【対話でわかりやすく】憲法第52条:国会はなぜ毎年1回開かなきゃいけないの?

日本国憲法第52条を対話でわかりやすく。「当たり前」がまっ守られるための、憲法の一言

「国会って、そんなにしょっちゅう開く必要あるの?」

ふと、そんな疑問を持ったことはない?

たとえば、学校の生徒会が
「今年は忙しいから、話し合いはナシ!
生徒会長の独断でやるね!」
って勝手に決めてしまったらどう思う?

「あれ、それって勝手すぎない?」って感じるよね。


そうならないように、
ちゃんとやれよって決めたのがこの第52条。

これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!

第52条【常会】
国会の常会は、毎年一回これを召集する。

てんし

悪魔くん、今日は日本国憲法第52条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ

あくま

国会ってやつは、とりあえず年に一回は開けってことだ。

てんし

うんうん、いいね!

あくま

なぁ天使。
第52条ってさ、結局こう言ってるだけだろ?

「国会は年に一回は開け」って。

……これだけなのかよ?
これで憲法の条文1つ使うのかよ?
むしろ年1回でいいって甘くねぇか?

てんし

あはは、まぁ一見するとそう聞こえるよね。
でも実はこの「年1回」っていうのは、
最低限のルールとしてすごく大事なんだよ。

あくま

最低限って?
そんなの、常識でやりゃいいじゃん。
「国を動かす会議なんだから、ちゃんとやれ」
って言わなくてもわかるだろ。
仕事しろ仕事を、って話だろ?

てんし

うーん…理想は確かにそれなんだけど、
実際はそうでもなかったんだよ。
昔の明治憲法の時代には、
政府の都合で「国会を開かない」こともできたんだ。
つまり、国会を開くかどうかは天皇(という名の政府)の
気分次第だったのさ。

あくま

……は?マジで?
そんな国、ただの独裁じゃねーか。

てんし

そう。だからこそ、
新しい憲法には
「毎年一回は必ず国会を開く」って、わざわざ書いたんだよ。
これによって、「国会をサボる」ことを許さないっていう
最低ラインができたの。

国民の声を届ける場を失ってはいけないからね。

あくま

なるほどなぁ…。
でもさ、今の国会って、年1回どころじゃなく開いてるよな?
「通常国会」だとか「臨時国会」だとか、いろいろあんだろ。

てんし

そのとおり!
この第52条で決められてるのは、
「常会(じょうかい)」、つまり通常国会のこと。

これは毎年1月に召集されて、150日間やるのが通例なんだ。
1回だけ延長もある。

そこで新年度の予算とか、重要な政策をガッツリ議論するんだよ。

あくま

150日って短いのか長いのかわからんけどよ、
その数字はどこから来たんだ?

てんし

「何日やるか」っていうのは、
憲法じゃなくて「国会法」っていう法律で決まってるんだ。

つまり、法律を変えれば、会期を短くしたり、
極端なことを言えば実質「やらない」ことも可能になる。

あくま

え、それってヤバくね?
憲法に「年1回開け」ってあっても、日数を短くしまくったら
形だけの国会になるってことじゃん。

てんし

そう、それがまさに、改憲案の問題点。

今は「国会法」で150日って決まってるけど、
もしこれを与党が都合よく変えたらどうなるか…。

その危険性が指摘されてるんだよ。

あくま

自民党の改憲案って確か、
今の条文に「会期を法律で定める」ってのを追加する、
って話だよな。

別に今となにも変わらなくないか?

てんし

そこが落とし穴なんだ。

「法律で定める」というのを憲法に書いてしまえば、
それは逆に「法律さえ変えれば何でもできる」ってことにもなる。

今は良心で守られてるルールが、
「都合のいいルール」に書き換えられる可能性があるんだよ。

あくま

ああ、そうか…
今の憲法なら「国会を開かない」と
それが憲法違反になるけど、

わざわざ書いてしまったら、
「憲法で法律に任せるってあるじゃん」
っていうこともできるようになるのか。

てんし

そういうこと。
「こういう場合は国会を開かなくてもいい」とかね、
そういうこともできてしまう可能性もあるんだ。

あくま

たしかに…
「書いてある」ってことは、
「変えられる」ってことでもあるわけか…。

てんし

うん、だから「最低限でも毎年一回は開く」と
シンプルにそれだけが書かれている今の第52条は、
意外と大事なストッパーなんだよ。

あくま

ふむ…
最初は「年1回なんて少なっ!」って思ったけど、
それがなかったら「ゼロ(無開催)だってありえたのか。
だったら、たしかに書いておく価値はあるな。

てんし

そうそう!
「たった年1回」と思うか、
「せめて年1回は必ず」と考えるかで、
憲法の意味は全然変わってくるよね。
ルールって、「最低限」を定めることが大事なんだ。

まとめ

第52条の「国会は毎年1回は開かなきゃいけない」っていうルール。
最初は「え、それだけ?」って思った方もいたかもしれません。

でも、天使と悪魔の会話を通してわかったように、

この「たった一行の約束」が、
実は国会のあり方や民主主義の土台を守る大切な役割を持っているんです。
こうやってルールをしっかり決めておかないと、誰かが都合よく変えてしまうかもしれないから。

だからこそ、「毎年、国会をちゃんと開こう」というこの一文は、
「国民の声を届ける機会を絶対に失わせない」という意思のあらわれなんですね。

小さな決まりごとのようでいて、
実はとても大事な「最低限のルール」が、
僕たちの暮らしの安心につながっているってことなんだ。

最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたの応援が力になります。 OFUSEで応援を送る
  • URLをコピーしました!