
「憲法」って聞くと、なんだか難しそうって思うよね?
でも実は、僕たちの生活にめちゃくちゃ関係あるんだ。
たとえば、学校で自由に発言できること、好きな服を着られること、勝手に家に入られないことetc…
これ、ぜーんぶ憲法が守ってくれてるんだよ!
今回は、その中でも 「基本的人権」 についてお話しするよ。
もし、これがなかったら、みんなの自由や平等なんてなかったかも…?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第11条【基本的人権】
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
※享有(きょうゆう)……生まれながらにして持っていること



悪魔くん、今日は日本国憲法第11条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



国民は、生まれつき大事な権利を持ってるし、それを邪魔しちゃダメだぞ!
この権利は、めっちゃ大切でずっと守られるべきものだから、未来の人たちにもちゃんと残していくぞ!



うんうん、いいね!



難しい言葉が多いけど、ざっくり言えば『オレらの大事な権利は、ずーっと守られるべき!』ってことだな?



うん、そうだよ!



うーん、この「基本的人権」ってやつ、そんなに大事なのか?
どうせ政府が俺たちにくれるものなんだろ?



悪魔くん、それは違うよ!



基本的人権はね、生まれながらにして持っている権利のことなんだよ。
誰かに与えられるものじゃなくて、人間なら誰でも持ってるものなんだ



でもよぉ、政府が国を守るためには、人権なんて都合よく制限した方がよくねえか?



それはとんでもない考え方だよ!



もし政府が
「この人の人権は守るけど、この人のは守らなくていい」
って勝手に決められるとしたら、どうなると思う?



そりゃあ……気に入らないヤツの権利をなしにしちまうとか?



え、ちょっと待てよ……それって、めちゃくちゃヤバくね?



そう!
だからこそ 『基本的人権は永久に守られる』 って憲法で決めてるんだよ。
国が勝手に人権を奪うことができたら、それはもう独裁政治になっちゃうでしょ?



でもよぉ、戦争とか緊急事態のときはどうすんだ?
国を守るために、人権をちょっとくらい制限するのはアリなんじゃねえの?



もちろん、災害とか戦争のときに一時的な制限が必要なこともあるかもしれない。
でも、それを理由に政府が『人権なんて無視していい』ってことにはならないんだよ。



例えば災害の時にさ「お前に人権はない、神様のために人柱になってくれ」「女に人権はない、裸になって男を慰めろ」とかさ、そうなってもいいの?
これは昔本当にあったことだからね?
「人権の有無を政府が決める」「無視してもいい」って、本当にとんでもないことなんだよ



……それは嫌だな…



ところで、その『基本的人権』って具体的には何があるんだ?



えっと、例えばね、



自由権(言論・宗教・集会の自由、身体の自由など)
平等権(性別や身分で差別されない)
社会権(健康で文化的な生活を送る権利)
参政権(国民が主権者として関与していく権利。選挙権など)
請求権(損なわれた権利を回復させる権利。裁判を受ける権利など)



こんな感じだよ。
日本国憲法の他の条文の部分とかを大きく分けると、この5つってとこかな



ふーん。でも、こういう権利があるって書いてるだけじゃねえか。本当に守られるのか?



だからこそ、憲法があるんだよ。
憲法は、国家権力を縛るルールでもあるんだ。(第99条)
つまり、『政府は好き勝手に国民の権利を奪えない』ってこと。



へえ……でも、自民党が改憲しようとしてるんだろ? 何が変わるんだ?



そうなんだよ。
じゃあ、次は改憲案と比べてみようか。
自民党改憲草案の第11条の変更点とは?



えっとね、
1つ目。「享有を妨げられない」が削除されたんだ。
2つ目。「現在及び将来の国民に与へられる」も削除されているよ。



国民は、全ての基本的人権を享有する。(享有を妨げられない)
この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。(永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる)。



おっ、ちょっと変わっただけじゃねえか。何が問題なんだ?



ちょっとだけ、に感じるかもしれないけど、意味は大きく変わってしまうんだよ



1つ目の『享有を妨げられない』 → 『享有する』に変わったことで、『(政府は)状況によっては妨げてもいい』という解釈ができるようになるんだ。



2つ目の変更、『現在及び将来の国民に与へられる』が削除されると、人権が未来の人にも保障されるとは限らなくなるってこと。



つまり、政府の都合で人権を制限できるようになるってことだよ!



それは…「ちょっと」どころじゃないな…危険なニオイがするぜ



そう、だから今の憲法を国民がきちんと理解していかないと、いつの間にか大事な権利が奪われかねないってこと



みくびっていたぜ
やっぱり今の憲法って大事なんだなぁ
まとめ
憲法第11条は
『人間なら誰でも、生まれながらに持っている権利を、これからもずっと守り続けるよ!』
っていう、大事な約束の条文です。
つまり、政府が勝手に『この人の人権はナシ!』なんてことはできないってことですね。
でも、もしこの条文が改憲されたら、
その時の政府の都合で人権が制限される可能性が出てくるかもしれませんよ…



こういう話を聞くと、『憲法って難しそう』とか『政治の話はよくわからない』って思うかもしれない。
でも、憲法って、実はみんなの生活と直結しているものなんだ。
だって、もし『自由にものを言う権利』や『平等に扱われる権利』がなかったら、大変でしょ?
だからこそ、憲法を知ることは 『自分の権利を守ること』 につながるんだよね。

