
たとえばあなたが、毎月会社から天引きされているお金。
よく見たら、社会保険や税金以外にも
「研修費」「共済費」とかあったりしたら、
「これ、何に使われてるの?」って思うよね。
ちゃんと説明や使い道が公開されていればいいけど、
もしそれを会社の上の人たちが勝手に使ってて、
「内容は言えません」なんて言われたら、不安になるじゃない?
実は、国のお金も同じなんだ。
僕たちが払ってる税金…
消費税、所得税、住民税……
いろんな形で集められたお金は、政治家の私物なんかじゃない。
だから、どう使うのか、
ちゃんと国民の代表が話し合って決めなさいよ、
というルールが、日本国憲法の第83条に書かれているんだ。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!
第83条【財政処理の要件】
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

悪魔くん、今日は日本国憲法第83条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

国が金を使うときは、勝手にやっちゃダメってことだ。
ちゃんと国会で「この使い方でいいか?」
って決めてからじゃねぇとダメなんだよ。
政治家が自分の好き勝手に金使えねぇようにってわけだな。

うんうん、いいね!

それが「財政民主主義」っていう考え方なんだ。
国家のお金の使い方を、
ちゃんと国会=国民の代表たちが決める仕組みなんだ。

はぁ?民主主義だぁ?
金なんて、国が必要だって思ったところにバシッと使えばいいだろ。
いちいち議論なんかしてたら遅ぇし、効率悪いじゃねぇか。

そう思う気持ちもわかるよ。
でもね、国のお金って、ほとんどが僕たち国民が払ってる税金なんだ。
その使い道を国民が決められないってなったら……
それって、税金を取り上げられてるだけになってしまうよね。

でもよ、どうせ国会で決めたって、
結局偉そうなヤツらが勝手に決めてんだろ?
俺らが関われるわけじゃねぇし。

うん、確かに「政治家に丸投げ」って感じることもあるよね。
でも、その政治家を選んでるのは、僕たち国民なんだ。
だからこそ、第83条は
「国民に選ばれた代表が、ちゃんと議論して決めなさい」
って言ってるんだよ。

でもよ、今って政府が勝手に税金増やしたり、
軍事費バカみたいに使ったりしてるじゃねぇか。
憲法にそう書いてあるなら、なんで止められねぇんだよ?

そういう人を僕たちが選んでいるからだね、結局は。

やっぱりそうか…
選挙を軽くみてきたツケか。

そうそう、実はね、
自民党の改憲草案では
「財政の健全性についても憲法に書き込もう」
って動きもあるんだ。

うん?
いいんじゃねぇの?

ううん。
確かに、ぱっと見はまともそうに見えるけどね、実は、
「収支のバランスが崩れたら増税してでも整えろ」
ってことになるんだ。
つまり、「憲法違反を避けるために増税」って
理屈がまかり通っちゃうかもしれないんだ。

げっ、それって……
つまり、憲法を盾にして税金巻き上げる口実になるってことかよ。
ますます信用ならねぇな……。

そう。だから「財政の健全性」って言葉の裏に何があるのか、
ちゃんと見なきゃいけない。
そして、本来の第83条の意味である、
「国民の代表が、国民のためにお金を使い道を決める」って原則を、
僕たちは見失っちゃいけないんだ。

つまり、俺たちがどんなヤツに金を任せるかを
ちゃんと見極めろってことか。
……さっき、選挙を軽くみたツケとか言ったけどさ、
なんか、思ってたよりも俺たちの責任、重くね?

うん。
選挙に行くとか、情報を知るとか、
それが回り回って、自分の暮らしを守ることにつながるんだよ。
税金って、ただ取られるものじゃない。
どう使われるかを監視する権利も、僕たちにはあるんだ。

ふーん……金の話になるとムカつくことばっかだけどよ。
ちょっとは「監視する目」ってのを持たねぇとな。
そうじゃなきゃ、本当に好き勝手やられそうだしな。

そう、それが財政民主主義。
そして、憲法第83条の根っこにある考え方なんだよ。
まとめ
この条文が大切にしているのは、「お金の使い道を、国民の代表である国会が決める」というルール。
それはつまり、国の財政は「国民のもの」だという前提に立っているということです。
もしそのルールが形だけになって、実際には政府の思うままに使われるようになったら……?
その先に待っているのは、増税や社会保障の削減といった、
私たちの生活に直結する問題です。
まさに今、そんな感じになっていますよね。
だからこそ、「誰に任せるのか」「どんな政策を選ぶのか」というのも、選挙
での一票がとても大切になります。

国の予算というのは、
本来は僕たちの声を反映して使われるべきお金なんだから、ね。
