【日本国憲法第87条の解説】緊急支出可能な「予備費」というものについて

日本国憲法第87条

第87条は予備費について規定されている条文です。
予備費とはなんなのか?ここでは条文含め、具体的に見ていきましょう。

目次

条文:第87条【予備費】

予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。


すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

第87条の解説

予期せぬ事態にも対応できるよう、用途を決めてない「予備費」という予算枠も設ける。
この予備費の予算額についても国会の議決に基くこと。

予備費の使途については内閣の責任において行う(国会へ事前承認を得る必要はない)
ただし、事後に国会へ報告し、最終的には承諾を得なければならない。

■要点:予備費とは

年度中、予期せぬ事態が起こることもままあります。
例えば、予想を超えた自然災害はもちろんのこと、2020年から世界中を襲ったコロナ禍。
2020年2月に決まった予算(2020年4月~2021年3月)の中に「コロナ対策」のためのものなんてありませんから、この費用は予備費から捻出されることになりました。

このように、

  • 新たな経費が必要になった
  • 予算不足となった

場合にすぐに経費を拠出できるよう、使途を定めない予算を一定金額あらかじめ計上しておくのです。

これが「予備費」です。

自民党による憲法改正草案との比較:草案第87条

予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。


全て予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

まとめ

コロナ禍が始まった2020年。
最初の予備費は5,000億円だったそうですが、3回ほどの補正予算政府案を経て、約5兆円ほどまでふくらみました。ですが、これは使い道にかなり問題があった結果と思わざるを得ません。

なお、予備費は内閣が使途を決めることができるため、金額が大きすぎると「財政民主主義」から逸脱してしまうのですよね……。

目次
閉じる