【日本国憲法第65条の解説】行政権は、内閣に属する

日本国憲法第65条 行政権の帰属

こちらは日本国憲法第65条の解説記事です。

この第65条が伝えたいポイントというのは……

民主主義を目指した憲法であるため、権力を分散させました。

・立法権(法律を作る権力)は国会
・司法権(人を裁く権力)は裁判所

そして、残ったものが行政権であり内閣だったという
「消極的な定義」でできた条文だと言われています。
つまり、内閣に絶対的な権力を与えます、という意味ではないのです。

民主主義を目指した憲法であるため、権力を分散させました。

・立法権(法律を作る権力)は国会
・司法権(人を裁く権力)は裁判所

そして、残ったものが行政権であり内閣だったという「消極的な定義」でできた条文だと言われています。つまり、内閣に絶対的な権力を与えます、という意味ではないのです。

具体的にはどういうことなのか?

そして、自民党が推し進めようとしている改憲草案の中身は?
その問題点とは?そういった解説・考察をしています。

ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです!

目次

日本国憲法第65条【行政権の帰属】

意訳

実際に政治を行う権利(権力)は内閣が持つ。

実際に政治を行う権利(権力)は内閣が持つ。

原文

行政権は、内閣に属する。

日本国憲法第65条を更に深堀してみよう

要点:行政権は「消極的な定義」だと言われている

この第65条の条文だけを読むと、内閣に絶対的な力(行政権)が付与されているように感じとれますが、
実際は消極的な定義だと言われています。

というのも、元々「三権分立」の目的は、
国王のような権力者から、立法権・司法権を奪い取り、それぞれ独立させることでした。

そう、国王が独裁政治を行うことができないよう、
立法権・司法権を奪った結果、残ったのが行政権である、ということです。

更にいうなれば、

「国王のような権力者に、行政権を集中させるためのものではない」

ということなんですね。

この第65条の条文だけを読むと、内閣に絶対的な力(行政権)が付与されているように感じとれますが、実際は消極的な定義だと言われています。

というのも、元々「三権分立」の目的は、国王のような権力者から、立法権・司法権を奪い取り、それぞれ独立させることでした。

そう、国王が独裁政治を行うことができないよう、立法権・司法権を奪った結果、残ったのが行政権である、ということです。

更にいうなれば、

「国王のような権力者に、行政権を集中させるためのものではない」

ということなんですね。

この第65条の改憲草案はどんな内容?

自民党はこの第65条をどのように改憲しようとしているのでしょうか。
そして、その問題点とは?
簡単にいうと、以下の通りです。

何をどう変えようとしている?

内閣総理大臣の権限を強化しようとしています。

問題点は?

内閣総理大臣を内閣の上に置くことで、内閣総理大臣の独断で政治を動かすことが可能になってしまいます。
これは、現憲法が目指している「国民主権」「民主主義」からほど遠い改正案です。

改憲草案の原文を紹介します。そして具体的に考察もしてみました

改憲草案原文:第65条

※赤文字が変更箇所です。

(内閣と行政権)
行政権は、この憲法に特別の定めのある場合を除き、内閣に属する。

(内閣と行政権)
行政権は、この憲法に特別の定めのある場合を除き、内閣に属する。

自民党による言い分

草案65 条で「この憲法に特別の定めのある場合を除き」としたのは、
草案において、内閣総理大臣の「専権事項」として、次に掲げる3 つの権限を設けたことに伴うものです。

① 行政各部の指揮監督・総合調整権(72 条 1 項)
② 国防軍の最高指揮権(9 条の 2 第 1 項、72 条 3 項)
③ 衆議院の解散の決定権(54 条 1 項)

以上の 3 つの権限は、総理一人に属する権限であり、
行政権が合議体としての内閣に属することの例外となるものです。
なお、現行憲法下においても、例えば次のような権限などは、
広い意味での「行政作用」に含まれる権限ではありますが、
憲法上、明文規定をもって内閣以外の機関が行うこととされており、
これについても、本条の「この憲法に特別の定めのある場合」に該当することになります。

④ 会計検査院による決算についての検査(90 条 1 項)
⑤ 地方自治体の地方行政に係る権限(第 8 章・地方自治)

(日本国憲法改正草案Q&A増補版より引用)

草案65 条で「この憲法に特別の定めのある場合を除き」としたのは、草案において、内閣総理大臣の「専権事項」として、次に掲げる3 つの権限を設けたことに伴うものです。

① 行政各部の指揮監督・総合調整権(72 条 1 項)
② 国防軍の最高指揮権(9 条の 2 第 1 項、72 条 3 項)
③ 衆議院の解散の決定権(54 条 1 項)

以上の 3 つの権限は、総理一人に属する権限であり、行政権が合議体としての内閣に属することの例外となるものです。
なお、現行憲法下においても、例えば次のような権限などは、広い意味での「行政作用」に含まれる権限ではありますが、憲法上、明文規定をもって内閣以外の機関が行うこととされており、これについても、本条の「この憲法に特別の定めのある場合」に該当することになります。

④ 会計検査院による決算についての検査(90 条 1 項)
⑤ 地方自治体の地方行政に係る権限(第 8 章・地方自治)

(日本国憲法改正草案Q&A増補版より引用)

改憲草案の問題点:内閣総理大臣の「専権事項」

内閣総理大臣の「専権事項」とありますね。

つまり、自民党は「内閣総理大臣の権限の強化」も憲法改正の目的のひとつとしています。

もっとわかりやすくいえば、行政権のうえに内閣総理大臣の執政権を置きたい、ということでしょう。
(内閣総理大臣が内閣を統括し、行政を管理するという形にしたい)

憲法の目指す「国民主権」からはより遠い政治となってしまいますので、
やはりこれもかなり危険な改正案だと思わざるを得ません。

内閣総理大臣の「専権事項」とありますね。

つまり、自民党は「内閣総理大臣の権限の強化」も憲法改正の目的のひとつとしています。

もっとわかりやすくいえば、行政権のうえに内閣総理大臣の執政権を置きたい、ということでしょう。(内閣総理大臣が内閣を統括し、行政を管理するという形にしたい)

憲法の目指す「国民主権」からはより遠い政治となってしまいますので、やはりこれもかなり危険な改正案だと思わざるを得ません。

現憲法をもう一度読む

行政権は、内閣に属する。

後記

行政権。それは三権分立のひとつです。

内閣に「あなたたちに行政権をお任せしますよ」というよりは、
「内閣から司法権・立法権を奪います。あなたたちができるのは行政権のみです」
というニュアンスのようです。

かつ、国会の承認を必要とする事項も憲法にていくつか定められています。
つまり、内閣はもちろんのこと、内閣総理大臣に特別強力な権力がある、というわけではないんですね。

そういったことを、自民党改憲草案ではなし崩しにしようとしています。

行政権。それは三権分立のひとつです。

内閣に「あなたたちに行政権をお任せしますよ」というよりは、「内閣から司法権・立法権を奪います。あなたたちができるのは行政権のみです」というニュアンスのようです。

かつ、国会の承認を必要とする事項も憲法にていくつか定められています。つまり、内閣はもちろんのこと、内閣総理大臣に特別強力な権力がある、というわけではないんですね。

そういったことを、自民党改憲草案ではなし崩しにしようとしています。

この第65条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。
(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

この第条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

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