【対話でわかりやすく】憲法第78条:裁判官がクビにならない理由とは?

日本国憲法第78条を対話でわかりやすく。特別扱いじゃない。信頼と独立のための保障。

もしも裁判官が、政府に都合の悪い判決を出したからって、
それだけを理由にクビにされたら?

……怖いよね、もしこんなことがあったら。

たとえば、あなたが学校の先生に
「このルールはおかしいと思います!」ってまじめに意見を言ったら、
「うるさい、お前は退学だ!」ってなる感じだよ。

理不尽すぎて納得できないはず。

でも、それがOKな社会だったら、
裁判官だって自分がクビにならないように、
「エライ人たち」に気をつかっちゃう。
そうしたら、正しい判断なんてできないよね。

だからこそ、憲法第78条では
「裁判官の身分はカンタンに奪っちゃダメだよ」
って、しっかり守っているんだ。

今回は、裁判官がクビにならない仕組みについて、
天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!

第78条【裁判官の身分の保障】
裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第78条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

裁判官ってのは、よっぽどの理由がない限りクビにできねぇって話だ。
病気とかで働けなくなった場合は別みたいだけどな。

で、クビにするにしても、特別な手続きをする必要があるんだ。

ちなみにな、行政、つまり政府側がやめさせることはできないのさ。

てんし

うんうん、いいね!

あくま

なーんか特別扱いしすぎじゃね?

てんし

「特別扱い」じゃなくて、
「大切な独立性を守るための仕組み」なんだよ。

あくま

独立性ねぇ…。
でもさ、なんか甘やかされてるようにしか見えないんだよな。
ふつうの仕事なら、でっかいヘマしたら即アウトだろ?
なんで裁判官だけ、そんな「クビになりにくい特権」があるんだよ?

てんし

いい疑問だね。
たしかに普通の仕事なら、上司の判断で辞めさせられることもある。

でも裁判官の場合は、もし
「政府にとって都合の悪い判決を出したからクビ」
なんてことができたら、どうなると思う?

あくま

そりゃあ…みんなビビって、正しい判決出せなくなるわな。

てんし

そう。それが一番の問題なんだ。
裁判官が本当に公平な判断を下すためには、
「どんな圧力に逆らっても、クビにされない安心感」が必要なんだよ。

あくま

んー、それはわかるけど…でも、たとえばさ、
能力がなくて判断ミスばっかりする裁判官だったらどうすんだよ?
それでも守られんの?

てんし

うん、それでも原則的にはクビにはできない。
ただし、心身の状態が明らかに悪くて仕事ができないって
判断された場合は別だね、さすがに。

てんし

で…重大な問題を起こした場合は、
「弾劾裁判」っていう特別な裁判で判断されるんだ。

あくま

弾劾裁判?
なんだそりゃ。ふつうの裁判とは違うのか?

てんし

そう、ちょっと特別なんだ。
国会議員から選ばれた人たちだけで構成される
「弾劾裁判所」っていう場所で、
その裁判官が本当にクビにするほどのことをしたのか、
ちゃんと判断される。

あくま

なるほどな。

行政、つまり政府とか総理大臣とかが
「アイツ気に入らねぇ!」って言っても、
勝手に辞めさせられないってわけか。

てんし

その通り!
それが憲法第78条が守っている「司法の独立」ってやつなんだ。
政府も国会も裁判所も、それぞれ別の力を持って、
チェックし合う関係にある。

これが「三権分立」っていう大事な考え方なんだよ。

あくま

でもさあ、それにしても守られすぎじゃねぇか?
ヘマしてもクビにならないし、報酬も満額もらえるし。
なんか“勝ち組の城”って感じだぜ。

てんし

たしかに、改善が必要な面もあると思う。
国民審査って制度もあるけど、ほとんど活用されていないしね。

でも、それでも第一に守らなきゃいけないのは、
「政治からの圧力に負けない仕組み」なんだ。

あくま

まぁ…
言われてみりゃ、裁判官が政治家の顔色うかがってたら怖ぇな。
「公平な裁判」なんて絵に描いた餅だわな。

てんし

その気づき、大切だよ。
裁判官の身分を簡単に奪えないっていうのは、
「僕たちの人権を守るための、最後の守り」でもあるんだ。

まとめ

憲法第78条って、パッと見ただけだと「裁判官をクビにしづらくする条文」って感じがしますよね。
でも、そうではなく、「裁判の公平さを守るための仕組み」だったんですね。

もし、政府や偉い人が気に入らない判決を出した裁判官をすぐにクビにできるような社会だったら、
私たちが安心して裁判に頼ることなんてできなくなってしまいます。

だからこそ、裁判官の身分が“簡単に奪われない”というのは、
「特権」ではなく「責任とセットの信頼」なんですよね。

もちろん、改善すべき課題、
たとえば国民審査が形骸化していることや、
一部の裁判官におごりが見られることなど、いろいろある。

でも、それでも、この条文があるからこそ、
僕たちの権利と自由は守られているんだね。

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