【対話でわかりやすく】憲法第31条:命と自由を守る、意義のある条文

憲法31条をわかりやすく。罰するにも適正さが必要。

ある朝、あなたが何もしていないのに、いきなり警察に連れて行かれ、「詳しいことは後で」と言われて拘束される。
理由もわからず、話すチャンスも与えられないまま、罰だけが下された…。

そんなのドラマの中だけの話だって思うよね。

実はね、現実の僕たちの世界では、それを防ぐためのルールが、憲法にはちゃんと書かれているんだ。
このおかげで、僕たちの命と自由が守られているとも言える。

逆にこれがなかったら、ドラマよりももっと怖い「現実の世界」になっていたかもしれないよ。

それがこの第31条なんだけど、これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第31条【生命及び自由の保障と科刑の制約】
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第31条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

つまりだな、テメェの命とか自由とかを取り上げたり、ムショにぶち込んだりすんのは、ちゃんと法律の手順踏まなきゃダメってことだ。
いくらムカつくヤツでも、気に入らねぇからって勝手に捕まえたり罰したりしちゃダメなんだぜ。
国家だからって好き勝手やれるわけじゃない、ってことだろ。

てんし

うんうん、言葉遣いがいささか乱暴だけど、わかりやすくていいね!

あくま

でもよぉ、そんな面倒な手続きばっかり気にしてたら、
悪いやつをサクッと捕まえることもできねぇじゃん。
国家の判断で動いたほうが早いだろ?
ムダに自由とか権利とか守りすぎなんじゃねぇの?

てんし

その考えが危ないんだよ、悪魔くん。
国家が「こいつ怪しい!」ってだけで捕まえていいなら、それこそ誰でもある日突然逮捕されちゃうかもしれないんだ。

てんし

たとえば、「政府を批判しただけで逮捕」なんてことも起こりうるんだよ?

あくま

……あー、
なんかそんな時代もあったって聞いたことあるな、それ。

でもよ、「法律で決めた手続きがある」って言ったって、その中身がメチャクチャだったら意味ねぇだろ?

捜査が面倒臭いから拷問で自白させて逮捕とか、あみだくじで逮捕決めるとかさ(笑)

てんし

まさにそこがポイントなんだ!

第31条は「法律に従え」ってだけじゃなくて、その手続き自体が「適正」じゃなきゃダメだって意味も含まれてるんだよ。

てんし

つまり、

①ちゃんと理由を伝える(告知)
②相手の言い分を聞く(聴聞)

この2つがセットで必要なんだ。

あくま

はぁん、なるほどな……。
でも「法律に従え」ってだけの条文なんだろ?
だったら、もっとわかりやすく「適正にやれよ」って書けばいいじゃねぇか。
なんでハッキリ書かねぇんだ?

てんし

そこね、実は改憲草案では「適正な手続き」っていう言葉を追加しようとしてるんだよ。

あくま

お、いいじゃん。

てんし

ううん、逆に問題があるんだ。

あくま

え?なんでだよ。
「適正」って言葉があった方がむしろマトモになりそうじゃんか。

てんし

普通はそう思うよね。
でもねこの条文ではそうはいかないんだよ。

というのもね、「適正」って言葉を入れると、
逆に「手続きの部分だけが適正ならOK」って解釈されかねないんだ。

てんし

今の憲法は、手続きだけじゃなくて、法律そのものの中身
つまり「何を罪とするか」や「どれくらいの罰を与えるか」も適正でなきゃダメって意味も含まれているんだよ。

あくま

うん?
ってことは…もし改憲したらよ、
例えば政府の悪口言っただけで「死刑」とか決められても、「手続きはちゃんと適正なんでセーフ」とか言われちまうかも、ってことなのか?

てんし

そう、極端な例に思えるけど、そうなってしまう危険があるんだよ。

てんし

だから今の憲法では「罪と罰の内容」も「どんな手続きで罰するか」も、どちらもちゃんと適正でなければならないって解釈されているの。

てんし

それなのに、わざわざ「適正」って言葉を入れるってことは、解釈をやり直さなきゃいけなくなるから、ね。

あくま

そういや、この第31条のタイトルも変えられていたよな。
今のは「生命及び自由の保障と科刑の制約」ってなっているけれど、改憲案は「適正手続きの保障」だけになっているな。

てんし

いいところに気づいたね。
削除したってことは「国民の命や自由は保障する気がない」とも読めるよね。

あくま

そういうことかぁ。
そっちも含めて考えると、確かにマジでやばいな。

てんし

でしょ?

あくま

ああー
今の憲法って、マジで国民を守る盾でもあるんだなぁ。

てんし

その通り!
憲法って、国家が暴走しないように、そして国民が国家に「これ以上はダメ!」って言えるためのルールブックなんだ。

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まとめ

第31条は
「誰かを罰する時には、ちゃんとした法律に基づいた手続きをふまなければならない」
と決めている条文です。
でもそれは単に“決まりを守れ”という話ではなく、「国家が力で人を支配しないための歯止め」なんです。

「憲法」って聞くとちょっと堅苦しく聞こえるかもしれないけど。

実はこの第31条は、「国家が勝手に人を捕まえたり罰したりできないようにするための、大事なストッパー」なんだ。

僕たちが安心して暮らせるのは、こういうルールがあるから。

でも、ルールの中身がちょっと変わるだけで、その安心がグラつくこともあるよ。だからこそ、「ちゃんと守られてる?」って、これからも私たち自身が気にかけていくことが大事なんだと思うな。

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