
「日本国民って誰?」って考えたことある?
え?「日本人に決まってるでしょ!」って?
じゃあ、日本人ってどうやって決まるの? 生まれたら自動的に日本人? それとも、どこかに申請するの?
…ね? ちょっと気になってきたでしょ?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第10条【任】
日本国民たる要件は、法律でこれを定める。



悪魔くん、今日は日本国憲法第10条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



日本人ってのは誰のことを指すか?ってのは、法律で決めるぜ!



うんうん、そうだね!



たったこれだけなんだよな?
ぜんぜん説明になってないじゃないか!



確かにシンプルだけど、実はこの一文には大事な意味が込められているんだ。
つまり、日本の国民が誰なのかは、憲法じゃなくて“法律”で決める、ということ。



法律ってことは、時代によって変わるってことか?
そんなのいい加減すぎるぞ!
国家がしっかり決めておけばいいじゃないか!



だからこそ法律で定めるんだよ。
社会が変われば常識も変わるしね。また、人権に関する意識もアップデートされていくしね。
例えば「実はあれば差別だった!」という内容だったとしたら、法律を改正することで柔軟に対応できるんだ。



で、実際にその法律は『国籍法』っていうんだけど、これに基づいて日本国民になる条件が決まってるんだよ。



ほう、それで具体的に「日本国民」ってなんだ?



国籍法では大きく分けて2つに分けられているよ。簡単に言うとこんな感じ!
①生まれながらにして日本国民
- 生まれた時、父または母が日本国民である
- 生まれる前に父が死んじゃったけれど、その父は日本国民である
- 日本で生まれた(両親が不明または国籍がなかったとしても、日本で生まれていればOK)
②法務大臣の許可を受けて帰化した人
- 例えば20歳以上
- 例えば帰化した後も5年以上日本にいると約束できる人
などなど。



ふむ、生まれながらの日本国民と、あとから日本国民になる人がいるわけか。
でも、帰化の条件って厳しいんだな?



簡単に国籍を取れると、悪用されるリスクもあるからね。
日本は、一定の条件を満たした人にのみ帰化を認めているんだ。



なるほどな



日本国籍を持っていない、いわゆる「外国人」には何の権利もないってことになるよな?
なんたってここは「日本」だからな!



確かに、日本国籍を持つ人しかできないこともあるね。
例えば、参政権(選挙で投票する権利)や国会議員になる資格は、日本国籍が必要だよ。



でもね、それ以外の基本的人権は、日本に住んでいる外国人にも認められているんだよ。



えっ
そうなのか?



うん。
例えば、外国人でも居住の自由や職業選択の自由、教育を受ける権利は保障されているよ。
これは憲法の考え方によるものなんだ。



ちょ、まてよ!



憲法って、日本国民のためのものじゃないのか?



そこが大事なポイント!
憲法が保障する権利の中には、日本国民だけに適用されるものもあれば、すべての人に適用されるものもあるよ。



例えば、選挙権は日本国民だけの権利だけど、
人権は“人間”として持っているものだから、
国籍に関係なく守られるべきなんだ。



ふーむ……
つまり、『国籍があるかないかで全部決まる』わけじゃなくて、『国籍に関係なく守られる権利もある』ってことか。



そういうこと!国籍は大事だけど、人としての権利も大事。
憲法はそのバランスを考えて作られているんだよ。
まとめ
振り返りでまとめてみます。
- 日本国民の定義は、憲法ではなく法律(国籍法)にゆだねています
- 「生まれながらの国民」または「帰化(条件をクリアする必要あり)」
- 参政権などは日本国籍を持っている人だけの権利
- 基本的人権は国籍関係なく「日本に住む外国人」も守られています
→憲法は人としての権利も重視しているから



日本国憲法には、「国籍」と「人権」のバランスをとっていこうという理想も込められているね!

