
たとえば、僕たちが病気になったときに病院に行けるのも、学校に通えるのも、災害が起きたときに助けてもらえるのも、ぜーんぶ憲法とつながってるんだよ。
ということで、今回のテーマは「生存権」!
「人間らしく生きるための権利」って、いったいどういうことなのか?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第25条【生存権及び国民生活の社会的進歩向上に努める国の義務】
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
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国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第25条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



国民は、まあ最低限、人間らしい生活ができる権利を持ってる。
だから国は、生活に関わるいろんなことをちゃんとよくしようと努力しなきゃいけない。



うんうん、いいね!



けっ。
そんなもの国がわざわざ保証する必要があるのか?



まーた、悪魔くんってば、そんな極端なことを言うんだね。
でも、生存権はとても大事な権利なんだよ。



いやいや。
人間は自分の力で生きるもんだろう?
弱者を甘やかしてどうするんだよ。



確かに、自立は大事だよ。
でもね、人生は予想がつかないものなんだ。
例えば、突然病気になったり、災害に巻き込まれたりして、働けなくなることだってあるだろう?
はたまた、会社が突然破産したりして、職を失うことだってあるかもしれない。



ま、まぁ…確かにそういうこともあるかもしれないけど…



そんなときに助けてくれるのが、この生存権の考え方なんだよ。



「最低限度の生活」っていうけどよ……
それはどこまでが保証されるんだ?



いい質問だね!



これは時代や社会の状況によって変わるんだ。
たとえば、昔は清潔な水が飲めるだけで贅沢だったかもしれない。でも今の時代なら、医療福祉や教育も含めて考えられるべきだよね。



ふむ……でも、国がそんなに面倒を見る必要があるのか?
税金の無駄遣いじゃないのか?



いやいや、それがあるからこそ社会が安定するんだよ。



たとえば。
誰もが簡単に医療を受けられるようになれば、病気が広がるのを防げるでしょ?
労働者が健康で働けるから経済も回る。
つまり、生存権を守ることは、長い目で見れば社会全体にとってもプラスなんだ。



でもよ、国は「努力する」だけでいいんだろ?
別に国民が国に文句を言える権利があるわけじゃないよな?



うん、その考えは「プログラム規定説」と言われているんだ。
つまり、「国はできる限り頑張るけど、保証する義務まではない」というもの。



でもね、それじゃ意味ないじゃない?
だから、「抽象的権利説」が主流になっているんだ。
これは、具体的な法律があれば、それを根拠に訴えることができる、という考え方だよ。



ほう?じゃあ、生存権を盾にして「俺をもっと裕福にしろ!」って訴えてみようかな。



それは無理だよ〜。
あくまで「最低限の生活」を守るための権利だから。
だから、例えば生活保護を受けられないのは違憲じゃないか?とか、今物価が高騰しているのに、生活保護や年金、最低賃金が低いままなのはおかしいんじゃないか?という訴えならできるよ。



ちぇっ。
でもまぁ、なんとなくわかってきたよ。



ところでよ、国がどこまでやるかって、結局は政治家たち次第だよな?



その通り。だからこそ、国民がしっかり監視しなきゃいけないんだよ。ちゃんと、僕たちの生存権を守ろうとしてくれていますか?ってね。



ところがね、憲法改正案がもし通ったら、この生存権の扱いも変わりそうなんだよ。



え?
どんな提案がされているんだ?



「国民と協力して」という文言が入ったり、「公益及び公の秩序」という考えが強調されたりしているんだ。



それってそんなに問題なのか?



うん。
たとえばね、「国に従わないものは助けないよ」「お前は国の利益にならないから、お前に生存権はないよ」って状況になりかねないんだ。



いや、まさか、いくらなんでもそこまでは…



そうなってもおかしくない、そうなっても国民は文句を言えない内容なのは確かだよ?



……



気づけば独裁政治が始まっていた、気づけば俺たち一人一人の価値を選別されていた、というのは世界的にもそうだもんな…



でしょ?
だからこそ、僕たちも憲法をよく知ることが大切なんだ。
憲法は、国が好き勝手にルールを変えるのを防ぐためのもの、僕たちを守るものってね。



そしてこの生存権も、僕たちがどんな人生だろうと、人間らしく生きるために必要な権利なんだよ。



生存権があるからこそ、人生をやり直したりすることもできるってことだよな。
少し勉強になったぜ。



それはよかった!
憲法は、本来なら僕たち国民の味方だからね!
まとめ
「まとめ:生存権があるから、やり直せるし、安心できる」
憲法第25条の「生存権」は、
「すべての人が健康で文化的な最低限度の生活をおくる権利があるよ!」
っていう、とても大事なルールです。
でも、「どこまでが最低限の生活なの?」とか、
「国はどこまでやってくれるの?」という議論は続いています。
しかも、最近は憲法改正の話も出てきています。
もし「国は守るけど、国民も協力しろ」という方向に変わるとしたら、
それは本当にみんなが安心できる制度なのでしょうか?



これってただ「最低限の生活を保証するよ」という話だけじゃないんだよ。
生存権があるからこそ、僕たちは人生をやり直すことができるし、安心して生きていけるんだ。
たとえば、大きな病気やケガをして働けなくなっても、医療や福祉があるから回復を目指せる。
仕事を失ってしまっても、社会保障があるから次のチャンスをつかめる。
誰にでも「人生のピンチ」はあるけど、「最低限の生活を守る仕組み」があるからこそ、そこから立ち直ることができるんだよ!
生存権は、「誰かのための権利」じゃなくて、「みんなのための権利」。
だからこそ、私たちもちゃんと知って、考えていくことが大切なんです。
最後まで読んでくれて、ありがとう!あなたの「生存権」、大切にしていきましょう!
「憲法って難しそう…」と思っていた人も、ちょっと身近に感じてもらえたら嬉しいです。

