【日本国憲法第69条の解説】不信任決議と解散又は総辞職について

日本国憲法第69条は内閣の終わらせ方について規定されています。
では具体的に見ていきましょう。

目次

条文:第69条【不信任決議と解散又は総辞職】

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

第69条の解説

  • 不信任決議が可決されたとき
  • 信任決議が否決されたとき

上記の事が衆議院内で起こった場合、内閣は10日以内に衆議院を解散させるか、総辞職しなければならない。

■要点①:不信任決議、そして信任決議とは

議院内閣制である日本は、内閣と国会の連帯が重要ですので、内閣は国会に信用されていなければなりません。

不信任決議とは

国会が内閣に対して「信用するに値しない、連携して政治を行うことはできない」と表明し、決議を採ることです。
内閣は国会と連携して政治を行わなければなりませんから、国会から信用されない・内閣とは連携できないと言われてしまい、それが「可決」されたら、内閣を続けることはできません。

信任決議とは

こちらは、「内閣は信任するに値するか。信じて、連携して政治を行うにふさわしい内閣か?」を問う決議です。
なので、「否決」されたということは信任するに値しないということなので、こちらも内閣を続けることはできません。
こちらはめったに出されることはありません。何もしなければ内閣は続きますから。

「こんなに信任されているんだ」と見せつけるためにわざわざ信任を可決させたかったのに、万が一否決されてしまったら大変ですし。

■要点②:解散と総辞職の違い

不信任決議が可決、もしくは信任決議が否決されたときは、内閣は解散か総辞職をしなければなりません。
この両者の違いは以下の通りです。

解散とは

内閣が

「私は間違っていない。衆議院の方がおかしい。どちらの方が正しいか、国民に聞いてみようじゃないか!!」と強気モードでいる時は、解散して総選挙を行います。

ちなみに、この「解散」という対抗措置がないと、衆議院が好き勝手に内閣不信任案を出せるような状態になってしまうので、このカードは大切なものです。

なので、野党がこの「内閣不信任案」を提出するのは、解散して総選挙をおこなえば自分たちが勝てるだろうと踏んだ時でもあります。

総辞職とは

総選挙してもたぶん負ける……下手したら今よりも議席数減らすかもしれない……と自信喪失したり、「確かに不信任決議が可決されても仕方ない」と反省した場合は、総辞職となります。

これは「内閣だけの辞職」なので、選挙のやり直しはありません。

■要点③:参議院も一応不信任決議を出せる

実は、参議院も一応内閣不信任案を提出し、決議を採ることはできます。
ですが、これはこの条文でも「衆議院」と明記されているように、衆議院優越のものなので法的拘束力はありません。

つまり、参議院で可決されたとしても、内閣が総辞職もしくは解散する必要はないんですね。ですが、世間に対しては、「それだけ内閣は信用ならないんだ」という強いアピールにはなります。

実際、過去には「内閣に対する」というよりは「総理大臣または国務大臣といった個人に対する問責決議」はあったようです。こちらも法的拘束力はないのですが、世論に対しては強い効果を持ちます。

自民党による憲法改正草案との比較:草案第69条

内閣は、衆議院が不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

まとめ

衆議院が不信任決議案を出すか出さないか……というのは、世論を読みながら行っているものです。解散させられて、また野党が負けたら同じことになってしまいますから。

また、与党の方が人数が多いため、実際の不信任決議は否決されてしまうことの方が多いのですが、それでも過去に数回可決されたことがあります。こちらも別途解説記事を作ってみようと思います!

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