
仕事をしていると、
「この件、ちゃんと会議で話し合いたいな」
って思うこと、あるよね。
でも、上司が「今は忙しいから」とか
「必要ないでしょ」って言って、
会議が開かれないこともある……。
そういうとき、部署のメンバーの何人かが
「いや、さすがにこれは会議開くべきでしょ」
って声を上げたら、上司だって動かざるを得ないかも。
実はね、
国の政治にも、これと似ている仕組みがあるんだ。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第53条【臨時会】
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。



悪魔くん、今日は日本国憲法第53条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



政府(内閣)が「やるか」って思えば、
国会を開くことができるってことだな。
あとな、
どっちかの議院(衆議院か参議院)で、
議員の4分の1以上が「開け」って言ったら、
政府は文句言わずに国会を開かなきゃいけねぇって話だ。



うんうん、いいね!



なーんか、政治家同士のゴタゴタ用ルールって感じで、
ピンとこねぇな。



「ゴタゴタ用ルール」って言うには、ちょっともったいないなぁ。
この条文もさ、実はすごく大事な「非常時のブレーキ」みたいな
役割を果たしているんだよ。



非常時のブレーキ?
なんだよそれ。
「通常国会」てものを毎年開いてるんだろ?(第52条)
そこからまた「臨時」ってつけて開く意味あるのかよ。



いい質問だね!
確かに毎年必ず国会を開いているよ。
でもね、たとえば、
通常国会が終わった直後に大きな地震が起きたり、
感染症が広がったりとかさ、
そういう国の大事な問題が急に出てきたりしたらどうする?



それ以外にもさ、
通常国会は終わっちゃったけど、
やっぱりこの話(予算や法律)は次回に持ち越すじゃなくて
「今」、もっとちゃんと議論すべきでは?ってのもあるよね。



そのときに「すぐ話し合わなきゃ!」って思っても、
通常のルールだと、翌年まで待たなきゃいけなくなるじゃない?



ああ…まぁ確かにそうだな。
ってことはよ、臨時国会ってのは
いうなりゃ「緊急会議」ってわけか。



そのとおり!
しかもね、内閣側からだけじゃなくて、
「いずれかの議院の4分の1以上の議員が求めたら、
内閣は必ず国会を開かなきゃいけない」
ってのもあるというのがミソなんだ。
これって、少数派の声も無視されないようにするための仕組みなんだよ。



……でもさ、それって本当に守られてんのか?
「必ず」って言っても、無視されたらどうすんだよ。
俺、昔ニュースで
「野党が臨時国会を求めたのに政府が開かなかった」
っての見た気がするぞ?



うっ……それは痛いとこ突くね。
確かに、2020年の安倍内閣や2021年の菅内閣は、
実際に野党からの臨時国会開催の要求をスルーしちゃったんだ。
これは明らかに憲法違反だよね。



はぁ?
憲法に書いてあんのに守られないのかよ。
それじゃ、絵に描いたモチじゃねーか。



……実はね、自民党は改憲草案で
「4分の1以上が要求したら、20日以内に開かなきゃダメ」
って、期限までちゃんと書き加えているんだよね…。
これはね、改憲草案の中では「まともな部分」って言われてるくらい
現実の問題を反映した修正なんだけど、ね……



へえ。それはまともなやつだな。
でもよ、それって
「自分たちで決めといて、自分たちで守らない」
って話じゃねぇの?
それじゃ意味ねーだろ。



……ほんと、そうだよね。
「国のルールを作る人たち」が、そのルールを無視してたら、
それは国民の信頼を失うよね。
だからこそ、僕ら市民も「このルールは大事」ってことを知って、
ちゃんと声を上げていかなきゃいけないんだ。



ふん。国民てぇのは忘れっぽいからな。
自民党に都合のいい奴らばかりだぜ。



まぁ、それはさておいても。
「少数派でも国会を動かせる仕組み」ってのは、
確かにあってもいいかもな。
「政府のやる気」次第で決まるようじゃ、危なっかしいわなぁ。



でしょ?
この条文があることで、少数派の声も政治に届きやすくなるし、
政府が暴走するのを防ぐことにもつながるんだ。
民主主義っていうのは、みんなの声で作る政治だからね。



あとはちゃんと、
マスコミや俺たちがどれだけ見張れるか、だろうな。



餅だらけにならないようにな!!!!
まとめ
この憲法第53条に書かれている「臨時国会を開くルール」は、ただのお飾りじゃありません。
もし災害が起きたり、新しい政策が必要になったりしたときに、
すぐに話し合いができるかどうか。
それを決める、大事なストッパーなんです。
そして何より、
「野党が一定数集まって“開け”と求めれば、政府は拒めない」。
これって、市民の声が政治に届く道がちゃんと用意されているってことなんですよね。
けれど、天使が言っていたように、
それを守るかどうかは、結局「権力を持つ側の姿勢」にかかっています。
憲法違反かどうかをすぐにチェックする機能が日本にはありませんし、
今はマスコミも指摘しなくなりましたから。



だからこそ、僕たち一人ひとりがこの条文の意味を知って、
「あれ、これって憲法違反じゃないの?」
と疑問を持つことがすごく大事なんだ。
憲法は「守られるべきルール」なんだ。
そして「守られているかどうか」を
僕たち自身がしっかりみていかなきゃいけないんだ。

