【対話でわかりやすく】憲法第76条:裁判官・裁判所の「独立」とは?

日本国憲法第76条を対話でわかりやすく。権力よりも良心を信じろ。それが裁判官の使命。

たとえば、役所から
「あなた税金の申告ミスしてますよ。多めに払ってくださいね」
なんて通知が来たとします。

いやいや、これは納得いかない!
でも言い返せる相手もいない…

そんなとき、最後に頼れるのが「裁判所」なんです。

そんな裁判所についても、
憲法によって「どうあるべきか」と決められているんです。

これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!

第76条【司法権の機関と裁判官の職務上の独立】
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

2
特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

3
すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第76条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

まずは1項な。
裁判ってのは、国の中で一番エラい最高裁判所と、
それ以外にもちゃんと法律で決められた裁判所だけがやっていい。
変な組織が勝手に裁判してんじゃねえぞ、ってことだ。

続いて2項にいくぜ
昔みたいに、軍隊用の裁判とか
天皇関係の特別な裁判所はもう作るなって話だ。
で、役所とかお上の機関も、「はい、これが最終決定!」って
勝手に裁判のマネすんなってことだな。

最後だ、3項な。
裁判官ってのは、誰に命令されることもなく、
自分の良心と憲法・法律だけを頼りに仕事しろってことだ。
つまり、「上の言うこと聞け」じゃなくて、
ちゃんと憲法と法律を大切にしつつ、自分で考えろってことだな。

てんし

うんうん、いいね!

あくま

ヘッ。
俺はやっぱり「国のために働く裁判官」がいてもいいと思うけどな。

てんし

んむ。
「裁判官は国のために働くべきだ」っていうその考え方が、
まさに戦前の危うさそのものなんだよ。

あくま

ほらきた、「戦前は悪かった」論。
でもさ、今の日本、そんなに信用ならんの?

役所とか自衛隊とか、真面目にやってるじゃん。
いちいち裁判所なんか通さなくてもいいこともあるだろ?

てんし

もちろん、役所や自衛隊の人が不真面目だとは言わないよ。
でもね、「裁判所だけが最終判断できる」っていうルールは、
人権を守る最後の砦
なんだ。

たとえばさ、
役所に「あなた税金多く払って!」って言われたとき、
それが間違ってても、裁判できなかったらどうする?
「役所の判断が最終判断でいいんです」って。

こうなってしまったら、泣き寝入りするしかないよね。

あくま

あー、でも税務署とか、不服申立てってあるじゃん?
3か月以内に言えば対応してくれるとか、書いてあるし。

てんし

そうそう、それは「前審」っていうんだよ。
つまり、最初の話し合いの場。

でも、その結論に納得できなかったとき、
最終的には裁判所で決着をつけられる。

この「最終決定」は行政じゃなくて、
あくまで裁判所じゃなきゃダメってこと。
これが第76条第2項のポイントなんだ。

あくま

なるほどな。
申し立てた人が納得できていないことに対して、
裁判所以外のところが勝手に終わらせることはできないってことか。

あくま

で、特別裁判所の話だけど…
軍法会議とか皇室裁判所って、なんでダメなんだ?

てんし

いい質問だね!
戦前の軍法会議では、兵士が不当な判決を受けることも多くてね。
「軍の中のルール」で裁かれるから、
一般の法律とは違う扱いになってたんだ。

でもそれって「法の下の平等」に反するでしょ?
だから、憲法ではそういう特別な裁判所は禁止されてるの。

あくま

ふーん。まあ、たしかに「軍のルール」で
勝手に人を裁くってのは…ちょっと怖いな。

てんし

そういうこと。
そして第3項のね、
「裁判官は自分の良心に従って、独立して職務を行う」
ってのも大事な柱。

政治家や上司から「こういう判決にしろ」って圧力がかかっても、
裁判官はそれを無視していい。

むしろ、無視しなきゃダメなんだ。

あくま

でもさ、その良心ってのがヘンな方向にいったらどうするんだ?
たとえば、自分の価値観で変な判決出すとかさ。

てんし

そこは「法律」と「憲法」という土台があるから安心して。

それに、良心ってのは“気分”のことじゃないよ。

公平に、偏らず、国民の権利を守るっていう使命感のことさ。

そしてその判断が間違ってると思ったら、
控訴や上告っていう制度もある。

あくま

なるほどな…。
裁判官が「上からの命令を気にしない」ってのは…
それで弱い人が守られるなら…まあ、悪くはないかもな。

てんし

うん、それでいいんだよ。
司法権が独立しているってことは、
誰かが困ったとき、政治や役所の都合じゃなくて、
法律と憲法のもとでちゃんと解決できるってことだから。

まとめ

「裁判所は、国家の言いなりになってはいけない」
「裁判官は、自分の良心と法律だけを頼りに判断する」


そんなルールが、ちゃんと憲法に書かれている。

だからこそ、私たちは行政や政治に対して「それって本当に正しいの?」と
声をあげるチャンスが残されているんですよね。

なんとなく難しそうに見える「司法」という言葉も、実は「困ったときの味方」。

そう、「わかりやすい犯罪」だけではなく、
税金のことでも、職場のことでも…
生活のなかで「不公平だ」と感じたとき、
裁判所が最後の砦になってくれる可能性があるんです。んだ

この条文があるおかげで、
僕たちは「声をあげる権利」を持ち続けていられるんだよ。

だから…裁判官の人たちも、もっとちゃんと
自分たちの存在の意味について考えてほしいよね。
ここ数年、変な裁判官が増えてて嫌になるな〜

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