
「ピンポーン!警察です。ちょっと中を見せてもらえますか?」
…って言われたら、あなたはどうする?
たとえ相手が警察でも、「はいどうぞ!」って簡単に家に入れてしまうのは、実は危ないことだよ。
もしかしたら、「悪いことしてないし、別に見られても平気だよ」って思うかもしれないね。
でもね、本当に大事なのは「何もしてない人が、勝手に家に踏み込まれない権利」なんだ。
そう、こういうのもちゃんと憲法で決められているんだよ。
これについて詳しいことは天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第35条【侵入、捜索及び押収の制約】
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する格別の令状により、これを行ふ。



悪魔くん、今日は日本国憲法第35条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



とにかくだ、警察とかが勝手に踏み込んで調べたり持ってったりすんなってことだ。誰の家だろうと、書類や持ち物だろうと、なんだってだ。
あ、でも逮捕のための令状が出てるときは別だ(第33条)
それ以外のときは、ちゃんと
「ここを捜索します」
「これを押収します」
って書いた令状が必要なんだとさ。
しかも、その令状ってのは、裁判官ってやつが正式に出したもんじゃなきゃダメらしいぜ。
ようするに、国のヤツらでも、令状がなきゃ他人の家にズカズカ入るなってことだな。



うんうん、いいね!



いちいち令状だなんだってのを待ってたら
悪いやつ逃げちまうだろ。
めんどくせぇ。



うん、たしかに「もっとさっさとやれよ」感じるかもしれないね。
でもね「たとえ警察だろうと、家の中に勝手に入ることはできない」っていう安心感は、すっごく大切なんだ。



安心感だぁ?
そんなもんよりさ、悪いやつ捕まえる方が大事じゃね?
そっちのが本当の安心感だろ?
それに、昔の日本じゃ、警察がガンガン踏み込んでたじゃないか。
そっちの方が国家として強そうじゃん?



たしかに昔の日本、というか今の憲法ができるまではそうだったね。
警察や憲兵が、令状もなしに家の中を勝手に調べて、人を連れて行くこともあったよ。
でもね、悪魔くん。
それって、本当に「悪い人」だけを捕まえてたと思う?
むしろ、政府に都合の悪い人まで、冤罪で捕まえる口実にもなっていたんだよ。



……冤罪って、やってもいないのに捕まっちまうやつだっけ?
そりゃだめだ!
でも、現行犯とかならすぐ行動した方が良くないか?



そのとおり!
だからこそ、この第35条では「例外」もちゃんと認めてるんだ。
たとえば――
現行犯で逃げ込んだ場合
→ 令状なしでも踏み込める(あとで出してもらう必要あり)
逮捕令状が出ている人を捕まえるとき
→ 同時に家宅捜索ができる場合もある
っていうふうにね。



そいうなのか。ちゃんと、必要に応じては逮捕を優先できるんだな。
……けどさ、それにしても令状とか裁判官の判断とか、国のやつら信用できんのか?



そう思う気持ちもわかるよ。
でもね、一応はちゃんと「警察の判断だけでは動けない(逮捕したり家に勝手に入ったりできない)」ようにしている。
裁判官っていう第三者をはさんで、その逮捕や家宅捜索は本当に正当な理由があるのか?を判断する仕組みにしたんだ。
こうやって段階を踏ませることが、国家権力の暴走を防ぐためのストッパーになるんだ。



そこに政治家は介入できないようにはなっている、んだよ、一応。
…あとはもう、警察や裁判官のそれぞれの良心を信じていくしかないね。



つまり、国家が勝手に人の生活を壊すことがないように、わざと手続きを増やしてるってわけか。



そして国の暴走を防ぐってことは、
今の憲法はやっぱり俺たち国民を守るためにあるんだな。



そう!
憲法は国を縛るものだからね!(第99条)
この視点は大切なんだよ、本当に。
まとめ
憲法第35条は、難しい言葉で書かれているかもしれないけれど、
言っていることはすごくシンプル。
「どんなに偉い人でも、勝手に人の家に入ってはいけない」
「家の中を調べるなら、ちゃんと理由と手続きを踏まなきゃダメ」
これって、冷静に考えたらすごく当たり前のことですよね。
でも、この「当たり前」をしっかりルールとして残したのが憲法のすごいところ。



もしこのルールがなかったらどうなるか…想像してみて。
警察や権力のある人に「怪しい」と思われただけで、家に上がりこまれる。持ち物やSNSとかを荒らされて調べられる。
そっちが当たり前な世の中だったら、安心して暮らせないよね。
そう考えると、今の憲法ってさ、日常の中では気づきにくいけれど、僕たちの当たり前な自由を静かに守ってくれていると思わない?
そういうことも少しでも知ってくれたら嬉しいな!

