
みんなは、好きなことを話したり、SNSに投稿したり、本を書いたり、友達と集まって意見を交換したりすることがあるよね?
それって、全部 「表現の自由」 っていう憲法で守られた権利のおかげなんだよ!
でも、「表現の自由」がなくなったらどうなると思う? もし、政府が 「この意見はダメ!」「この本は禁止!」 なんて決められるようになったら? 自分の考えを言えない社会になったら?
…なんだか息苦しそうじゃない?
今回の記事では、そんな「表現の自由」について、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第21条【集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護】
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
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検問は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第21条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



みんなで集まったり、団体を作ったり、本を書いたり、しゃべったり、とにかく何を表現してもいい。
そして、それを国が事前にチェックすることはダメ! 人の手紙や電話を勝手に盗み見ることも禁止!



うんうん、いいね!



……おいおい、こんなに自由にさせて大丈夫か?
政府に都合の悪いことも、全部許しちゃうのか?政府を批判したり好き勝手にSNSで発言したりしてもいいのか?
国のためには、もっと統制したほうがいいんじゃないか?



悪魔くーん…また時代錯誤なことを言い出したね。
日本国憲法第21条では、『表現の自由』がしっかり保障されているんだよ。



表現の自由?
そんなもん、無秩序の元だろ。
政府に都合の悪いことを言わせないほうが国のためになる!



まるで明治憲法時代みたいな発想だね。
でもね、もし政府が「都合の悪いことを言うな」と自由に決められるなら、国民は何も言えなくなるじゃない?
それはつまり、政治のことを知ることも、議論することもできない。
そうなると……最終的には独裁政治になっちゃうんだよ。



むむむ……確かに、それはちょっと怖いな。
国が間違っていると思っても、それはおかしいと思っても、何も言えないってことだもんな…
「表現の自由」には2つの大切な役割(価値)がある



表現の自由には、大きくわけて、2つの意味があるんだ。



ほう?なんだそれは?



ひとつめは、「自己実現の価値」。
考えたことを表現することで成長できるということ。
例えば、自分の意見を文章にして発表したり、絵を描いたり、小説を書いたりすると、自分の考えがより深まるよね?



ふむ……確かに、俺も昔、悪魔の素晴らしさを語る本を書こうとしたことがあったな。なかなかうまくいかなかったが……。



ちょっと内容が気になるけど、
うん、そう、そういう活動が自由にできるのが大事なんだ。



そしてもうひとつが「自己統治の価値」。
これは、みんなが自由に意見を言い、十分な話し合いができることで、政治をより良くすることができるって意味だよ。



どういうことだ?



例えば、逆にね、
政府が国民の意見を聞かずに勝手に法律を作ったらどうなる?



それは…困るよな。自分たちの懐が潤うだけで、俺たちが苦しむ法律とかできちゃうよな…



そうだろう?
だから、みんなが自由に意見を言い合い、しっかりと議論し合うことが、民主主義を守るためにとても大切なんだよ。
ちなみにこれは、調べることとかも含まれているよ!
「知る権利」ってなに?



でもさ、情報が偏っていたらどうするんだ?
政府が都合の悪い情報を隠してしまったら、俺たちは何が本当かわからなくなるじゃないか。



いいところに気づいたね!
だからこそ、「知る権利」が大切なんだよ。
これは、国民が正しい情報を得る権利のこと。



とはいっても、なんでもかんでも知ることができるわけじゃないだろ?



もちろん!
例えば、個人のプライバシーを暴露することはできないし、警察の捜査に影響を与える情報も制限されることがあるよ。



でも、政府の政策やお金の使い方など、国民が知るべきことは、制限されたり隠されたりするべきじゃないよね?



うむ……確かに、税金の使い道とかは、俺たちがちゃんとチェックできないと困るよな。
検閲は禁止!通信の秘密も守られるよ



とはいえ、好き勝手に発言できると、政府を批判する悪いやつらも出てくるだろ?



政府を批判する人を悪い人扱いにしちゃうの?それは違うなぁ。



あ、いや。え、えっと。
政府にとって都合の悪い発言をしそうな人をマークしたりとかって?



うん、そういうのはね、ダメなんだよ。
政府が事前に情報をチェックして「これは発表していい、これはダメ」と決めることを「検閲(けんえつ)」って言うんだけど、これは絶対にしちゃダメなんだ。
盗聴とかそういうのもね。



でも、政府を批判するような情報は規制したほうが国のためにならないか?



いやいや、それが独裁の始まりなんだよ!
政府が自由に情報をコントロールできるようになったら、都合の悪いことを全部隠してしまえる。
そんな国で、僕たち国民が豊かになることは絶対にないよ。
そしてそれに逆らう人は、拷問とかにあうかもしれない。
悪魔くんはそんな国に住みたいかい?



……それはイヤだな。



でしょ?
だからこそ、日本国憲法では「検閲は禁止」ってはっきり決めているんだ。



それにね、いくら「表現の自由」が認められているからって、ただの差別や誹謗中傷とかは罰の対象だからね。
自由な世界イコール完全無法地帯って意味ではないからね!
改憲されたら表現の自由はどうなる?



でも、最近の憲法改正の話では、「公益や公の秩序を害する」表現は制限できるようにしようとしているんだろ?
検閲もされそうじゃないか?



もし改憲されちゃったらそうなるだろうね。



でもさ、「公益や公の秩序を害する」表現なんて、制限できたほうがいいんじゃないか?
ほどよくバランスが取れるようになって、平和になりそうじゃないか。



いやいや、その「公益や公の秩序」とはなにか?その範囲は?を決めるのは誰だと思う?
そもそも、これってどういう意味だと思う?



あ…えっと、国の利益、国が求める秩序、か。
そうか、だとしたらそれを決めるのは国(政府)ってことか…



そう。
つまり、「政府にとって都合が悪いこと」は全部禁止される可能性があるってこと。
政府のやり方を批判するデモや、ジャーナリストの報道も制限されるかもしれないんだ。
僕たちがSNSで批判したり署名をしたりするのもダメになるかもしれないよ?



それは…かなり危険だな…



でしょ?
まとめ
- 表現の自由があることで、誰もが自由に意見を言える
- 自己実現と自己統治のために必要な権利
- 知る権利があることで、情報を正しく得られる
- 検閲は禁止!政府が勝手に情報を操作してはいけない
- 通信の秘密も大切!プライバシーは守られるべき



表現の自由って、一見当たり前のように思えるけど、実はめちゃくちゃ重要な権利。
みんなが自由に意見を言えなかったら、政府が好き勝手にルールを決めちゃうかもしれないし、本当のことを知ることすらできなくなっちゃう。
とはいっても、もちろん、「何を言ってもいい!」ってわけじゃない。
人を傷つけるような表現はダメだし、みんなが気持ちよく暮らせる社会を守ることも大切。
だからこそ「どこまでが自由なのか?」をしっかり考えることが大事になるよね!

