【日本国憲法第83条の解説】日本は財政民主主義である

日本国憲法第83条

こちらは日本国憲法第83条の解説記事です。

この第83条が伝えたいポイントというのは……

日本は財政民主主義です。
それは、国家の活動を支えている財源のほとんどが、私たちの税金だからです。

ゆえに、
「どんな形で税金を集めるのか?」
「どこに、なにに、どれだけの予算をあてるのか?」

ということはすべて、国会の承認を得てくださいと定められているのです。

日本は財政民主主義です。それは、国家の活動を支えている財源のほとんどが、私たちの税金だからです。

ゆえに、
「どんな形で税金を集めるのか?」「どこに、なにに、どれだけの予算をあてるのか?」

ということはすべて、国会の承認を得てくださいと定められているのです。

具体的にはどういうことなのか?

そして、自民党が推し進めようとしている改憲草案の中身は?
その問題点とは?そういった解説・考察をしています。

ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです!

目次

日本国憲法第83条【財政処理の要件】

意訳

国(国家)のお金に関することは、国会で決めなければならない。
そして、政府は国会の決まりに沿った使い方をしなければならない。

国(国家)のお金に関することは、国会で決めなければならない。そして、政府は国会の決まりに沿った使い方をしなければならない。

原文

国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

日本国憲法第83条を更に深堀してみよう

要点①:この条文は「日本は財政民主主義」だと示している

どんな形で税金を集めるのか?
どこにどれだけの予算を充てるのか?

そういったことはすべて国会の承認を経なければならない、といったことを示した条文です。

そして、このようなことを「財政民主主義」と言います。

どんな形で税金を集めるのか?どこにどれだけの予算を充てるのか?

そういったことはすべて国会の承認を経なければならない、といったことを示した条文です。

そして、このようなことを「財政民主主義」と言います。

要点②:なぜ財政民主主義なのか

国家の活動には莫大なお金がかかりますね。
では、その財源はなんでしょうか?

そうです、私たち国民の税金が中心となっています。

ですから、政府は国民の意見に従ってお金を使わなければなりません。

そういったことから、
「国会(国民の代表の集い)」でお金の使い道を決めることが憲法で定められているのです。

そうしなければ、政治家たちが自分たちだけに都合のいいように使うことを許してしまうことになりますから。

国家の活動には莫大なお金がかかりますね。では、その財源はなんでしょうか?

そうです、私たち国民の税金が中心となっています。

ですから、政府は国民の意見に従ってお金を使わなければなりません。

そういったことから、「国会(国民の代表の集い)」でお金の使い道を決めることが憲法で定められているのです。そうしなければ、政治家たちが自分たちだけに都合のいいように使うことを許してしまうことになりますから。

この第83条の改憲草案はどんな内容?

自民党はこの第83条をどのように改憲しようとしているのでしょうか。
そして、その問題点とは?
簡単にいうと、以下の通りです。

何をどう変えようとしている?

新設条項にて、財政の健全性を確保することを「憲法」にて約束させようとしています。

問題点は?

「憲法」は、日本において一番強い決まり事です。
そんな憲法で財務の健全性を確保を定めてしまうということは、
「健全ではない・健全性を確保しようとしない」ことが憲法違反となってしまうわけです。

そうなれば、憲法違反となることを盾にして、
増税を正当化して今以上に搾取してくることは想像に難くありません。
また、もしかしたら医療費・社会福祉費等の社会保障費の予算を削減してくる可能性も高いでしょう。

このように、この条項を新設することにより、
自民党にとっては国民を苦しめる大義名分を得ようとしています。

「憲法」は、日本において一番強い決まり事です。そんな憲法で財務の健全性を確保を定めてしまうということは、「健全ではない・健全性を確保しようとしない」ことが憲法違反となってしまうわけです。

そうなれば、憲法違反となることを盾にして、増税を正当化して今以上に搾取してくることは想像に難くありません。また、もしかしたら医療費・社会福祉費等の社会保障費の予算を削減してくる可能性も高いでしょう。

このように、この条項を新設することにより、自民党にとっては国民を苦しめる大義名分を得ようとしています。

改憲草案の原文を紹介します。そして具体的に考察もしてみました

改憲草案原文:第83条

※赤文字が変更箇所です。

(財政の基本的原則)
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。

2(※新設)
財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。

(財政の基本的原則)
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。

2(※新設)
財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。

自民党による言い分

財政の健全性を初めて憲法上の価値として規定しました。
具体的な健全性の基準は、わが党がかつて提出した「財政健全化責任法案」のような法律で規定することになります。

(日本国憲法改正草案Q&A増補版より引用)

財政の健全性を初めて憲法上の価値として規定しました。具体的な健全性の基準は、わが党がかつて提出した「財政健全化責任法案」のような法律で規定することになります。

(日本国憲法改正草案Q&A増補版より引用)

