【わかりやすく】憲法第99条:憲法を守るべきは「国民」じゃないんだよ

憲法第99条をわかりやすくポイントだけ
あくま

そういえばさ、憲法ってみんなが守らないといけないんだよね?

ってことは、国民も守らないと意味ないじゃないか。

てんし

ちょ、ちょっと待って。

ああー、そう解釈させようとしているよね、一部の人たちは。

だけど違うんだよ

てんし

実はね、憲法第99条では「国民」に憲法を守れって言っていないんだよ。

憲法を守らなきゃいけないのは、天皇や政治家、公務員……といった、国家の権力を持つ人たちなんだ

あくま

なんだと?

じゃあ、国民は好き勝手し放題ってことか?
そんなんでいいのか?!

てんし

まさか!そういうわけじゃないよ。

国民が守らなきゃいけないのは「法律」なんだ。

てんし

で、その法律を作っているのが、国家の権力を持っている人たちじゃない?

だから、憲法は、その法律を作る側、つまり国家権力が暴走しないようにするための“ブレーキ”なんだ

あくま

ブレーキって…

国を縛るなんておかしいんじゃないか?国は強くあらねば!

国民なんて、黙らせて従わせておけばいいんだよ!

てんし

これはね、「立憲主義」っていう考え方なんだ。

憲法で国家権力を縛ることで、そこで初めて、国民の権利や自由を守ることができるようになるんだ。

 「国民に対してやってはいけないこと」
 「国民のためにやるべきこと」

が書かれているからね

あくま

いやぁ、それで大丈夫か?
日本の歴史を思い出せ。

昔の日本は、国民が一致団結してたから強い国だったんだぞ。
命もかけてたし、貧乏でも、食べるものがなくても、
好きなことができなくても、それでもよかったんだからな!

てんし

昔の日本も、確かに国民が協力する力は大きかったよね。

でもそのために国民の自由や権利が犠牲になったことも多かったんだ。
現在の憲法は、そういった過去の反省から「国民を守る」ためにできたんだよ

てんし

本当に、「国のせいで」貧乏になってるのに平気なのかな?

好きなことができなくなっても、ずっとずっとひもじい思いをしていても、それが本当に「国民にとってイイコト」なのかな?

ねえ、悪魔くんは、自分がそうなっても平気なの?

あくま

う……

あくま

で、でもよ、自民党が出した憲法改正案には、

「全ての国民は、この憲法を尊重しなければならない」

って書いてあるじゃないか。
国民はそれを受け入れようとしているんだろ?

てんし

そうなんだよ。ほんとに、そう書かれている。

自民党をはじめとするそっち側の権力者たちは、
「憲法の矛先を国民に向けたい」からね。

そうすれば、「お前は憲法を守らなかった」と国民を今以上に、はるかに簡単に罰することができるようになるからね

あくま

表立って堂々と国民を奴隷化できるもんな。
気に食わない奴らはすぐに捕まえられるし、な

てんし

憲法が変わったら、本当にそうなるだろうね。

悪魔くんだって決して例外じゃないよ

あくま

……

あくま

つまり、今の憲法は国民を守るために存在してるってことか。国民が、ちゃんと「息ができる」ようにするために。

でも、国が弱くなっては困るんだが…。

てんし

そうだね。

でもさ、悪魔くんのいう「強い国」って一体どういう意味なのかなぁ?

あくま

う……

あくま

お、オレの自由や権利もちゃんと守られて、
衣食住安心して生活できることを基本に……う……

てんし

うん、ぼくもそうだよ!

だからこそ、国家権力にブレーキをかけて、
国民の人権や自由を守りつつ、
国の秩序を保つためのルールとして憲法があるんだ。

だから、今の憲法はとても大切なんだよ

あくま

なんかわかってきたよ、今の憲法の大切さ

てんし

嬉しいなぁ

さて、最後に、99条の条文を悪魔くんに意訳してもらおうかな~

あくま

え?

よっしゃ、まかせとけ

あくま

『天皇や政治家とか裁判官とか、偉い人たちは、この憲法をちゃんと守り、大事にする義務がある』

あくま

改めて読んだけど、確かに「国民」という言葉はどこにもないな

てんし

ね?

国家権力が暴走して国民を傷つけないようにするための憲法だからなんだ。

だから、憲法の締めくくりとなるこの第99条で、「権力者への縛り」を明確にしたんだよ

あくま

なるほど…。

国民を守るために、偉い人たちがルールをちゃんと守れってことか。意外と理にかなってるな……

第99条【憲法尊重擁護の義務】
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

目次

まとめ

日本国憲法第99条は「国の権力を持つ人たちに憲法を守る義務を課している」ということ。

もっといえば「戦争や権力の乱用を繰り返さないためのルール」が憲法だってこと。

これによって、国家権力の暴走を防ぎ、国民の権利や自由を守ることができるようになったんですね。
つまり、この条文は憲法の目的そのものを表しているとも言える、
ということが伝わったでしょうか。

それが、もし、改憲されてこの条文の内容が変わると。
「憲法が国民を守るもの」という基本的な考え方がなくなってしまいます。

むしろ、憲法が「権力者がなにをやってもいい」というお墨付きを与えかねないことに……

そもそも「強い国」ってなんだろう?
権力者がなんでも思い通りにできて、戦争できる国のこと?

僕は、
外交で戦争を回避することができて。

万が一鎖国になったとしても、衣食住、医療福祉、教育、そういったことが何も困らないぐらいに充実した国になっていることだと思うな。
「日本」だけでも全てが得られるぐらいに。

そして、僕たち国民が、自分より不幸な人を増やして安心するような社会じゃなくて。

老若男女問わず、みんなが本当に安心して暮らせる、未来に希望を持ち続けられる国。

そのためにも、やっぱり権力者が好き勝手出来るような国にはしちゃいけないと思うんだ。思い通りにならない国民を簡単に罰することができる日本に戻しちゃいけない。

そして、僕自身も、周りの人も、ずっとずっといろんなことを安心して楽しみ続けられる国にしたいな

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