
たとえばだけど、
部活で「野球部」と「吹奏楽部」を同時にやるとしたら?
会社で、大企業なのに「人事」と「経理」を同時にやるとしたら?
片方は試合に向けて練習、もう片方は演奏会に向けてリハーサル。
会社でもそう。
人事の社会保険や給料支払い、はたまたは採用の仕事。
その傍らで経理処理もしっかりやらなきゃいけない…
どっちにもちゃんと参加するのは、かなり大変だよね。
国会議員にも同じことが言えるんだ。
日本の国会には「衆議院」と「参議院」という2つの議院があるけど、
両方に違う役割がある。
それぞれの大切な役割にちゃんと集中してもらうために
「兼ねるのは禁止」と、憲法できちんと決められている。
そんな当たり前のようなことについても
天使くんと悪魔くんが話してくれているから、
是非最後まで読んでいってね!
第48条【両議院議員相互兼職の禁止】
何人も、同時に両議院の議員たることはできない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第48条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



衆議院と参議院、両方の議員を同時にやるのは禁止ってことだ。
片方だけにしとけって話だな。



うんうん、いいね!



なあ天使、なんでいちいち
「衆議院と参議院を同時にやっちゃダメ」
なんて決まりまで憲法にあるんだ?
そんなの当たり前じゃねぇか。



たしかに今の感覚だと「当然でしょ?」って思うよね。
でもね、憲法を作った当時は
「国会がちゃんと機能するように」
ってことを本気で考えて、
こういう細かいルールまでしっかり書いておいたんだ。



でもさ、両方やれるなら効率よくね?
片方が休みのときにもう片方の仕事すればいいじゃん。



うーん、議員ってそんな
「掛け持ちバイト」みたいなもんじゃないんだよ。
衆議院と参議院はそれぞれ違う役割と性格を持ってるから、
それに集中してほしいって考えなんだ。



へ、違う?
どっちも国会議員じゃん。



ふむぅ…
でも両方の立場から物言えたほうが、
視野も広がるんじゃねぇの?



理屈としてはそうかもしれないね。
でもね、二院制っていうのは
「違う立場の視点をぶつけ合ってバランスをとる仕組み」なんだ。
もし同じ人が両方にいたら、
片方がもう一方をチェックする意味がなくなっちゃうでしょ?



ああ、なるほど。
「監視役」同士がグルになったら意味ねぇな。



そういうこと。
だから、衆議院と参議院はそれぞれ独立してる必要があるんだ。
で、もしすでに議員になっている人が
「やっぱりもう一方の議員になりたい」と思ったら、
今いるほうは辞職しなきゃいけないってことも法律で決まってるよ。



おお、そこまでちゃんと決めてあるのか。



ついでに聞くけどさ、
「議員と大臣の兼任」はアリなんだよな?



うん、それは認められてるよ。
憲法66条で「国務大臣は国会議員から選ばれてもいい」ってあるんだ。
こっちは国の行政を動かすために、
議員から大臣を選んだ方がスムーズだからだよ。



なるほどな…。
じゃあ第48条ってのは、
「効率」より「役割分担」を優先したってことか。



その通り!
二つの議院が別々の目線で物事を見ること。
それが暴走を防ぎ、国会を健全に保つという理想に近づくんだ。
だから、このルールもただの形式じゃなくて、
ちゃんと意味があるんだ。



ふーん…地味だけど、意外と大事な条文だったんだなぁ。



ふふ、憲法ってちゃんと考えられているでしょ?
まとめ
衆議院と参議院を同時に務めてはいけない。
一見すると「そりゃそうだろ」と思うようなことが、
憲法にしっかり書かれているのはちょっと意外だったかもしれませんね。
でも、それにはちゃんと意味があるんです。
違う役割をもつ2つの議院がそれぞれ独立してしっかり仕事をすることで、
国会全体のバランスが保たれています。



もし同じ人が両方にいたら、
チェック機能も機能しなくなっちゃうからね。
特に「参議院」が良識の府じゃいられなくなるかもしれないね。