※わが党……自民党のこと

改憲草案の問題点①:「財務の健全性」を憲法化してしまうことの危うさ

憲法は、この国においては一番強い決まり事です。(第98条

そして、憲法化するということは、
逆に言えば「健全だとは言えない状態・確保しようとしない状態」は全て「憲法違反」となってしまいます。

つまり、常に収支のバランスを整えなければなりません。

ということは、収支のバランスを整えるために、
「憲法を守るため」だという大義名分のもと、強制的にいろんなことをされかねないということです。

今までの自民党の政治の動向から考えられる問題点を下記に2点あげてみました。

憲法は、この国においては一番強い決まり事です。(第98条

そして、憲法化するということは、逆に言えば「健全だとは言えない状態・確保しようとしない状態」は全て「憲法違反」となってしまいます。

つまり、常に収支のバランスを整えなければなりません。

ということは、収支のバランスを整えるために、「憲法を守るため」だという大義名分のもと、強制的にいろんなことをされかねないということです。

今までの自民党の政治の動向から考えられる問題点を下記に2点あげてみました。

改憲草案の問題点②:増税に歯止めがかからなくなる危険性

このコロナ禍において、増税を繰り出してきたのは日本ぐらいでしょう。
(欧州各国では、消費税も減税しています)
このように、「減税」をはなっから検討する気のない自民党において。

この先、または仮に、今がコロナ禍でなかったとしても。
例えば自民党が軍事費をもっと増やしたいと思っていて。
実際に軍事費を増やしたとしましょう。

その結果として「収入が足りないので増税します、なぜなら憲法違反となるからです」と
憲法化されたことを盾に、更なる増税を繰り出しやすくなる状態となります。

このコロナ禍において、増税を繰り出してきたのは日本ぐらいでしょう。(欧州各国では、消費税も減税しています)このように、「減税」をはなっから検討する気のない自民党において。

この先、または仮に、今がコロナ禍でなかったとしても。例えば自民党が軍事費をもっと増やしたいと思っていて。実際に軍事費を増やしたとしましょう。

その結果として「収入が足りないので増税します、なぜなら憲法違反となるからです」と憲法化されたことを盾に、更なる増税を繰り出しやすくなる状態となります。

※改憲草案では、国防軍に関する記載もあります。
 それはつまり、軍事費も更に拡充するということです。

※改憲草案では、国防軍に関する記載もあります。それはつまり、軍事費も更に拡充するということです。

改憲草案の問題点③:社会保障費の更なる削減がなされる危険性

自民党や公明党、そして維新の大好きな言葉。

「自助」。

私たち国民にとって一番身近とも言えるであろう消費税。

その消費税ですが、かつて消費税を制定した大義名分は「社会保障費のため」でした。

そして、消費税は国民全員一番私たちに身近とも言える消費税についてですが、現実は一向に正しく使われていません。
消費税が始まるのとほぼ同時に減税され始めた法人税の穴埋め、そして軍事費にまわっています。

そんな自民党が。

消費税をはじめ、ありとあらゆる税金を増税し。
それでもなお健全性がないとなった場合。

彼らは間違いなく、社会保障費を更に削減してくるでしょう。

このことに対して国民の反対は通るでしょうか?

まず、改憲草案が通った場合。
自民党は「国民の信を得た」と、まず言ってくるでしょう。

実は、他の改憲草案にて、
国を国民が尊重するのは「公益及び公の秩序に反しない限り」と定められています。(→第13条

つまり、財政の健全性の確保は公益であるから、
国民の意見の尊重よりもこっちを取るのだという詭弁がまかり通ることになってしまいます

よって、間違いなく社会保障費は更に削減されることになるでしょう。

自民党や公明党、そして維新の大好きな言葉。

「自助」。

私たち国民にとって一番身近とも言えるであろう消費税。

その消費税ですが、かつて消費税を制定した大義名分は「社会保障費のため」でした。

そして、消費税は国民全員一番私たちに身近とも言える消費税についてですが、現実は一向に正しく使われていません。消費税が始まるのとほぼ同時に減税され始めた法人税の穴埋め、そして軍事費にまわっています。

そんな自民党が。

消費税をはじめ、ありとあらゆる税金を増税し。それでもなお健全性がないとなった場合。

彼らは間違いなく、社会保障費を更に削減してくるでしょう。

このことに対して国民の反対は通るでしょうか?

まず、改憲草案が通った場合。自民党は「国民の信を得た」と、まず言ってくるでしょう。

実は、他の改憲草案にて、国を国民が尊重するのは「公益及び公の秩序に反しない限り」と定められています。(→第13条

つまり、財政の健全性の確保は公益であるから、国民の意見の尊重よりもこっちを取るのだという詭弁がまかり通ることになってしまいます

よって、間違いなく社会保障費は更に削減されることになるでしょう。

現憲法をもう一度読む

国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

後記

改憲草案は、他の条文とも絡んできます。
これもまたそうです。
「財務の健全性の確保」というと聞こえはいいですが、中身は……。

国の財源のほとんどは私たちの税金であること。
だからこそ、そのお金の使い道は国会で議論して決めなければならないこと。

ということは、お金を正しく使おうとしてくれる(国民のために使おうとしてくれる)人たちを、
自分たちの代表として国会に送らなければいけない、ということですよね。

こういった意味でも、選挙で誰に投票するかということがどれだけ大切かということを少しでも理解して、
調べること・投票にいくことを当たり前だと思う人たちが増えてくれると嬉しいです。

改憲草案は、他の条文とも絡んできます。これもまたそうです。「財務の健全性の確保」というと聞こえはいいですが、中身は……。

国の財源のほとんどは私たちの税金であること。だからこそ、そのお金の使い道は国会で議論して決めなければならないこと。

ということは、お金を正しく使おうとしてくれる(国民のために使おうとしてくれる)人たちを、自分たちの代表として国会に送らなければいけない、ということですよね。

こういった意味でも、選挙で誰に投票するかということがどれだけ大切かということを少しでも理解して、調べること・投票にいくことを当たり前だと思う人たちが増えてくれると嬉しいです。

この第83条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。
(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

この第83条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

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