
「皇室って、どこからお金もらってるの?」
ふと、そんな疑問を持ったことない?
天皇陛下や皇族の方たちが生活したり、
公務をしたりするには当然お金がかかるわけだけど、
そのお金がどうやって決められて、誰が管理してるのか?
これ、実はちゃんと憲法でルールが決まってるんだ。
「偉い人だから特別」ってしちゃうと、
お金の使い方にブレーキがかけられなくなっちゃうからね。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!
第88条【皇室財産及び皇室費用】
すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

悪魔くん、今日は日本国憲法第88条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

天皇とか皇族が持ってる財産は、
全部「国のモン」ってことだ。個人のもんじゃねぇ。
で、皇室が暮らしてくのにかかる金も、勝手に使えるわけじゃねぇ。
ちゃんと毎年、国の予算に入れて、
国会の承認をもらわなきゃ使えねぇってワケだ。
要は「皇室だからって金の扱いは特別じゃねぇぞ」ってことだな。

うんうん、いいね!

ちょっと口が悪いけど、大事なところをきちんと押さえてるね。
そう、この第88条っていうのは、
「皇室のお金も、国民のお金と同じように扱いましょう」
っていうルールなんだ。

でもさぁ、天皇って国の象徴なんだろ?
だったらさ、もうちょっと特別扱いしてもいいんじゃねぇの?
なんでそこまで国会に口出しされなきゃいけねぇんだよ。

ああー、それ、実は昔はそうだったんだよ。
明治憲法の時代は、皇室の財産ってのは聖域で、
政府も国会も口出しできなかった。
その結果、皇室が巨大な財産を持つ「超セレブ機関」みたいになって、
まるで大財閥みたいな権力を持っちゃったんだ。

へぇ〜…それってちょっとカッコよくね?
国家の頂点に立つ存在なんだから、
それくらい力持っててもいい気がするけどな?

そう言いたくなる気持ちもわからないではないよ。
でもね、それってつまり、
「誰も止められない存在」が生まれるってことなんだ。
お金も権力も自由に使える皇室があったら、
国民はそれをチェックできない。
民主主義にとって、それはとても危険なことなんだよ。

たしかに、そんな存在が暴走したらヤバいか…。

うん。だから、今の憲法では
「皇室の財産は国に属する」ってはっきり書いてある。
そして皇室にかかるお金(皇室費)も、
毎年ちゃんと国会で予算を決めるってルールがあるんだ。
これは「財政民主主義」っていう考え方に基づいてるんだよ。

財政民主主義ってぇのは、国のお金の使い道は、
国民の代表である国会が決めるって意味だよな?。
つまり、天皇や内閣が勝手にお金を使えないようにして、
国民の目が届くようにする仕組み、ってことか?

その通り!
第83条だね!

でもよ、それだと天皇があんまりにもしょぼく見えねぇか?
「国の象徴」って言っときながら、
財布の中身まで全部国会に管理されてるって、ちょっと情けなくねぇ?

そう思うかもしれないけど、
それってむしろ「象徴」にふさわしい在り方だと僕は思うな。
政治やお金から距離を置いて、
国民全体の象徴として中立でいることこそが、
今の皇室の大きな役割なんだ。

……ふむ。
たしかに、政治や金に関わってる「象徴」なんて、
信用できないもんな。

でしょ?
この第88条は、過去の反省に基づいて作られたルールなんだ。
二度と皇室が政治やお金のことで特別扱いされないように、
ちゃんと歯止めをかけてるんだよ。

ああ〜、昔は皇室がでっけぇ山林とかバンバン持ってたんだろ?
そういうのをぜんぶ「国のもん」にしたってのは、
けっこう思い切った決断だったんじゃねぇの?

本当にそうだね。
だからこの条文は、民主主義と天皇制の共存をどう保つかっていう、
すごく繊細なバランスを取ってるんだ。

ふーん…
天皇が自由にお金使えないのはただの「節約」って話じゃなくて、
民主主義のためだったのか。

その通り!
「国のお金は、国民がチェックできるように使おう」っていう、
基本中の基本を、皇室にもちゃんと当てはめてるんだ。

……ま、そう言われると納得しちまうな。
金の流れを見えるようにするってのは、大事なことだよな。
まとめ
かつての日本では、皇室が莫大な財産を自由に扱うことができ、
政治的な力を持っていた時代がありました。
そうした反省から、今の憲法では皇室のお金の流れにも
「財政民主主義」という考え方がきちんと適用されているのです。
これはつまり、
どれだけ権威がある存在であっても、
税金を使う以上は国民の代表(国会)のチェックを受けるべきということです。

特別扱いせず、きちんとルールに従うという仕組みがあるからこそ、
民主主義が成り立っているんだね。
