【対話でわかりやすく】憲法第56条:国会の出席ルールと多数決の仕組みとは?

日本国憲法第56条を対話でわかりやすく。国会は何人集まればいいの?最低限のルールがあるよ。

たとえば、30人いるクラス全体の話し合いなのに、
学級委員長とその仲のいい子だけという
ほんの数人だけの話し合いで
「これに決まったからね!」ってなったら?

クラス全体に関することなら、
それはダメだよ!勝手に決めないで!ってなるよね。

実は、国会にもそれと同じように、
「最低限集まらなきゃいけない人数」のルールがあるんだ。

それがこの第56条。

学校の話し合いとも似ているこのルール、
実は、民主主義の根っこを支えている大事な仕組みなんだ。

これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第56条【議事の定足数と過半数議決】
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。


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両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第56条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

国会で話し合いや決めごとをするには、
最低でも議員の3分の1は出席してねぇとダメってことだ。

で、何か決めるときは、来てるやつの半分以上が賛成すりゃ可決。
反対と賛成が同じ数なら、議長が決める。
ただし、他の条文にルールが書かれているやつは、そっちが優先な。

てんし

うんうん、いいね!

あくま

なあ、天使。国会のやつらって、いつもダラダラしてるじゃん?
だったらあんなもん、やる気のあるやつらだけで
勝手に話し合って、勝手に決めちまえばいいんだろ?
わざわざ人数そろえる必要あるのかよ。

てんし

うーん。
さっき悪魔くんに訳してもらったけどさ、

「国会でちゃんと会議を始めるには、
全体の3分の1以上の議員がいないとダメ」

って憲法に決まってるからねぇ。

あくま

3分の1って…
逆に言えば、3人に1人いればいいのか?
それでも「議会開けます」って?

てんし

うん、完璧とは言えないけど、最低限の人数だとされているんだよ。

みんな、他の仕事にいかなきゃいけなかったりとかさ、
それから体調の都合もあるし。

こういうふうに、「全員が常に集まる」のは現実的じゃないんだよね。

だから「最低でもこの人数はいないとだめだよ?」
ってルールがあるんだ。

あくま

じゃあ、話し合いが始まったらどう決めんだ?
全員一致だよな?

てんし

いい質問!
基本は「多数決」だよ。

出席してる議員の半分以上が賛成すれば、
その案はOK、とされるんだ。

あくま

ふん、よくあるパターンだな。
でもよ、賛成と反対が同じ数になったらどうすんだ?
ジャンケンか?

てんし

さすがにジャンケンじゃ困るよ!

その場合は「議長」の判断に任されるんだ。

あくま

議長の責任、めっちゃ重いな。

てんし

そうだよ。
たった1票で世の中のルールが決まることだってあるからね。

てんし

そうそう、基本は多数決なんだけど、
「もっとたくさんの賛成が必要」なものもあるんだ。

あくま

ほう?
例えば?

てんし

たとえば憲法を変えるとき。この場合は、第96条に
「出席議員の3分の2以上の賛成が必要」ってあるのさ。

大切な憲法を簡単に変えられないように、
ちゃんとハードルを高くしてあるってことだね。

あくま

なるほどな。
どっちにしろ、あれか。

どうしても通したい法案を少人数で勝手に決めちゃえ!

ってことはできないよってことか。

てんし

そういうこと!
もしこのルールをなくしたらめちゃくちゃになっちゃうからね。

あくま

なるほどなぁ。

まぁ、それなら、
少数派の意見はガン無視してもいいってことだな。

てんし

悪魔くん、それは違うよ。

てんし

たとえ少数派の意見でも無視しちゃいけない。
だから、議論をしっかりしなきゃいけないんだ。
数だけで押し切るのは、本当は憲法の精神に反するんだ。

てんし

確かに、最終的には多数決で決めるしかないんだけど、
だからといって議論をまともにやらずに
強行採決を乱発するのはもってのほかなんだよ、本当は。

あくま

改憲されたらどうなるんだ?
この第56条も変えようとしているんだろ?

てんし

そうなんだよ…
「会議を開くためには3分の1以上の出席が必要」
というルールを削除しようとしているんだ。

つまり、人数が少なくても会議をしちゃってOK!
というふうにしようとしてる。

あくま

え、でもどうせ議決のときは3分の1必要なんだろ?
改憲案でもそこはそうだよな?

なら別によくね?

てんし

それが落とし穴になっているんだ。
議論は数人だけでやって、最終的に決めるときだけ参加!
→数で押せ押せ!ってね。

てんし

つまり、ろくすっぽ話し合いをしなくても、
最後の議決だけ数を揃えることができれば
法律が決まっちゃうってこと。

あくま

めっちゃ話し合いを軽くみてね?

あくま

それは今も変わらないか?
スマホ見たり、寝たりしている議員もたくさんいるもんな。
政党大体決まっているけどよ。

てんし

まぁね(苦笑)

でもそれでも、「最低限これだけは守ろう」っていうラインがあるからこそ、議会が「形だけ」じゃなく、ちゃんとした公的な場として成り立ってるんだ。

それを削っちゃうと本当に、今以上に中身がスカスカなままでも
国のルールがどんどん決められちゃう可能性が出てくるんだよ。

あくま

そうか、最低限のライン、か。

堂々と
「サボってもOK!最後に数で押せばいいさ!
強行採決乱発するぞ」
って宣言してるってことか、改憲は。

てんし

お、わかりやすい。

あくま

えっへん

あくま

議会ってなんのためにあるんだろうなぁ。

てんし

それを、僕たち国民も改めて考えていかなきゃね!

てんし

今の憲法は本当に「ギリギリ」のところを守ってくれているから、
僕たちもその意味を理解していかなきゃ、ね。

あくま

そうだな。
国会議員は俺たち国民の代表なんだから、
もっともっと丁寧に話し合うべきだー!!!

まとめ

国会の話って、どうしても「遠い世界のこと」って感じがするかもしれません。

でも、この第56条、
「国会は最低何人集まったら話し合えるか」
「どうやって物ごとを決めるか」
というのは、実は、みなさんの学校や職場の話し合いとも似ています。

たった数人だけで大事なことが勝手に決められてしまったら、モヤモヤしますよね。
だからこそ、「最低でもこれだけの人数がいないと議論しちゃダメ」ってルールが大切なんです。

だからといって、数だけで決めてもいいというものでもなく、
「少数派の意見もちゃんと聞く」という、もう一つの大事なルールも含まれています。

もしこれをなくしてしまったら、
国会は「形だけのもの」になってしまうかもしれないんだ。

ろくに話し合わずに、数の力だけで何でも決めていく。
そんな世の中にしないように、僕たちも見ていかなきゃね!

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