【日本国憲法第35条の解説】警察であろうと勝手に他人の家の中に入る権利はない

日本国憲法第35条

こちらは日本国憲法第35条の解説記事です。

この第35条が伝えたいポイントというのは……

私たちの私生活・私空間の土台である「住居等」を、国家権力から守るための条文です。
国家権力であろうと、勝手に、他人の家の中に入り込んだり、
家の中や持ち物等を探したり取り上げたりすることはできません。
事前に必ず令状を裁判官からとる必要があります。

私たちの私生活・私空間の土台である「住居等」を、国家権力から守るための条文です。
国家権力であろうと、勝手に、他人の家の中に入り込んだり、家の中や持ち物等を探したり取り上げたりすることはできません。事前に必ず令状を裁判官からとる必要があります。

具体的にはどういうことなのか?

そして、自民党が推し進めようとしている改憲草案の中身は?
その問題点とは?そういった解説・考察をしています。

ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです!

目次

日本国憲法第35条【侵入、捜索及び押収の制約】

意訳

令状がない限り、相手が誰であろうと、勝手に家の中に入りこんだり、
家の中を探したり取り上げたりするようなことは絶対にしてはならない。
なお、令状には捜索場所や押収物が明記されていなければならない。

ただし、第33条に基づく正式な逮捕に伴う捜索、または現行犯に関してはこの条文は適用されない。

令状がない限り、相手が誰であろうと、勝手に家の中に入りこんだり、家の中を探したり取り上げたりするようなことは絶対にしてはならない。なお、令状には捜索場所や押収物が明記されていなければならない。

ただし、第33条に基づく正式な逮捕に伴う捜索、または現行犯に関してはこの条文は適用されない。

原文

何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

2
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する格別の令状により、これを行ふ。

日本国憲法第35条を更に深堀してみよう

要点①:住居の権利の保障

自分達の住まいは、完全にプライベートな空間です。
この空間を、国家権力の横暴によって不当に侵されることのないように定められた条文です。

独立した司法権である裁判官による令状がない限り、
相手が誰であろうと勝手に住居にあがりこみ、家の中を調べまわったり持ち帰ったりすることはできません。

つまり、ドラマで見るような「家宅捜索」の際は、必ず令状が必要だということです。

なお、その令状には日時、住所、捜索内容や物等が明記されている必要があります。

自分達の住まいは、完全にプライベートな空間です。この空間を、国家権力の横暴によって不当に侵されることのないように定められた条文です。

独立した司法権である裁判官による令状がない限り、相手が誰であろうと勝手に住居にあがりこみ、家の中を調べまわったり持ち帰ったりすることはできません。

つまり、ドラマで見るような「家宅捜索」の際は、必ず令状が必要だということです。なお、その令状には日時、住所、捜索内容や物等が明記されている必要があります。

要点②:第33条に基づく逮捕に伴う侵入・捜索・押収は例外

第33条では、逮捕の際は令状が必要だということが書かれてます。

この「令状によって逮捕が確定である」、
言い換えれば「逮捕のための令状はとってある」状態の場合、
この第35条に従って家宅捜索のための令状を、別途用意する…という必要はありません。
そのまま家宅捜索に踏み込むことができます。

また、現行犯の場合も同様です。
現行犯を追いかけていて、犯人が家に逃げ込んだ場合にも令状なしに踏み込むことができます。
※勿論、第33条に従って、逮捕後速やかに令状を取る必要あり

第33条では、逮捕の際は令状が必要だということが書かれてます。

この「令状によって逮捕が確定である」、言い換えれば「逮捕のための令状はとってある」状態の場合、この第35条に従って家宅捜索のための令状を、別途用意する…という必要はありません。そのまま家宅捜索に踏み込むことができます。

また、現行犯の場合も同様です。現行犯を追いかけていて、犯人が家に逃げ込んだ場合にも令状なしに踏み込むことができます。
※勿論、第33条に従って、逮捕後速やかに令状を取る必要あり

この第35条の改憲草案はどんな内容?

特に変更はありません。

後記

刑事ドラマでよく見るような台詞、

「家宅捜索だと?令状はとったのか?!」
「家の中を調べたければ、令状を持ってきてください」

等々。
これはこの第35条によるものだということがわかりましたね!

また、現行犯を追いかけている場合、
家の中に逃げ込まれた時に警察もそのまま家の中に入っていますが、
それが可能な理由も、この第35条にて書かれていました。

このようにして、不当に逮捕されない権利も私たちは持っています。
そしてこれほどまでに、国家権力は憲法によってがんじがらめにされているのです。

第99条にて、国家権力は憲法を尊重すべきだと明記されていますしね。

刑事ドラマでよく見るような台詞、

「家宅捜索だと?令状はとったのか?!」
「家の中を調べたければ、令状を持ってきてください」

等々。これはこの第35条によるものだということがわかりましたね!

また、現行犯を追いかけている場合、家の中に逃げ込まれた時に警察もそのまま家の中に入っていますが、それが可能な理由も、この第35条にて書かれていました。

このようにして、不当に逮捕されない権利も私たちは持っています。そしてこれほどまでに、国家権力は憲法によってがんじがらめにされているのです。

第99条にて、国家権力は憲法を尊重すべきだと明記されていますしね。

この第35条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。
(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

この第35条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

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