【対話でわかりやすく】憲法第16条:請願権ってなぁに?

憲法第16条をわかりすく。

ねえ、みんな、僕たちには「国にお願いする権利」があるって知ってた?

たとえば、『もっと学校のトイレをきれいにして!』とか、『歩道を広くしてほしい!』とか、『こんな法律があったらいいのに!』みたいなことを、国や市役所にちゃんと伝えられるんだよ。

しかも、それを言ったからって、怒られたり、嫌がらせされたりしちゃダメってこともちゃーんと書かれているんだ。

これが 『請願権(せいがんけん)』 っていう権利。

今回はこれについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第16条【請願権】
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第16条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

誰でも、国や自治体に対して「こういうルールを作ってほしい」「この法律を変えてほしい」「公務員をクビにしてほしい」ってお願いできる。
そして、そのお願いをしたからって、嫌がらせを受けたり、不利益を受けたりしちゃいけない。誰でも。

あくま

ってことだな

てんし

うんうん、いいね!

あくま

ま、もっと簡単に言ったら、「国に泣きつく権利」だろ。

てんし

まーた、そう乱暴な言い方をするねえ。

あくま

でもよ、そんなの偉い人が決めればいいし、偉い人に逆らってどうするんだよ。いちいち国民が口を挟みたいなら、自分が偉い人になればいいんじゃないか。

てんし

その考え方は、まさに昔の国家主義的な発想だね。

でも、今の民主主義においては「国の主役は国民」なんだよ。

国民が政治に意見を言えないなんて、そんなの「お上(かみ)に従え」「ははーっ!」の時代に逆戻りだよ。

あくま

ふん、でも、国が請願を受け取ったからといって、必ず実現するわけじゃないんだろ?

てんし

そうだね。
請願を出すことは自由だけど、受け取った方はそれを実際に実行せよ!っていう義務はないんだ。

でもね、請願された内容はしっかりと検討されるべきだし、ただ無視されるものなんかじゃないよ。

あくま

なるほどな。
ところで、請願したら逆に目をつけられたりしないのか?

例えば政府がやろうとしていることに反対、と請願したら、ブラックリストに載るとか?

てんし

いい質問だね!

だからこそ、第16条には「請願したことで差別されてはいけない」と書かれているんだ。

つまり、請願をしたからといって、不利益を受けることはないというわけさ。

あくま

ほぅ、それなら安心だな。

あくま

って、待てよ!
俺、なんか、改憲の話を目にした気がするぞ

てんし

うん、そうなんだよ…

実は、自民党の改憲草案では、差別や不利益を受けてはいけないという文章の中から、「何人も(なんぴとも)」という言葉が削除されているんだ。

あくま

え、それってつまりどうなるってことだ?

てんし

今の憲法では、「何人も」、つまり請願した人が誰であろうと、不利益を受けないと明言されているんだ。

でも、改憲案ではその部分が削除されている。

これは「請願の内容や請願した人によっては、不利益を受ける可能性がある」とも解釈できるんだ。

あくま

それって、政府に都合の悪い請願をした人はヤバくなるかもってことか?

てんし

うん、そうなんだ。
もっとわかりやすくいうと、請願の内容によっては、それを出してきた人を差別したり不利益を与えても構わないってことになってしまうってことだからね。

てんし

請願の自由が制限されることは、民主主義にとって大きな問題だよ。

あくま

でもまあ、国を守るためには、ある程度の制限も必要なんじゃないか?

てんし

確かに、公共の秩序は大切だよ。でも、それを理由に個人の権利を削りすぎると、いつの間にか「国の言うことは全て正しい」「国逆らうなんて!あいつは逆賊だ!」という社会になってしまう。

それって、明治憲法の時代と変わらないよね?

あくま

それは…確かに、ちょっとヤバいかもしれんな…

てんし

でしょ?

あくま

俺も請願しただけでブラックリストに載るのはごめんだしな。

民主主義ってのも、意外と大事なのかもしれんな。

てんし

うんうん!

あくま

よーし、せっかくだから俺も何か請願でもしてみるか!

てんし

いいね!
どんなことを伝えたいの?

あくま

悪魔にも優しい社会を!
悪魔祓いなんてしないでくれってな!

てんし

あはは、それもいい請願かもしれないね!

目次

まとめ

  • 請願権とは?
    • 国や地方自治体に意見や要望を伝える権利
    • どんな内容でも、誰でも請願できる
  • 請願したらどうなる?
    • 必ず実現されるわけではないが、検討されるべきもの
    • 請願した人が不利益を受けることは許されない
  • 改憲草案の問題点
    • 『何人も差別されない』という文言の削除
    • これにより、請願した人によっては不利益を受ける可能性が生まれる

「請願権」って実はめちゃくちゃ大事な権利だね!

自分の意見を国や自治体に伝えられるって、当たり前のようでいて、もしこれがなかったら大変なことになるよね?

例えば、もし道がボコボコでも「直して!」って言えなかったら?
変な法律や条令ができた時、それを考え直して欲しいってそう言うことも言えなかったら?

そんなの困るよね。だからこそ、こういう権利があるってことを知っておくのはすごく大事だよ!

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