【対話でわかりやすく】憲法第32条:「裁判を受ける権利」がもしなかったら?

憲法32条をわかりやすく。私たちは誰もが、司法機関に助けを求めることができる。

「裁判」って聞くと、ちょっと遠い世界の話だと思うよね。
なにかしら犯罪を犯した人、ドラマの中の出来事、有名人のトラブル…自分には関係のなさそうって思わない?

でも実は、僕たちにも「裁判を受ける権利」があるって、とっても大事なことなんだ。

たとえば…
もし、あなたが学校とかで、「ルールを破った」って一方的に言われて罰を受けたとするよ。自分にはルールを破った覚えなんてないのに。

そうなったら「何がルール違反なのかちゃんと説明してよ!」「自分にも話をさせて!」って言いたくなるよね。


それと同じで、社会の中でも「間違っていることに対して、ちゃんと裁判で訴える」ことができるかどうかは、僕たちが安心して暮らすための土台なんです。

どういうことかって?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第32条【裁判を受ける権利】
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第32条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

ようするに、誰だって裁判所でちゃんと文句言ったり、助けてもらったりできるって話だろ。
国だろうが警察だろうが、ムカつくことされたら「ちょっと待てやぁ!」って裁判で言える権利、誰にも奪うことはできないってこった。

てんし

うんうん、ちょっと乱暴だけど、合ってるよ!

てんし

この第32条は「どんな人でも裁判を受けることができる権利」を保障しているんだ。

たとえ相手が政府でも、偉い人でも「おかしい!」って思ったら裁判で訴えることができるんだ。

それって、とても大切なことなんだよ。

あくま

でもよぉ、そんなもん必要か?
普通に生活してて犯罪なんかしなければ、俺たちには関係のない話だろ?裁判なんて、悪いことしたやつが行く場所なんだしよ。

てんし

うーん、それがね、そうとも言い切れないんだ。
裁判って、悪いことをした人が罰を受けるためだけのものじゃないよ。
「理不尽な目にあったときに助けてもらう場所」でもあるんだ。

あくま

理不尽って…
例えばどんな時だよ?

てんし

例えば、職場で突然クビを言い渡されたとか、家の立ち退きを無理やり命じられたとかさ。
あるいは政治家や役所が勝手なことをして、自分の権利を侵害してきたとかね。

そういうとき、「ちょっと待って、それはおかしいでしょ」って言えるのが裁判なんだよ。

あくま

うーん。
でもそんなの、一部の人の話だろ?
関係のあるやつなんて、めっちゃ少ないって。

てんし

そう思いたいけどね。
でも、世の中って自分が悪くなくても巻き込まれることが意外とあるんだよ。

事故に巻き込まれたり、契約でトラブルになったり、SNSで何か書かれて名誉を傷つけられたり…とかさ。

そういうとき、味方になってくれる最後の場所が「裁判所」なんだ。

あくま

……なるほどな。
つまり、あれか。

悪いやつを裁く場所ってだけじゃなくて、
困ったときに助けてもらう場所でもあるってわけか。

てんし

そういうこと。
そしてその「助けてもらう権利」は誰でもちゃんと持ってるよってことを憲法で約束してくれてるのが、第32条なんだよ。

あくま

でもこれも、なんか改憲されようとしているんだっけか?

てんし

そうなんだよ。
今の憲法では「裁判を受ける権利を奪われない」ってハッキリ書いてあるんだ。
だけどね、改憲草案ではそこが「裁判を受ける権利を有する」って書き換えられてるんだよね。

あくま

ん?「有する」ってことは持ってるって意味だろ?
何が問題なんだ?

てんし

確かに、意味だけ見ればそうなんだけど……

「奪われない」っていうのは、“どんな場合でも絶対に守られる”って意味。

でも「有する」だと、“場合によっては制限できる”っていう風に解釈を変えることができちゃうんだ。

あくま

わかったぞ。
つまり、あれか?

「権利はあるけど、今回は使えないよ」
ってことがアリになるってことだろ?!

てんし

その通り!
たとえば「この裁判は国の利益に反する」とか「国家の安全に関わる」とかって理由で、裁判そのものを受けさせてもらえない可能性が出てくるんだよ。

あくま

おいおい…それって、政府とか偉いヤツに都合の悪い裁判は、「ナシで」って言えるってことじゃねぇか。

てんし

そうなんだよ。
しかもね、それだけじゃなくて、「どこで裁判を受けるか」まで変えられちゃうかもしれない。

あくま

うん?
裁判所は裁判所だろ?

てんし

今の憲法ではそうなっているよ。
裁判は独立した司法機関で行うって決まってるから、政治の力が入り込まない「中立の場所」で裁いてもらえる。

てんし

でも、改憲草案には、他の条文のところなんだけど、「軍法会議」っていうのを新しく作れるって書いてあってね。

これができると、国防に関係あるって判断されたら、軍の中で裁判を受けさせられるようになるかもしれない。

てんし

軍ってのは、今の自衛隊のことだよ。
改憲したら、これが「国防軍」っていう、完全に「軍人」になっちゃうよ。

あくま

え、軍の中で裁判?なんかそれって…ヤバくね?
ちゃんと弁護士つけてもらえんの?
それに取材とかもNGになりそうじゃん。

てんし

そう、その通り。
密室で行われる裁判、取材も入れず、弁護士もつけてもらえない可能性もある。
一方的な判断で「有罪!」ってされたとしても、外からは何も見えないままってことも…。

あくま

なんだよそれ。
それじゃもう、助けてもらうどころか、逆に声も上げられねぇって話じゃねぇか。

てんし

だからこそ「裁判を受ける権利」は、“絶対に奪われないもの”でなきゃいけないってことなんだ。

そうじゃなきゃ、理不尽に苦しむ人が何も言えないまま、踏みつけられてしまうかもしれない。

あくま

……最初は「裁判なんて俺らには関係ねぇ」って思ってたけどよ、
この話を聞いてたら、「いざという時に裁判ができる」って、めちゃくちゃ大事なことなんだなってわかってきたわ。そういうことかぁ…

てんし

そう思ってもらえたら嬉しいよ。
憲法って「僕たち一人ひとりを守るためのルール」なんだ。

その中でも、第32条は「困ったときに助けを求められる」っていう、すごく大切な約束なんだよ。

目次

まとめ

裁判を受ける権利って、実は「誰でも助けを求められる」っていう超大事なルールなんです。
これがないと、理不尽なことがあっても文句すら言えなくなるかもしれません・

これって要するに、「おかしいことが起きたときに、ちゃんと話を聞いてもらえる仕組みがある」ってことなんだよ。


当たり前に見えるこういう権利ほど、なくなってからじゃ遅いもの。
これからも一緒に、身近な憲法、学んでいこうね!

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