
たとえばさ、学校で
「1年A組だけ、掃除を毎日2時間やってね」
って言われたら、どう思う?
「え、うちだけ!?なんで!?」ってなるよね。
しかも、先生たちだけで勝手に決めてたら、なおさら納得いかないはず。
実は、こういう「特定の地域だけに負担をかけるルール」って、
国でも起こりうる話なんだよね。
でも、そんなときに
「ちょっと待てよ!ちゃんと住民の意見を聞いてから決めようよ」
ってブレーキをかけることができるのが、この第95条。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!
第95条【一の地方公共団体のみに適用される特別法】
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第95条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



ある特定の市とか県だけに通用する特別な法律を作るときは、
そこに住んでる住民の投票で“過半数の賛成”がなきゃダメだ、
って話だ。
国会が勝手に決めるんじゃねぇぞってことだな。
まぁ、「地方いじめ防止法」ってとこか。



うんうん、いいね!



正直こんなルール、形だけじゃね?
現実にはほとんど使われてねぇしよ。



たしかに、使われた回数は少ないけど、だからこそ意味があるんだよ。
第95条って、
「国が特定の地域にだけ都合の悪い法律を押しつけるのを防ぐ」
ためのブレーキなんだ。
地方自治体の意見や住民の意思をちゃんと尊重してね、
って憲法がわざわざ明記してるんだから。



でもな、わざわざ「その地域だけのための法律」って、なー。
大事ならもっと使われててもいいじゃねーかよ。
現実じゃ15件しかねぇらしいじゃん?



うん、たしかに第95条を使った特別法は少ない。
でも最初の例がすごく象徴的だったんだ。
覚えてる? 広島市。
原爆で街が壊滅して、普通の戦災復興じゃ足りなかった。
そこで「平和記念都市」として再建するために、
この第95条を使って特別法が作られたんだ。
住民投票もちゃんとやって、賛成多数で成立した。
これは、地域の特別な事情に国が寄り添うために使われた、
すごくいい例なんだよ。



ふーん…。
でも今の時代、そんな美談だけじゃすまねぇよな。
改憲案じゃ、この第95条も手直ししようとしてんだろ?



なんか、「住民に義務を課す」とか
「権利を制限する」って文言を、
わざわざ追加してきてるって聞いたぜ?



そうなんだよね…。
しかも「有効投票の過半数」っていう新しいルールも追加されている。
これが何を意味するか、わかる?



ん?…つまり、投票率がどんなに低くても、
賛成が半分を超えていたら成立〜!ってことか?



正解。
今までは、もし投票率があまりに低ければ
「住民への周知が足りてないんじゃないか?」って疑われて、
その特別法の正当性を問う余地があった。
でも「有効投票の過半数」って書いてしまえば、
たとえば投票率30%でも、
その中で過半数なら通っちゃう可能性があるんだ。



うわ、それヤベェな…。
国が勝手に「この法律は○○市にだけ適用な」とかやって、
周知もろくにしないまま、お仲間だけで賛成とって、はい成立~って
そういうのもできちまうってことか!



そう、まさにそれ。
これじゃあ、地方いじめを合法化する仕組みになりかねない。
憲法は本来、権力を縛るためのルールなのに、
改憲案は「どうやって縛りをかいくぐるか」をになっているんだ。



ひどいな…。



ああ、そうだ、今の憲法の話に戻るけどよ、
沖縄の基地問題もこの条文で揉めてたって聞いたぞ?



よく知ってるね。
沖縄県の辺野古新基地問題では、
名護市という特定の地方公共団体に負担が集中してる。
しかも、住民投票で7割が反対したのに、政府は無視して進めた。
これは「第95条を適用すべきだったんじゃないか」って、
今でも言われてる問題なんだよ。



なるほどな…。
じゃあ今の第95条って
「地方を守る最後の砦」みてぇな条文なのかもな。
だったらなおさら、改憲で骨抜きにされたらヤバいじゃねぇか。



いい例えだね!
そう、この第95条があるからこそ、
「この地域だけ特別な負担をさせたい」って思っても、
住民の声を無視できないんだ。



自分たちの地域に関することは、自分たちで決めるという、
地方自治の原点がここにも生きているのさ!
まとめ
憲法第95条は、
「特定の地方だけに適用される特別な法律を作るときには、その地域の住民の同意が必要ですよ」
と定めた条文です。
一見すると地味に思えるかもしれませんが、
「地方自治を守るための大切なストッパー」として、
実はとても重要な役割を持っています。
もしこの条文がなかったら、
国の都合だけで「この地域にはこんなルールを課します」と、
一方的に決められてしまう可能性があります。
そんな地方いじめを防ぐために、住民の意思をしっかり確認する手続きが憲法で義務づけられているのです。
また、改憲草案のようにこの条文の適用範囲を絞ったり、
投票のルールを変えることで住民の声が通りにくくなると、
憲法が本来目指している「権力のコントロール」や「住民の尊重」が損なわれかねません。



僕たちが自分たちの暮らしや未来を守るためにも、
この第95条がどんな意味を持つのかを知っておくことは、
決して無駄ではないはずだよ。

