【日本国憲法第77条の解説】最高裁判所が持つ絶大な権限について

日本国憲法第77条

こちらは日本国憲法第77条の解説記事です。

この第77条が伝えたいポイントというのは……

裁判所の独立性を確保している条文です。
最高裁判所は国会や内閣の干渉を受けることなく、
以下のことについてのルールを独自に決める権限を持っています。

・裁判に関する手続き
・弁護士に関すること
・裁判所の内部規律
・司法事務処理

そして検察官もまた、裁判所が決めたルールに従わなければなりません。

なお、いくら独立性が確保されているとはいえ、
憲法や法律に違反するようなものは認められません。

裁判所の独立性を確保している条文です。最高裁判所は国会や内閣の干渉を受けることなく、以下のことについてのルールを独自に決める権限を持っています。

・裁判に関する手続き
・弁護士に関すること
・裁判所の内部規律
・司法事務処理

そして検察官もまた、裁判所が決めたルールに従わなければなりません。

なお、いくら独立性が確保されているとはいえ、憲法や法律に違反するようなものは認められません。

具体的にはどういうことなのか?

そして、自民党が推し進めようとしている改憲草案の中身は?
その問題点とは?そういった解説・考察をしています。

ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです!

目次

日本国憲法第77条【最高裁判所の規則制定権】

意訳

最高裁判所は、裁判所に必要な様々な決まり事を作ることができる。
検察官も最高裁判所が決めた規則を守らなければならない。

最高裁判所は、裁判所に必要な様々な決まり事を作ることができる。検察官も最高裁判所が決めた規則を守らなければならない。

原文

最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

2
検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。

3
最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

日本国憲法第77条を更に深堀してみよう

要点①:最高裁判所の独立性の保障

裁判所の独立性を確保している条文です。

例えば以下のような司法に関することは、国会や内閣の干渉を受けることなく規定することができます。
国会によって隅から隅まで細かく定められてしまうと、
三権分立で謳われている司法の独立性が弱まってしまいますから。

例えば以下のような司法に関することは、国会や内閣の干渉を受けることなく規定することができます。国会によって隅から隅まで細かく定められてしまうと、三権分立で謳われている司法の独立性が弱まってしまいますから。

・裁判に関する手続き
・弁護士に関すること
・裁判所の内部規律
・司法事務処理

それに加えて、司法に関することはやはり司法に関わっている人たちの中で
規定していった方が現実的・実用的だからというのも当然あります。

それに加えて、司法に関することはやはり司法に関わっている人たちの中で規定していった方が現実的・実用的だからというのも当然あります。

要点②:憲法や法律に違反した規則は作れない

いくら司法権の独立性が認められているとはいえ、
憲法や法律に違反するような規則を作ることはできません。

司法権の独立性が認められているのだから、規則>法律なのか?という議論もあります。
もし最高裁判所が作った規則が法律と矛盾しているような内容だったらどうなるでしょうか。

このことについては「法律優位説(法律>規則)」通説となっています。

法律は憲法に次いで強い決まり事です。
そして、裁判所が制定する規則がこの大原則を破ることを認める憲法はありません。

よって、裁判所規則はあくまでも憲法・法律の範囲内で
だけど司法の中で自由に決めていっていいよというようなことです。

いくら司法権の独立性が認められているとはいえ、憲法や法律に違反するような規則を作ることはできません。

司法権の独立性が認められているのだから、規則>法律なのか?という議論もあります。もし最高裁判所が作った規則が法律と矛盾しているような内容だったらどうなるでしょうか。

このことについては「法律優位説(法律>規則)」通説となっています。

法律は憲法に次いで強い決まり事です。そして、裁判所が制定する規則がこの大原則を破ることを認める憲法はありません。

よって、裁判所規則はあくまでも憲法・法律の範囲内でだけど司法の中で自由に決めていっていいよというようなことです。

この第77条の改憲草案はどんな内容?

自民党はこの第77条をどのように改憲しようとしているのでしょうか。
そして、その問題点とは?
簡単にいうと、以下の通りです。

何をどう変えようとしている?

第2項で定められている、最高裁判所の定める規則に従わなければならない者の対象者が、
検察官だけではなく弁護士やその他裁判に関わる者も同様に、と範囲を広げられています。

第2項で定められている、最高裁判所の定める規則に従わなければならない者の対象者が、検察官だけではなく弁護士やその他裁判に関わる者も同様に、と範囲を広げられています。

問題点は?

特にないと思います
(現在調べていますが、特に問題はないと思われます)

改憲草案の原文を紹介します。

改憲草案原文:第77条

※赤文字が変更箇所です。

(最高裁判所の規則制定権)
最高裁判所は、裁判に関する手続、弁護士、
裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、
規則を定める権限を有する。

2
検察官、弁護士その他の裁判に関わる者は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。

3
最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

最高裁判所は、裁判に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

2
検察官、弁護士その他の裁判に関わる者は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。

3
最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

後記

憲法によって最高裁判所に与えられた権限というのは私たちが思っている以上に強いものですが、
三権分立の維持のためにも必要なことです。
とはいえ、だからこそ司法に携わっている人たちはどんな人たちなのかということも
私たち国民はきちんと見ていかなければならないのだろうと思います。

憲法によって最高裁判所に与えられた権限というのは私たちが思っている以上に強いものですが、三権分立の維持のためにも必要なことです。とはいえ、だからこそ司法に携わっている人たちはどんな人たちなのかということも私たち国民はきちんと見ていかなければならないのだろうと思います。

この第77条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。
(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

この第77条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次