
「税金って、なんかよくわからないまま毎月引かれてる…」
「どうせ国が勝手に使ってるんでしょ?」
そんなふうに思ったことあるよね?
でもね、ちょっと考えてみて。
例えばなんだけど、
みんなで使う公園を作るとき。誰かひとりのお金で作るより、みんなでちょっとずつ出し合った方が平等だし、大きなことができる。
そう、税金って、いわば「社会のみんなでつくる大きな財布」みたいなものなんだ。
とはいえ、「払え!」と言われるばかりで「どう使われているのか」がよくわからないよね。
そんな不安や不満、きっと多くの人が感じているはず
そこで今回のテーマは、日本国憲法第30条――「納税の義務」。
ただお金を取られる話ではなく、「どんな国にしたいのか?」を決める、僕たちの大事な力でもあるんだ。
どういうことかって?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第30条【納税の義務】
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。



悪魔くん、今日は日本国憲法第30条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



俺たち国民は、国が決めたルールに従って、税金ちゃんと払えってことだ。



うんうん、いいね!



サボるな、って話だな。
ったく…取るだけ取って、何に使ってんだかよ。



たしかに「税金を払うのは国民の義務」って書いてあるけど、それだけじゃないんだよ。
実は、そこには国を縛るルールも隠れてるんだ。



は? 国を縛る?
どこにそんなこと書いてあるんだよ。
国民が払え!ってしか書いてねぇじゃねぇかよぅ。



ほら、「法律の定めるところにより」ってあるでしょ?
これがポイントなんだ。
つまり「ちゃんと法律で決められた税金しか取っちゃダメですよ」ってことなんだよ



この「法律の定めるところにより」ってのはね、
例えば、国が勝手に「今日から消費税30%ね!」って決めたりしたらダメってことなんだ。
ちゃんと国会を通して法律で決めてからじゃないと、税金は取れないんだよ。



ふーん…でも結局さ、法律作るのも国の連中じゃん?
なんだかんだで国が得するように作ってんじゃねぇの?



実際、税金に関する法律作りまくって、
俺たちからたくさん奪っているじゃん。



うん、確かにそうだね。
でもさ。
その「国の連中」、
つまり、僕たちからたくさん税金を奪える様な法律を、
どんどん作っている国会議員は誰が選んだんだろう?



……まさか、俺たち?



その通り。
僕たち国民が選んだ議員が、税金のことを決めてるんだよ。
だから「税金を払う」っていうのは、ただの義務じゃないんだ。
自分たちが社会を支える力にもなっているってこと。



ここでちょっと話は逸れるけど、大事なことだから言うね。



世界のいろんな国では「税金を払うのは権利だ」って考える動きもあるんだよ。



権利?
なんで払わされることが権利なんだよ、意味わかんねぇ。



それはね、
「国民が納得できる使い方をするなら、ちゃんと払うよ」ってこと。
逆に言えば、「ムダな使い方にはNOって言える」ってことだよ!



へぇ…その考え方、いいな。
実際、「納税者の権利憲章」ってもんがある国があるって聞いたことあるけど、そういうことか。



でも実際はさ、今の日本ってお金持ちや大企業に優しいじゃん?
俺らみたいな普通の人ばっかりたくさん税金取られてさ、
なんか納得いかねぇよ。



そうだね。
でもね、それも僕たちが選んだとも言えるんだ。
でもそれが嫌なら、ちゃんと調べて、考えて、選挙で「ちゃんと税金の使い方を考えてくれる人」を選ぶことが大事なんだ。
それからね、選挙に行かないっていうのは、ある意味「何でも好きにしていいよ。」って言ってるのと同じことなんだよ。



確かに…減税する気がない政党に投票したり、
イメージだけで批判したり、そもそも選挙に行かなかったり…
の結果だもんな、今の日本って…



うん。
この条文の話に戻るけど、この条文(第30条)って、
「国は勝手に税金を取ったらダメだよ」っていう、
国に対するストッパーとして作られたと思った方が正しいと思うな。



なるほどな…
確かに憲法そのものが
「国を見張るため、国が暴走しないようにするため」
のものだもんな。



そうか、
俺たちがちゃんと「税金が国民のために使われているかどうか」を見張ることができるようにしてくれているもの、でもあるのか。



そう!
僕たちが日本社会の主人公だってことをわかってくれたら嬉しいな。
まとめ
ポイントをまとめてみますね!
ポイント | 内容 |
---|---|
憲法第30条 | 国民に納税の義務があることを定めている |
補足(重要) | 国は法律で決めた範囲でしか税を取れない |
国民の権利 | 選挙で税の使い方を決める人を選ぶことができる |
世界の潮流 | 「納税者の権利」を守る国が増えている |
本質 | 国が勝手に税金を作ったり増やしたりすることは(本来は)できない。 どう使われているのか?というのを国民が見張ることができる。 →しかし、選挙に行かなければ意味がない! |



税金という言葉を聞くと、どうしても「勝手に取られるもの」「めんどうな義務」っていうイメージが先にきてしまうよね。
でも、それだけじゃないんだ。
税金は、僕たちが社会を一緒につくっていくための「共同のお金」。
だから、「払え!」と言われるだけじゃなく、「どう使われるか」にも目を向けていいんだ。
むしろ、それこそが主権者である「僕たち国民の役目」だよ。
憲法第30条は、決して堅苦しい条文ではなく、
「ちゃんと話し合って、ちゃんと決めて、ちゃんと使う」という、そんな当たり前のことを大事にしようっていう、僕たちと国との約束ごとなのかもしれない。
これをきっかけに、ふだん何気なく払っている税金の意味や、自分の一票の重みについて、ちょっとでも考えてもらえたらうれしいな!

