【対話でわかりやすく】憲法第12条:自由って好き勝手にしていいの?

日本国憲法第12条をわかりやすく。公共の福祉

みんな、『自由』とか『権利』って聞くと、どんなイメージがある? 『なんでも好きにできること!』って思うかもしれないけど、実はそうじゃないんだ。

たとえば、「僕は自由だから、どこにでもゴミを捨ててもいいんだ!」ってなったらどうなる?

君はスッキリするかもしれないけれど、その土地の持ち主とかはたまったもんじゃないよね。たとえ公道だとしても、汚くなるし、誰かが君の代わりに掃除しなきゃいけない。


そう、自由って、好き勝手できることじゃなくて、お互いに気持ちよく暮らせるように守るものでもあるんだ。


そういったことも実は憲法に書かれているんだよ。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第12条【自由及び権利の保持義務と公共福祉性】
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第12条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

この憲法で認められてる自由とか権利は、国民がちゃんと努力して守り続けなきゃダメってことだな。
で、その権利を好き勝手に使うのはNG! 自分だけのもんじゃなくて、社会のために使えよ?

あくま

ってことか?

てんし

うんうん、いいね!

あくま

これってつまり、一言でまとめりゃ、
『自由には義務が伴う』
ってことだろ?

てんし

うん、まぁそんな感じかな

てんし

これね、ただの義務じゃなくて、自分勝手に使わずに、みんなが安心して暮らせるようにするための責任ってことが大事なんだよ

てんし

これも含めて、この第12条はとても大事なことを言っているんだよ

あくま

何がそんなに大事なんだ?

てんし

「自由や権利は勝手に手に入るものじゃないから、みんなで守らないといけないよ」ってことも伝えてくれているんだ

あくま

どういうことだ?
自由や権利って、国が決めるものだから、勝手に手に入らなくても当たり前だろ?

てんし

違うよ!そういう意味じゃないんだ

てんし

まずね、自由や権利っていうのは、生まれながらにみんなが持っているものなんだ。
「国が与えてやる」ものなんかじゃないんだよ!

あくま

でも、好き勝手にやってもいいってことじゃないんだろ?

てんし

もちろんだよ。そこで大事なのが2行目のところなんだ。悪魔くんがさっき意訳してくれたのをもう一度言うね!

てんし

その権利を好き勝手に使うのはNG!
自分だけのもんじゃなくて、社会のために使えよ

あくま

それさ、社会のためって、つまりは「公共の福祉」ってやつなんだろ?そこがいまいちよいくわかんないんだけど。

てんし

よい質問だね!簡単に言うとね、

「みんなが安心して生活できる社会」のことだよ

あくま

ふーん、それって結局はどういうことなんだ?

てんし

うん、例えばね、交通ルールがあるよね?
でも、赤信号でも『俺は自由だから関係ねぇ!』
って言う人が増えたらどうなる?

あくま

そりゃ…事故が増えるな。
またはあっちこっちでトラブルだらけになりそうだ

てんし

でしょ?
他の例も出してみるね。

お金が欲しい。そして俺は自由だ!
だから悪魔くんのお財布から勝手に持っていくよ!

あくま

おいおい!
それは泥棒だろ!ダメだろ!

てんし

でしょ?

僕が「お金が欲しい」と思うのも自由。だけど悪魔くんの「これは俺のお金だ」「盗まれたくない」というのも自由。

さて、この「自由」はどっちを優先するべきなんだろうね?

あくま

ああ、そういうことか。
「お互いが安心できる社会」のために調整するのか

てんし

そういうこと!
だから、自由に歩ける権利やお金を望む権利はみんな持っているんだけど、そのうえで、みんなが安心できる社会のためにルールがある、ってことなんだ

てんし

これが公共の福祉の考え方だよ

あくま

なるほどな。
でも、自民党の改憲草案じゃ『公共の福祉』を『公益及び公の秩序』に変えようとしてるんだろ?

何が違うんだ?

てんし

その変更が、実は大きな問題なんだよ

てんし

『公共の福祉』は、先ほどの例からもわかるように、
個人と個人の自由がぶつかったときに、どっちを優先するかを考えるためのルール。

てんし

だけど、『公益及び公の秩序』は、国が決める『みんなの利益』や『国の都合』を優先するって意味になりかねないんだ

あくま

つまり、国の言い分で自由が制限される可能性があるってことか?

てんし

そういうこと

てんし

例えば、政府に都合の悪い批判をしたら、『公益に反する! 秩序を乱してる!』って言われて、自由が奪われる可能性があるんだよ

あくま

うーん、確かにそれはちょっと怖いかもな……

てんし

でしょ?
だから、この第12条で「自由や権利は国民がちゃんと努力して守り続けなきゃダメ」って言っているのは、そういうことなんだ

あくま

あ、つまり、こういうことか?

あくま

国、まぁ権力者か。
政治家をはじめとする権力者たちが「自由や権利」の意味を都合よく変えてしまわないように、俺たち国民はしっかり見張り続けていろよ、ってことだよな?

てんし

そういうこと!
そういう努力を、僕たちはし続けなきゃいけないんだ

あくま

そういうことか。

てんし

この憲法になったことによって、僕たちはやっと、自由と権利を「生まれながらにして持っているもの」として、手に入れることができたからね。

あくま

そうか。
それは、さすがの俺でも、この憲法を大事にしようって思えてきたな…

てんし

いいね!
嬉しいな〜

目次

まとめ

天使と悪魔の話はどうでしたか?少しは理解してもらえたら嬉しいです!

そしてちょっと補足しますね。

今の憲法では、「自由と権利」に義務や責任はついていません。

つまり「自由と権利が欲しかったらこういうことをしろ」というものではないのです。
だって、生まれながらにして、誰もがもっているものだから。

そしてその上で、私たちみんなが「平和に安心して暮らせる」ためにルールがある、という感じです。

だから、誹謗中傷はダメなのです。
これは相手を傷つけることが目的となっていますからね。
結果的に、相手側の安心や人権が危ない状態になっています。

でも批判はOKです。
批判は、問題点の指摘や改善してもらうための意見だからです。
傷つけることや、「自分だけが快感を得る」ことを目的としていません。
例)
・あなたの政策は国民をさらに苦しめるだけだ!
・その政策はこれこれこうだから間違っている!要望はこうです。

などなど

だから「批判する自由」はこれからも守られなきゃいけないんだけど、政治家(主に自民党やその仲間達)はこの自由を奪いたがっているんだ。
そうならないためにも。僕たちは「政治家を見張り続ける努力」をしていこうね!
今ならまだまだ間に合うよ!

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