
ねぇ、「市長」や「知事」って、誰がどうやって決めてるか知ってる?
「国が勝手に任命してるんじゃないの?」って思った人、
ちょっと待った!
たとえばさ、クラスの学級委員をPTA(親たち)が勝手に決めたら?
「え?なんであの子なの?」ってモヤモヤしない?
でも、みんなで話し合って「この人にお願いしよう」って決めたら、
納得できるし、協力していいクラスにしようという気も強くなるよね。
実は、これと同じことが「地方自治体」でもあるんだ。
「市とか県とかのリーダー(市長・知事)や議員は、
住んでる人たちがちゃんと選挙で選ぶんだよ!」って、ね。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!
第93条【地方公共団体の機関】
地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
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地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

悪魔くん、今日は日本国憲法第93条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

市とか県とかの自治体には、ちゃんと議会を作れ」って話だ。
んで、その議会のメンバーとか、知事とか市長とか、
あと法律で決まってる役人たちは、
そこに住んでる住民が自分たちで選ぶんだとよ。選挙でな。
国が勝手に決めるんじゃなくて、住民が自分で選べってことだ。

うんうん、いいね!

国が決めるんじゃなくて、住民に任せるとか、
正直メンドくさくねえか?
それでちゃんとしたヤツ選べるのかよ?

うーん、そういう見方もあるけど、でも大事なのは、
自分たちのことは自分たちで決めるっていう原則なんだ。
これを「住民自治」って言うんだよ。
住民がちゃんと政治に関わることで、
その地域に合ったルールやサービスを
作れるようにするのが目的なんだ。

ふーん。でもさ、正直、選挙とか行かないヤツも多いし、
興味ない人がほとんどだろ?
だったら最初から国が人材送り込んだ方が早くねぇか?
国とのつながりが強いやつとか、
プロがやった方がちゃんとするんじゃね?

その考え方、ちょっと前の時代の発想だね。
たしかに、かつての明治憲法の時代は、全て国が任命してたんだ。
でもそれだと、「住んでいる人の声」が全然届かなかった。

中央政府っていうのは、全国のバランスを取る役割はあるけど、
地域ごとの細かい事情までは見えにくい。
だからこそ、地域のことは地域の住民が決めるっていう、
地方自治が必要なんだよ

でもよ、実際のところは今でも
国の方が偉いみたいな雰囲気あるじゃん。
「国と地方は対等」って憲法に書いてあるけど、
言ってるだけで、現実は違うんじゃねえの?

いいところに気づいたね。
たしかに現実とのギャップはある。
でも、第93条をはじめとした地方自治の規定は、
そのギャップを埋めていこうという理想なんだ。

とくにこの第93条は、
地方自治を成り立たせるための最低限の仕組みを定めた条文。
つまり、ちゃんと議会を作って、そこの人たちは住民が選ぶって、
憲法レベルでしっかりルール化してるんだよ。

それはわかったけどさ。理想も大事だからな。
でもさ、
外国人に選挙権やるとかやらねえとかで揉めてるじゃん?
自民党が
「日本国籍があるやつだけにしろ」ってのを
はっきり憲法に書き込んでやろうって言ってるのも見たぞ。
税金払ってるだけじゃ、
選挙権くれてやる理由にならねぇって理由で、さ。

でもこれ、正論だよな?

実際にはもっと深い話なんだ。
地方自治の場合、
「実際にそこにいる住民の声」が行政に反映されるかも問われるから、
永住して税金も納めている外国人が関わることにも意味があるんだよ。

だから、ヨーロッパのいくつかの国では、
永住者には地方選挙の投票権を与えているところもあるしね。
もちろん、慎重な議論は必要だけど、
「外国人だからダメ」って切り捨てるのはちょっと短絡的すぎるかも。

なるほどな…。
「乗っ取られる!」って言っているやつらもいるけれど、
そもそも俺らもちゃんと地方自治に関心を持っていればいいんだしな。
そして、国籍問わずみんなが仲良く、
ちゃんと活動している地域にしてくれる人を
選挙で選んでいけばいいってことか。

ああー、結局は、
自分たちの地域に責任持たないと意味ねぇってことか。
外国人しか自分の地域に興味がないってのもおかしな話だもんな?
自治って、結構めんどくさい自由なんだな…。

そう、自治っていうのは自由と責任がセットなんだ。
でもね、そのおかげで、
たとえば学校の統廃合やゴミの収集の仕方、
地域の福祉のあり方まで、自分たちで意見を言えるんだよ。
それってすごく大事なことだと思わない?

まぁな…。知らねぇで文句言ってるより、
ちょっとくらい関わってみた方が、面白そうだとは思うぜ。
まとめ
「地域のことは、そこに住む人たちが自分たちで決めよう」という、
とても基本的で大切な考え方を示している条文です。
国と地方は、本来「上下関係」ではなく「対等な関係」です。
それぞれの地域に住む私たちが誰をリーダーに選ぶか、
どんなルールで暮らしていくかを自らの意思で選び取っていく。
それが、民主主義の根っこにある「自治」の考え方です。
もちろん、自治には手間や責任がともないます。
でも、そのぶんだけ自分たちの声が届く社会にもなるのだと思います。

政治や選挙は「面倒なもの」「遠いもの」と思われがちだけど、
実はとても身近で、僕たちの日々の暮らしにつながっているんだよ。
