【対話でわかりやすく】憲法第29条:財産権ってなに?国が勝手に奪うことができるの?

憲法29条をわかりやすく。国民の財産は侵すことはできない。国でさえも。

ねぇ、「自分のおこづかい」や「自分の持ちもの」を勝手にとられたらイヤだよね?

たとえば、大事に貯めてきたおこづかいを「これはみんなのために使うね」って、あなたの意見を無視して勝手に持っていかれたら……
「なんで?!ちょっと待ってよ!」って思うよね。

実はね、そういうのが「国レベル」で似たようなことがあるんだ。それを防ぐためにあるのが、憲法第29条の「財産権」。


これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第29条【財産権】
財産権は、これを侵してはならない。


2
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

3
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第29条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

おい、人のモノを勝手に取るな。財産はちゃんと守られるべきだってことだ。

でもな、全部が全部自由ってわけじゃねぇ。みんなのためになるように、どう使っていいか・またはどう制限するか?ってのは法律でちゃんと決めるんだとさ。

で、国が「この土地、みんなのために使わせてくれ」って話になっても、だからって国が勝手に持ってっちゃダメ。ちゃんとそれに見合った金(補償)を払えって話だ。

てんし

うんうん、いいね!

あくま

なぁ、そもそも「財産」ってなんだよ?
俺のへそくりも財産っていうのはわかるんだが、
それを守るってどういう意味だ?

てんし

うん、大事なことだね!
財産ってね、悪魔くんのへそくりはもちろんのこと、例えば、

ゲーム機、コレクションの缶バッジ、おうちや土地、通帳のお金、さらにはアイデアやマンガ、音楽、発明まで——

こういうの、ぜーんぶ「財産」なんだよ。

あくま

え、俺が発明した「悪魔ラーメン」のオリジナルレシピも?

てんし

もちろんだよ!
それは「知的財産」って言って、形はないけど価値のあるもの。
つまり、悪魔くんの「努力や工夫」で得たものも大切な財産ってことさ。

あくま

そうなのか…
でよ、その財産の権利‥「財産権」ってなんだ?

てんし

簡単にいうとね、自分のものを自分のものとして持ち続けたり、自分の意思で使ったり、売ったりすることができる権利のことだよ。

そして、他の人とか国が、人のものを勝手に奪ったらダメだよってこを、この第29条は言っているのさ。

あくま

なんか、俺がさっき意訳してみた中に、
そういうのもちらっと入っていたよな?

1つずつ一度教えてくれよ。

てんし

おっけー!
まず1つめから順番に行くね!

てんし

おい、人のモノを勝手に取るな。財産はちゃんと守られるべきだってことだ。


他人が他の人のものを奪ったり、壊したり、国が勝手に持って行ったりしちゃダメってこと。

てんし

でもな、全部が全部自由ってわけじゃねぇ。みんなのためになるように、どう使っていいか・またはどう制限するか?ってのは法律でちゃんと決めるんだとさ。


ただし、社会全体のために必要な場合は、ルールを作って制限することもある
例えば、火事を防ぐために「この場所には木造の家を建てちゃダメ」とか、眺めを守るために「⚪︎m以上の高い建物は建てたらダメ」とか。

てんし

国が「この土地、みんなのために使わせてくれ」って話になっても、だからって国が勝手に持ってっちゃダメ。ちゃんとそれに見合った金(補償)を払えって話だ。


もし本当に国があなたの土地や財産が必要になり、使いたいのなら、ちゃんと「正当な補償」をしなきゃいけない。
つまり、例えば国があなたの土地を手に入れるなら、「もしその土地を不動産に売ったらもらえるであろう金額(時価)」をちゃんと払うってこと。

あくま

最後のなんだよ。
国のためなら我慢するのが国民の義務ってもんだろ?

てんし

ああ、昔は確かにそうだったね。
国が「それをよこせ」と言ってきたら、全てを渡さなきゃいけなかったね。戦争のためなら、命さえも国が自由に使えた時代。

悪魔くんはその時代がいいの?

あくま

い、いや…
一緒に住んでいた犬も奪われたな、そういえば(涙

あくま

で、でもよ、戦争に使いますとかじゃなくて、
道路を作りたいとか、国民のための施設を作りたいとか、
そういう時は仕方ないだろ?

てんし

うん。
公共のためにあなたの財産を国にくださいっていうのは認められているよ。

だけど「正当な補償」をが絶対に必要なんだ。
いくら理由が立派でも、国が勝手に奪うことはできないんだ。

あくま

正当な補償…?

てんし

その土地を普通に不動産とかに売ったらもらえたであろう金額を、ちゃんと国が払うってこと。安く買い叩いてもダメ。

てんし

そうそう、もしその土地で悪魔くんがラーメン屋をやっていたとするじゃない?それをタダで持っていかれたらどうする?

あくま

やだよ。俺生活できなくなるじゃん。

てんし

でしょ?
そういうのもね、ちゃんと法律の方だけど、決まりがあるんだよ。

「その人が被る損失も補償する」てね。

たとえば移転費用とか、お店を休むあいだの損失も含まれているんだよ。

あくま

なるほどな…
こういう法律にできるのも、まずは憲法でちゃんと決められているからだよな?

もし、この憲法がなかったら、国が今までと同じように奪い放題になっていたかもしれないのか。俺のラーメン屋がある土地も勝手に奪われて、俺は立て直すことができなくて…ウッ

てんし

そうだね…そうだろうね…

あくま

そういやさ、これもまたなんかさ、
改憲したいってなっているんだろ?

あくま

変わったらどうなるんだ?

てんし

もし変わっちゃったらね、
「国の都合を優先できるようになる」。

だから「国のためだからよこせ」って言ったら、
昔みたいに財産を奪う形で取ることもアリって感じになるかもね。
それが可能な文章になっているんだ。

あくま

ああ〜…そうかぁ…
今の憲法って本当に、俺たちの味方みたいになっているんだな。

てんし

そうなんだよ!
気づいてくれて嬉しいな。
僕たちの暮らしを、この第29条も守ってくれているんだ。

目次

まとめ

  • 第29条は「財産を勝手に奪ってはいけない」っていう、
    当たり前だけどとっても大事なルール
  • 国が欲しいものだとしても「正当な補償」がなければダメ
  • 改憲草案では、このルールがゆるくなりそうで心配な面もある

僕たちの財産が、国や誰かの都合で勝手に奪われたら?
そうならないようにしてくれている条文なんだ。

これもやっぱり、僕たち国民を守ってくれているんだね!

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