大事なことです。

この条文は、私たちが安心して裁判を受けられるように、
そして裁判官にもちゃんと責任があるということを示してくれているものです。

「裁く人にもルールがある」。

これが、憲法のつくる公平な社会の一つの姿です。

裁判官も特別扱いされないってことだよね。
ちゃんと国民の代表(国会)が見張っているのだから。

…しっかり見張っててほしいよね!

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