【憲法第98条の解説】憲法は日本における最高法規である

こちらは日本国憲法第98条の解説記事です。

前編・後編の2部構成としています。
基本的には前編だけでも、その条文の伝えたいこと、
自民党提案の改正草案の中身(問題点)がわかるようにしています。
まずは前編でも是非読んでいただけたら嬉しいです。

更に深堀した内容は後編に書いていますので、
興味のある方は最後まで是非。

目次

前編:日本国憲法第98条【憲法の最高性と条約及び国際法規の遵守】

意訳

この憲法は、日本の最高法規である。
だから、法律・命令・詔勅や国の政治に関することは全て、または一部でも、
憲法に反している場合は無効である。

日本が他の国々と交わした条約や国際法規は、誠実に守らねばならない。

原文

この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。


日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

この第98条が伝えたいポイント

憲法は日本の最高法規である。
それはつまり、どんな決まり事(法律や条例等)よりも、憲法が一番強いということなのだ。

一般的に決まり事というのは、あとから作られたものの方が効力を持っていますよね。
例えば「〇〇年〇月〇日改正」と書かれていれば、但し書きがない限りはその日付が新しい方が優先されます。

ですが、あとから新設されたり改正されたりしたどんな法律でも、どんな条例でも、
憲法より強いということは決してないのです。
むしろ、憲法にそぐわない決まり事は全て無効となります。

自民党による改正草案について

この条文については変更なしです。

前編はここまでです。後編では更に詳しく解説していますので、興味のある方はよかったら是非!ちなみに、改正草案の原文も後編の方で記載しています。
この第98条と繋がりのある条文記事も是非!記事下にあります➡繋がりのある条文を見る

後編:日本国憲法第98条を更に深堀してみよう

要点①:憲法が最高法規

憲法が一番強いので、憲法に反する・憲法と矛盾する決まり事は一切効力を持ちません。
どんなに新しく作ったものでも、憲法違反のものは無効となります。

例えば、法律や条令、
もっと身近なもので言えば、校則や会社の就業規則等のようなものは、
施行日が新しい方が効力を持つのが普通ですよね。
ですが、どんなに新しい決まり事でも、憲法にそぐわないものは無効です。

要点②:違憲審査は最終的に

さて、憲法に違反していないかどうかのチェック体制はどうなっているのでしょうか?
実は、このことについては第81条にて定められています。

(下の方に改めて第81条記事へのリンクを貼りますね)

簡単に言えば、「違憲立法審査権」といって、裁判所には違憲か否かを審査できる強力な力が与えられています。

残念ながら、今の裁判所は仕事をしていない状態に近いのですが、
憲法上ではこうなっているのだということはまず理解しておいてください。

要点③:条約や国際法規も守らなければならない

条約とは、簡単に言えば他の国家との合意(約束事)です。
協定・協約・議定書・憲章等、様々な名称があります。
こういったものも、誠実に守るよう憲法にて定められています。

では、条約は憲法よりも強いのでしょうか?

答えは「NO」です。

基本的には「憲法>条約>法律」という優劣関係だと思っていいようです。

条約の方が憲法よりも強い(優位)という説を唱えている人もいますが、
一般的には憲法の方が強い、いわゆる「憲法優位」が通説となっています。

というのも、条約は結局は「国内法」となるものだからです。
そして、条約の内容が抽象的である場合は、憲法の範囲内で適用されます。

後記

ひとつ前の第97条で「憲法は国民の基本的人権を永遠に守る」ことを約束しています。
そのまま、この第98条にて憲法が最高法規であることを明確に位置付けてきています。

つまり、基本的人権を蔑ろにしてしまう法律等を作ることは許されていないのです。
この流れもまた、非常に大切です。

この第98条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。
(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

最後まで読んでくださってありがとうございました!
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