【日本国憲法第4条の解説】天皇の権能と権能行使の委任

日本国憲法第4条では、天皇は憲法で定められている範囲でしか政治に関わることができない、ということが書かれています。
では具体的に見ていきましょう。

目次

条文:第4条【天皇の権能と権能行使の委任】

天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する機能を有しない。


天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第4条の解説

天皇は、この憲法にて定められていること以外は、国の政治には関わることはできない。

2 天皇は、法律の定めがあれば、誰かに仕事を任せることもできる。

■要点:旧憲法(大日本帝国憲法)との違い

まずは旧憲法、つまり大日本帝国憲法では、政治面において天皇はどのように書かれていたか見てみましょう。

第4条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ

総攬(そうらん)の意味は、「統合して一手に掌握すること」。
統治権とは、国家を治める権利のことです。

つまり、国の政治はすべて天皇の力・意見によって行われる、と規定されていたのです。

そこには、国民の意見を聞くという要素は全くありませんでした。
そして、政治家や軍人等天皇に近い地位にいた人たちが、「天皇の命令だ」「天皇のお考えである」と天皇の名を借りてしまったのです。それも悪い方向に。

現憲法では、この反省もふまえ、天皇は政治的なことに対して一切口出しができないように定められています。民主主義のために。

自民党による憲法改正草案との比較:草案第5条

天皇は、この憲法に定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

■変更点

現憲法「この憲法の定める国事に関する行為のみ」の「のみ」が削除されました。

現憲法の第2項については、改正草案第6条へ組み込まれました。
この第6条では「国事に関する行為」について詳細が述べられています。これは6条の方にて解説しています。

⇒第6条の解説記事へ

■問題点

「のみ」を削除した理由について自民党は説明していません。
ですが、天皇の権力を高めようという思惑から来たものであることには間違いないでしょうね。

まとめ

民主主義のためには、天皇に口出しさせないこと。
この第4条の目的はそこに尽きるのではないでしょうか。

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