【憲法第65条の解説】行政権は、内閣に属する

日本国憲法第65条 行政権の帰属

こんにちは、ぴくとです!
ここは、日本国憲法に対する理解が少しでも深まるよう、あえて1条ずつ解説してみるというサイトです。よかったら最後までお付き合い下さいね!

今回は憲法第65条です。
では、見ていきましょう!

目次

条文:第65条【行政権の帰属】

行政権は、内閣に属する。

第65条の解説

政治を行う権利は内閣にある

このように書くと、内閣に絶対的な力(行政権)が付与されているように感じとれてしまいますが、実際は「消極的な定義」だと言われています。

というのも、元々「三権分立」の目的は、国王のような権力者から、立法権・司法権を奪い取り、それぞれ独立させることでした。そう、国王が独裁政治を行うことができないよう、立法権・司法権を奪った結果、残ったのが行政権である、ということです。

この言い方は、裏を返せば「国王のような権力者に、行政権を集中させるためにそうしたわけではない」ということなんですね。

憲法改正草案との比較:第65条

行政権は、この憲法に特別の定めのある場合を除き、内閣に属する。

■「この憲法に特別の定めのある場合を除き」とは?

内閣総理大臣の「専権事項」として、次に掲げる 3 つの権限を設けたことに伴うものです。

① 行政各部の指揮監督・総合調整権(72 条 1 項)
② 国防軍の最高指揮権(9 条の 2 第 1 項、72 条 3 項)
③ 衆議院の解散の決定権(54 条 1 項)

以上の 3 つの権限は、総理一人に属する権限であり、行政権が合議体としての内閣に属することの例外となるものです。なお、現行憲法下においても、例えば次のような権限などは、広い意味での「行政作用」に含まれる権限ではありますが、憲法上、明文規定をもって内閣以外の機関が行うこととされており、これについても、本条の「この憲法に特別の定めのある場合」に該当することになります。

④ 会計検査院による決算についての検査(90 条 1 項)
⑤ 地方自治体の地方行政に係る権限(第 8 章・地方自治)

(日本国憲法改正草案Q&A増補版より引用)

■改正草案の目的とは

内閣総理大臣の「専権事項」とありますね。つまり、自民党は「内閣総理大臣の権限の強化」も、憲法改正の目的のひとつとしています。

もっとわかりやすくいえば、行政権のうえに内閣総理大臣の執政権を置きたい、ということでしょう。(内閣総理大臣が、内閣を統括し、行政を管理するという形にしたい)

憲法の目指す「国民主権」からはより遠い政治となってしまいますので、やはりこれもかなり危険な改正案だと思います。

解説のまとめ

行政権は内閣にある。しかし、それは内閣に強力な行政権を与えるという意味ではなく、むしろ内閣から司法権・立法権を奪い、残ったのが行政権だという消極的定義によるものなので、「内閣には強い力がある」というニュアンスとはまた違うと思われる

改正草案では、行政権の上に「内閣総理大臣による執政権」を設けようとしており、それは独裁政治の始まりとなります。現憲法はあくまでも「国民主権」を謳っているのだということを、そのための三権分立でもあるのだということを改めて忘れないようにしないといけませんね。

今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

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