【日本国憲法第64条の解説】弾劾裁判所について

日本国憲法第64条

日本国憲法第64条では、弾劾裁判所について規定されています。
では具体的に見ていきましょう。

目次

条文:第64条【弾劾裁判所】

国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。


弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

第64条の解説

国会は、罷免するように言われた裁判官を裁判するための弾劾裁判所を設けることができる。その弾劾裁判所の裁判官は、衆議院・参議院の議員が担当する。
弾劾に関する詳細は、法律(裁判官弾劾法)で定める。

■要点①:裁判官を辞めさせることができるのは国会議員のみ

裁判官の身分は、第78条にてものすごく保障されています。たとえ総理大臣でも裁判官に指図することはできません。その理由等については憲法第78条の解説記事に書いていますので、先に読んでいただければと。

さて、裁判官が悪いことをしているのに、それを罰することができないというのも問題がありますよね。

なので、悪いことをした裁判官を罰することができる場も憲法にてきちんと設けられています。「弾劾裁判」です。

そして、この弾劾裁判所の裁判官になれるのは、衆議院・参議院に属する議員のみですよ、ということをこの条文にて規定しています。

■要点②:訴追は国民なら誰でもできる

要点①では、裁判官になれるのは国会議員だけだと書きました。
ですが、「あの人は裁判官にはふさわしくないのでは?」と訴追、つまり罷免(クビ)を求めることは、国民なら誰でもできます。

裁判官訴追委員会に対して申し立てればいいのです。(外部サイトへ飛びます)

この委員会にて、申し立てれた内容を調査し、裁判にかけます。むろん、実際に裁判にかけられて罷免された裁判官もいます。賄賂だったり児童買春だったり…。⇒内容を読んでみる(外部サイト)

自民党による憲法改正草案との比較:草案第64条

国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。


弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

第64条の2(※新設)
国は、政党が議会制民主主義に不可欠の存在であることに鑑み、損活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない。


政党の政治活動の自由は、保障する。


前二項に定めるもののほか、政党に関する事項は、法律で定める。

■自民党による言い分

2項を新設した理由については以下のように述べています。

政党については、現行憲法に規定がなく、政党法も存在せず、法的根拠がないので、政治団体の一つとして整理されてきましたが、政党は現代の議会制民主主義にとって不可欠な要素となっていることから、憲法上位置付けたものです。

憲法にこうした規定を置くことにより、政党助成や政党法制定の根拠になると考えます。政党法の制定に当たっては、党内民主主義の確立、終始の公開などが焦点になるものと考えられます。

(日本国憲法改正草案Q&A増補版より引用)

まとめ

国民も、裁判官を罷免するよう申し立てることができるのです。ですので、ニュース等で明らかに不当判決ばかり出しているのでは?と感じたり、実際に裁判官から嫌がらせ等を受けたりした場合は、裁判官追訴委員会へ申し立ててみましょう。手数料はかかりません。

しかし、罷免されたのにまた裁判官に戻っている人も何人かいますね……。ストーカー行為をした裁判官まで資格回復させるのは、いささか甘すぎるように思います。(まぁ、日本は性犯罪者にはとにかく優しい国ですけどね)

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