
公務員って聞くとどんなイメージがある?
お役所の人?警察官?学校の先生?
色々いるけど、彼らも仕事でミスをすることがあるんだ。
でも、そのミスのせいで僕たちの誰かが「えらい迷惑かけられた!」ってとき、泣き寝入りするしかない……なんて思ってない?
実は、日本国憲法には 「公務員のミスで損害を受けたら、国や自治体に賠償を求められる」 ってちゃんと書かれてるんだ!
「え、そんなの知らなかった!」って人も多いかも。
でも、もし役所の手続きミスでお金を受け取れなかったり、警察の誤認逮捕で人生が狂ったりしたら?
「仕方ないね~」じゃ済まないよね!?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第17条【公務員の不法行為による損害の賠償】
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。



悪魔くん、今日は日本国憲法第17条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



誰でも、公務員がやらかして被害を受けたら、法律に従って国や自治体に賠償を求めることができる。



うんうん、ほぼ正解かな!



おいおい、ほぼってなんだよ!?
俺の訳にケチつける気か?



いやいや、悪くはないんだけど、「やらかして」って言い方がちょっと乱暴かな~って思って。



は?
だって、公務員がミスして迷惑かけたら、それは「やらかした
」ってことだろ?



悪魔くんの言いたいことは分かるよ。
でも、ここで言う“不法行為”は単なるミスだけじゃなくて、“法律的に責任を問われる行為”って意味も含んでるんだ。



ふーん……じゃあ、例えば?



たとえば、警察官が誤って無実の人を逮捕してしまったり、いい加減な計画で作られた公園で多大な健康被害にあったとか、そういうケースだね。



なるほどな……。
ってことは、単に“失敗しました、ごめんなさい”じゃ済まないような場合か。



そういうこと!



で、そういう時は、国や自治体に対して損害賠償を求めることができる、ってことなんだ。



いや、それはさすがにどうなんだ?
それって国家に対する冒涜じゃないのか?
だってよ、昔の明治憲法では、国に責任はない!天皇の言うことに間違いはない!という原則があったんだぞ!



うん、確かに明治憲法時代はそうだったね。
でもさ、悪魔くん、それって本当に正しかったと思う?



う…それは……



国のやらかしで被害を受けているのに、国が「しりませーん!自己責任でーす」ってのはヒドいよな…
賠償を求められるのはどんな場合?



で、でもよ、なんでもかんでも国のせいにできるわけじゃないんだろ?



そうなんだよ。
国に賠償を求めるためには、ちゃんと条件があるんだよ。



・公務員が「公権力の行使」をしていた
・その行為が「職務」の範囲内で行われた
・故意(わざと)または過失(ミス)があった
・違法行為だった



って感じかな。



つまり、職務とは関係ない「公務員の個人的なミス」なら国は関係ないってことか?



そうだね。
たとえば、警察官が勤務時間外に酔っ払って喧嘩して相手をケガさせた場合、それは個人の責任だから国には賠償責任はないんだ。



でも、勤務中に誤って無実の人を逮捕してしまったら、それは「公権力の行使」だから国が責任を負うことになるよ。



なるほどな。
なんでもかんでも国が責任を取るわけじゃないんだな。それもそうか。
物が原因の場合もあるよ



そういやさ、公務員の行動だけじゃなくて「モノ」も関係することがあるのか?



お、鋭いね!
実は、「公の営造物」に関する損害も賠償の対象になるんだよ。



公の営造物?
な、なんだそれ?



簡単に言えば、道路や橋、河川、建物、公用車などの「公の施設」のことだよ。



それが損害賠償とどう関係するんだ?



たとえば、道路の管理がずさんで、大きな穴が空いていたとしよう。
そこにバイクが突っ込んで事故を起こしたら、これは国や自治体の管理ミスだから損害賠償を求めることができる、ってことなんだ。



地震とかの天災で穴が空いたら?それも?



その場合は国には責任はないよ。
重要なのは「管理に問題がなかったかどうか」だから。



だから、もし天災で穴が空いたのを知っているのにずっと放置していて、そこで事故が起こったら責任問題になるかもしれないね。
「地震で穴が空いた」だけなら、そうそう簡単には問題に問えないよ。



昔から道路が弱くなっていて、補強を求められていたのに無視していた挙句地震が来て穴が空いた→そのせいで救助隊が駆けつけられなくなったとかなら問題視されるかもしれないけど



心の声も聞こえたぞ。



まぁ、あれだ、やっぱり明治憲法時代みたいに「国が正しい!文句を言うな!」ってのは無理があるよな。
実際、勝てるの?



国を相手に訴えられるようになったのはいいけどさ、でも結局勝てないって聞いたことがあるぞ?



確かに、日本では国に対する損害賠償請求は認められにくい傾向があるね。
たとえば、公害問題やアスベスト被害の訴訟も、勝つまでに何十年もかかることが多いんだ。



なんだよ。
国の中身は明治憲法時代のままなのか?
俺たちは泣き寝入りするしかないのかよ?



そんなことはないよ!
この17条があるおかげで、少なくとも「国や自治体も責任を取るべきだ」という原則ができたんだからね。



そうか。確かにそうだな。
昔はそもそも訴えることすらできなかったんだもんな。



その通り!
だからこそ、この、今の憲法って大事なんだよ。



俺としたことが納得しちまうじゃないか。
まとめ
- 公務員のミスによって被害(損害)を受けたら、国や自治体に賠償を求めることができる
- ただし、「公務員の職務中の行為」であることが必要
- 道路や橋などの管理ミスによる事故も、国や自治体に責任を問うことができる
- 実際は勝つことは簡単ではないけれど、憲法のおかげで「国も責任を負うべき」というルールができた
- 泣き寝入りしなくてもすむようになったのは大きな進歩である



こうやってみると、第17条って 「国の間違いを正せる」ための大事なルール なんだよね。
昔の明治憲法の時代には、国が間違っても「国は間違えない!」って理屈で、誰も責任を取らなかった。でも、今はちゃんと国に責任を問えるようになった。これは、大きな進歩だと思うんだ。
……とはいえ、実際に訴えて勝つのは簡単じゃないのも事実。
長い時間とお金がかかることも多いし、「国のミスで人生が狂ったのに、結局何も変わらない……」って人もいる。
だからこそ、 「間違いを起こさせない仕組み」 ももっと大事になってくるよね。
このブログでは、こういう 「憲法って、実は身近なもの!」 って話をどんどんしていくので、「面白い!」「知らなかった!」って思ったら、また読みに来てね!

