
突然だけど、「考えること」って自由だよね?
例えば、テストの前に「勉強したくないな~」とか、学校の給食を見て「今日のメニュー、ちょっと微妙かも……」って思ったこと、あるでしょ?
「あの人好き〜」「あいつなんか嫌い」とか、色々と。
でも、それを口に出さなかったら、誰にもバレないし、怒られることもない。
実は、日本国憲法にも 「心の中で何を考えても、それを国家が邪魔しちゃダメ!」 ってちゃんと書いてあるんだ。
それが 第19条『思想及び良心の自由』。
「思想? 良心? なんか難しそう……」って思うかもしれないけど、要は 「人が何を考えようが自由!」 ってこと。でもね、最近、この自由が危なくなるかもしれないって話もあるんだ。
なんでだと思う?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第19条【思想及び良心の自由】
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第19条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



人が何を考えようが、それは自由だ!
国はそれを邪魔しちゃダメ!



うんうん、いいね!



ってよ、本当にどんな考えでも自由なのか?
国家のために国民が従うのは当然だろ?



なかなか勇ましいことを言うね。
でも、悪魔くんだって色々考えるでしょ?
でも、それを国家が勝手に禁止していいのかい?
これは考えたらダメ、こういう風に考えるならOKって感じになってもいいのかい?



うーん……。
まあ、自分の考えを持つのは自由だけど、国に逆らうような思想はダメじゃないか?



ううん。
第19条は、「どんな思想を持っても、それを心の中で考える限りは自由」ということを保障しているんだよ。



じゃあ、極端な話、「国家をぶっ壊せ!」みたいな考えを持つのも自由なのか?それは危険じゃないか。



うん、気持ちはわかる。
でもね、考えるだけなら誰の権利も侵害しないよね?
実際に行動に移したら別だけど、ただ心の中で思うだけなら、それを罰するのはおかしいだろう?



まあ、確かに……。でも、そんな考えを持つやつは危険だし、監視しておいた方がいいんじゃないのか?



それこそ、昔の独裁国家のやり方だね。
明治憲法時代は、国家に都合の悪い考えを持つ人たちは逮捕されたり、拷問されたりしたんだよ。



うげっ それはちょっと…怖いな…



でしょ?
そしてね、憲法は「沈黙の自由」も保障しているんだよ。
つまり、自分の考えを表明しない自由も認められているってこと。
国家が「お前の考えを言え!」と強制することはできないんだ。



なるほど……。でも、もしみんなが自由に思想を持ったら、国家の秩序が崩れないか?



それは誤解だよ。
実際、自由にいろんなことを考えられる社会のほうが、むしろ国は発展するんだ。
みんなが自由に考え、議論できることで、より良い政治や社会が生まれるからね。



でもさ、「国のためにみんなが一つの考えに統一する(国が統一させる)」のもアリじゃないか?



強制されるものは自由じゃないよ。
たとえば「国のために、お前はあの人と結婚しろ」とか「毎朝必ず俺たちの政策をSNSで褒め称えろ、批判は許さん」と言われたら、どう感じる?



え……いや、それはちょっと……。



でしょ?思想の自由がなかったら、それすらも国家が決めるようになってしまうんだよ。



うーん、そう考えると、第19条って結構大事なのかもな。



そうだね。
自由な社会を守るために、国家が個人の心の中に踏み込んではいけないんだよ。
だから「思想及び良心の自由」は、絶対に守らなければならないんだ。



ってか、そもそもだけどさ、誰が何を考えているかなんて、どうやって判断するんだ?



いい質問だね!
実際、他の人の考えを読むことなんてできないよね?
だから、国家が「お前は危険な思想を持っている」と決めつけること自体が、おかしな話なんだ。



確かに、誰かの心の中を勝手に決めつけるのは無理があるな。



そういや、改憲案には、この「思想の自由」に関する条文を変えようとしているんじゃなかったか?



そうなんだよ…
自由を「侵してはならない」という部分を「保障する」に変更しようとしているんだ。



うん?
それぐらいなら問題ないんじゃないか?
だって保障してくれるんだろ?



いや、それが問題なんだよ。
「侵してはならない」は国家に対して強く制限しているんだ。
だけど「保障する」は「国家が国民に自由を与えてやっている」というニュアンスになってしまう。
つまり、保障の範囲を国家が決められるようになる可能性があるってこと。



つ、つまり、国家が「この場合は思想の自由を制限する」って決めることができるってことか?



そういうこと。
実は、他の条文になるんだけど、「公益及び公の秩序に反する場合は基本的人権を制限できる」とも改憲案には書かれているんだよね。



それって、わかりやすくいうと、
「国家の利益に反する思想はアウト」ってことだよな?
もっと言えば、国の思い通りになれってことだよな?



まさにその通り。
もし改憲案が通れば、「国にとって都合の悪い考え」は制限される社会になるかもしれないんだ。
そうなったら、批判すらできないことになってしまうよ。



うわぁ。
やっぱり思想の自由はちゃんと守らないとやばいな。



そうさ。自由な社会を守るために、僕たちは憲法をちゃんと理解し、考えていく必要があるんだよ。
まとめ
- 考えること、つまり頭の中は自由、行動に移さない限り罰せられない
- 国家が思想を強制することは過去の独裁国家の手法
- 改憲案では「思想の自由」の制限の可能性がある
- 自由な思想が認められている社会こそ、発展しやすい



僕たちは普段、好きなものを選んだり、どんな考えを持つかを自由に決めてるよね。
でも、もし「この考えはダメ!」って国に言われたらどうなる?
例えば、「この音楽を聴くのは禁止」「このゲームはあの政策を批判していうからやってはダメだ!」とか。そんな社会、絶対イヤだよね。
「何を考えても自由」っていう当たり前の権利が、日本国憲法ではちゃんと守られてる。
だけど、それを変えようとする動きもある。
だからこそ、僕たち一人ひとりが 「思想の自由って何?」 ってことを知っておくのが大事なんだよね。
この権利があるからこそ、自由に勉強して、自由に夢を持って、自由に生きられる。
だから、「憲法って難しそう」って思わずに、これからもちょっとずつ考えていこう!

