
「憲法って聞くと、なんだか難しそうって思わない?
「法律」や「条文」も、この言葉が出ただけでもう読む気なくなるって人も多いかも。
でも、ちょっと待って!
実は憲法って、僕たちの生活にめちゃくちゃ関係あるルールなんだよ。
たとえば、「結婚」。
これだって憲法がなかったら、昔みたいに「親が決めた相手と結婚しなさい!」って時代に戻っちゃうかもしれない。
そこで今回のテーマは、日本国憲法 第24条!
この条文は、「結婚は自由に決めていいんだよ!家のルールより、個人の気持ちが大事なんだよ!」ってことをはっきり書いてるんだ。
とはいえ、「条文をそのまま読むのはちょっと…」って人のために、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第24条【家族関係における個人の尊厳と両性の平等】
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
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配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第24条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



結婚は、当人同士の合意だけで成立する!つまり、親や家の許可はいらないのさ!
そうそう、法律を作るときは、個人を尊重して、男女は平等だってことをちゃんと考えろ!
例えば、結婚相手の選び方、財産のこと、相続、住む場所、離婚とかも全部、平等にしろ!



うんうん、いいね!



でもなぁ、やっぱり「家」を守るって考え方も必要なんじゃないか?
そのためにも、結婚なんてのは家の事情を優先すべきだと思うんだよな。



かつては悪魔くんの言うような考えだったんだよね、日本は。
そう、明治憲法の時代は「家制度」だったよ。
そして家長(かちょう)…まぁ一番年上の男性が家族全員を支配していたんだ。
だから、結婚も家長の許可がないとできなかった。
でも今の憲法では、個人の自由が大切にされるようになったんだよ。



勝手に結婚できるようにすると、秩序が乱れるじゃないか!
昔みたいに親が決めるほうが家族の絆も深まるし、無駄な恋愛でフラフラする若者も減るんじゃないか?



確かに、昔はそういう考えが普通だった。
でも、それって「本人の気持ち」を無視してるよね?
誰と結婚するかは、親や家じゃなくて、本人たちが決めるべきことじゃないかな?



ふん、結婚なんてものは家と家の結びつきだろ?
本人の気持ちとやらより、家族や国のために結婚するのが当然じゃないのか?



うーん、それは違うよ。
憲法第24条は、結婚を「個人」の問題として考えているんだ。
つまり、「結婚する・しない」「するなら、誰とするか」。そして「どう生活するか」は、本人たちの自由だってこと。



なんだか、好き勝手やれるようになったみたいで、わがままが増えそうだなぁ。



違うよ。これは「わがまま」じゃなくて「権利」なんだ。
もし結婚を強制されたら、それは「人権侵害」になるよ。
例えば、昔みたいに親が勝手に結婚相手を決めたら。
子どもは何人産めって言われたら。
どう思う?
そして親の思い通りにならなかった女性は「役立たず」だと言われる。
そんな社会って、幸せなのかな?



……そりゃ、嫌な相手と結婚させられたら地獄だな。
それになんか女性のことを道具扱いにしているよな……
それは…いくら俺でもおかしいってわかるぜ。



でしょ?
だからこそ、結婚は個人の自由であるべきなんだよ。
法律も個人の尊厳を守ることを基本にすること



そういえばさ、結婚したら色々決めることがあるだろ?
財産とか、子どもができたときのこととか。



そうそう!
だから、第24条にはもう一つ大事なことが書かれているんだ。



「法律は個人の尊厳と両性の平等を基本にしなければならない」ってね。



それってつまり?



たとえば、財産は全て「男のもの」とするとか、そういうのはダメってこと。昔は「相続できるのは長男だけ」とかそういうのが普通だったからね。
またまた、昔みたいに「男が外で働き、女は専業主婦であるべき」「女は子どもを産むべき」みたいな考えも、法律で押し付けちゃいけないんだ。



なに!?
男が主夫になってもいいってことか!?



もちろん!
「家のことは女がやるべき!」「男は外で働くべき!」ってわけじゃないんだ。
そういうのを法律で押し付けてもいけないってこと。



ふむ……じゃあ、男女関係なく、好きなように結婚生活を決めていいってことか?



そうそう!だから、パートナーとよく話し合うことが大事だね。
改憲草案では個人より家族を優先?



ところで、自民党の改憲草案では、結婚のルールを変えようとしているらしいな。



そうなんだよ。
改憲草案では、「家族は社会の基本単位」とされている。
つまり、「個人の自由や権利」より「家族の役割」が強調されているんだ。



それはなんだか明治憲法時代みたいだな



うん。
この案の問題は、国が「家族を大事にしろ」と憲法で決めてしまうこと。
そして例えば、「家族は助け合うべき」って条文ができると、生活が苦しい人がいても「まず家族で支えろ」ってなって、国の助けを受けにくくなるかもしれない。



なるほど……つまり、国は福祉を減らして、「自分たちで何とかしろ」「国は助けてやらねぇ。税金を国民に使いたくないぜ」って言い出す可能性があるってことか。



そういうこと。これ以外も、国が「家族」にめちゃくちゃ関わろうとしているんだよ。
だから、第24条の改正案も問題があるんだ。



うーん……家族が大事なのはわかるけど、個人の自由を犠牲にするのはちょっと嫌だな。
それに俺たち、国のおもちゃじゃないよな。



うん。
せっかく手に入れた自由と権利を失いたくないよね!
まとめ
- 結婚は当人同士の合意のみで決めるもの
→昔みたいに「誰々の許可が必要!」というルールはない。 - 法律は、個人の尊厳と平等を守るために作られるべき
→結婚生活はこうあるべき!というような押し付けはNG。
でも、まだまだ議論が続いてるのが 同性婚 の問題です。
「結婚は両性の合意」って言葉があるから、
「男と女の組み合わせじゃないとダメでしょ?」って解釈する人もいます。
ですが、本来この条文が守ろうとしているのは、結婚する人の自由と平等。
それに、この条文を作った人の本意は
「女性の権利を男性と同等にするべき」なんですよね。
※昔は、結婚生活においても、女性の意思や権利はないようなものでした。
そう、「男と女で結婚するべき」という意味で作られた条文ではない、ということです。



この24条があるおかげで、誰と、どうやって生きるかは、自分で決められるようになったんだね。
それでもまだまだ社会や僕たちの考え方が憲法に追いついていない部分もたくさんあるかも。
「結婚の自由」「僕たちの権利」を守るなら、これからもっと考えていくべき問題だよね。

