
例えばだけど、学校でクラスの委員を決めるとき、みんなの投票で決めることがほとんどだよね?
で、それと同じように 「この人に政治を任せよう!」 ってみんなで決める仕組みがあるんだ。
そういう「権利」を僕たちはみんなもっているよ、と言っているのがこの第15条。
「え?でも政治のことなんて興味ないし、関係ないし…」って思った?
いやいや、大アリなんだよ。
だって、政治家が決めることって、税金とか、学校とか、仕事とか…ぼくらの生活に直結してるんだから。
だから知っていこうよ。
さてさて、この第15条について天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第15条【公務員の選定罷免権、公務員の本質、普通選挙の保障及び投票秘密の保障】
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3
公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4
すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第15条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



公務員を選ぶのもクビにするのも、国民の当然の権利だ!
公務員ってのは、国民全員のために働く存在で、一部の特別な人のためじゃない。
選挙は、大人なら誰でも投票できる仕組みにしなければならない。
選挙では誰に投票したかは絶対に秘密!誰にもバラす必要なし!しかも、それを理由に責められることもない!



うんうん、いいね!



なんだぁ?なんか国民が王様みたいだなぁ。気にいらねぇ。
天皇陛下や一部のエラーい人たちだけでさくさくと決めていた昔の方がてっとりばやくていいんじゃないのか?



またそういうことをいう…。
でも、現代の日本は民主主義の国なんだから、国民が自分たちの代表を選ぶのは当たり前でしょ?



公務員なんて、誰がやっても同じだろうよ



そんなことないよ。
誰を選ぶかで、僕たちの生活だって全然違ってくるよ。



ふん。



てか、「公務員」ってなんだよ。役所や警察とかで働いているやつらも公務員だよな?いちいち俺たちが選挙で選んでなんかいないだろ



うん、それは合っているよ。
実際、公務員の全てを僕たちが選ぶわけにもいかないからね、この第15条にはないけど、他のところでちゃんと決められているんだ。



まず、基本から話すね!
ここでいう公務員というのは、「立法・行政・司法」に関わる人達、いわゆる政治家や裁判官の人たち。
そして地方公共団体…役所とかで働いている職員たちのことをいうよ。



ふーん。
で、俺たちが「選ぶ」対象は?



それはね、
・国家公務員
・地方公共団体の首長(知事とか市長とか)
・地方議会の議員
だよ。これらは、僕たちが「選挙」で選ぶって決められているんだ。



ちなみに裁判官の中でもトップである「最高裁判官」は、「クビにする権利」が僕たちにあるよ。



まぁ、いちいち、役所の職員とかまで全員選挙で選ぶのも大変だもんな。
その代わり、それぞれの政治(国、地方)のボスを選んでいくって感じだな。



うんそうだね。
確かに「公務員全員を選挙で」ってわけではないけれど、僕たちが選ぶ権利というのは、「固有の権利」だからね。



こ、「固有の権利」だぁ?なんだそれ。



つまり、選挙権ってのは「生まれながらにして持っている当然の権利」ってことさ。



それで俺たちがちゃんと選べているのか?むしろ優秀なエリートたちだけで選んじゃえばいいじゃないか。



それじゃあ、また独裁になっちゃうよ!
公務員ってのは「国全体・国民のために働く人」なんだから、僕たちが選ばなきゃ!



一部のエリートだけにしか選べない、となったら、公務員は「エリートのためだけ」にしか働かなくなるよ?



そ、そうか…
誰に投票したかは秘密にしていいし、バレないよ



でもさー、立候補した人たちって絶対に自分に入れて欲しいじゃん?



誰に入れたかがバレたら、入れなかった人たちから嫌がらせとか受けたりしないか?こわいこわい



大丈夫!心配無用!
秘密選挙 という仕組みがあるから、誰が誰に投票したかは 絶対にバレない んだよ。
これもしっかりと書かれているからね!



ほんとか?
じゃあ、組織票とか脅迫とかで、特定の人に無理やり投票させるのは?



もちろん禁止!『投票の秘密を侵してはならない』と書かれているからね。



なんだ、憲法自体は意外ときちんとしているんだな。



でしょ?
だからみんな安心して選挙に行けるんだ。



あとは警察側がもう少し真面目に仕事をすればいいんだな。



まぁね…って、シーッ!
憲法改正で選挙権が危なくなる?!



ところで、最近よく聞く“憲法改正”ってやつだけど、この15条も変えようとしてるって本当か?



く知ってるね!自民党の改憲草案では、「国民固有の権利」という言葉を削除 しようとしているんだ。
また、「日本国籍を持っている人だけ」にもしようとしているよ。



「固有の権利」って確か、「俺たちが生まれながらにして持っている当然の権利」だったよな。
それを消すってことは、そうじゃなくなるってことか?



そうなんだよ。
選挙権に「条件」がつけられる可能性が出てくるってことなんだ。



それってさ、今後の政府によっては、選挙に参加できる人が限定されるかもしれないってことなのか?



そう。
例えば、「税金を一定額以上払っている人だけに選挙権がある」とか、「男性は18歳から投票に行けるけど、女性は25歳から」とか、そんなルールだって作れちゃうんだ。



そんなことされたら、昔に逆戻りじゃないか。
かつては女性は政治に参加できなかったり、男性でも多額の税金を納めている人にしか選挙に行けなかったりしていたよな。



そういうことさ。
だから、今の15条の条文がいかに大切なものか、よくわかるでしょ?



悔しいけど、わかったよ、悔しいけどな!



憲法はみんなの「今」だけじゃなくて「未来」も守るものだからね🎵
まとめ
もう一度まとめますね!
- 公務員を選ぶのは、国民が持っている当然の権利(選挙)
- 公務員は、国全体・国民全体のために働く!「一部の人だけに尽くす」のはNG!
- 誰に投票したかは絶対にバレないよ!



選挙って「国の未来をどうするか」 を決める大事なイベントなんだ。
「政治なんて興味ないし…」って思っても、税金や学校、働き方なんかに影響すしまくりだよ。食費とかだってそう。
本当に 無関係じゃいられないよね。
せっかく、日本国憲法になったことで僕たち「全員」が、18歳になれば選挙に参加できるようになったんだ。だからもっと考えていこうね!

