
「この人、うちの地元のために
頑張ってくれそうだから入れようかな」
…国会議員を選ぶ選挙(衆議院・参議院)なのに、
そんな理由で投票先を決めたこと、ありませんか?
でも、実はそれ、憲法の考え方とはちょっとズレてるんです。
日本国憲法には「国会議員は“全国民”の代表だよ」と
書かれている条文があります。
それが、今回取り上げる第43条。
えっ、「全国民の代表」ってどういうこと?
「選挙区から選ばれてるんだから、地元の代表じゃないの?」
…って思った人にこそ、ちょっと待って。
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第43条【両議院の組織】
両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2
両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。



悪魔くん、今日は日本国憲法第43条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



衆議院も参議院も、国民が選んだヤツらでできてるってことだ。
で、議院にそれぞれ何人おくか、というのは
憲法じゃなくて法律で決めるんだぞ。



うんうん、いいね!



なあ天使、さっき読んだ第43条ってやつよ、
要するに
「国会ってのは選挙で選ばれたヤツらでできてる」
ってことだろ?
で、議員の人数はあとから決めればいいって?
なんかテキトーじゃね?



あはは、まぁぶっきらぼうに言えば確かにそうかもね。
でも、実はとても大事なことを言ってるんだよ、この条文は。



どこがだよ?
「全国民を代表する」って書いてあるけど、
あいつら自分が議員になって遊びまくることしか
考えてないじゃねぇか。
で、そのために自分の選挙区の人をだますために動いてんだろ?



おぉ…悪魔くん、現状はたしかにそうだけど、
話を憲法そのものに戻すね。



本来、国会議員は「自分の選挙区の代表」
または「自分のため」なんかじゃなくて、
「日本全体の代表」なんだ。
だからこそ、憲法では「全国民を代表する」って
はっきり書かれてるんだよ。



へぇ。
今の議員が、自分が当選するだけのために
例えば地元に利益誘導するのはおかしいってことか?



確かに現実では「地元のために」を求める人も多いし、
議員も自分が当選することを目標にしているから、
地元のことしか見ていない人も多い。
でも、それは本来の国会議員の役目を忘れてると言えると思うんだ。



そもそも国会というのは、憲法第41条で「国権の最高機関」ってされているんだよ。
つまり、国の方針を決める中心。
そこにいる議員たちは、日本全体を見て判断しなきゃいけないよね。



だよな。
ところで定員の話は?
なんで憲法でそれも決めておかないんだ?



そこは柔軟性をもたせてるんだよ。
時代が進めば人口も変わるし、
日本全体はもとより各地域の状況も変わるでしょ?
だから、定員は「法律で定める」ってしておいて、
必要に応じて国会が決められるようにしてるんだ。



なるほどな…。
でもよ、そんな建前だけじゃなくて、
ちゃんと国全体のこと考えて動く議員がどれだけいるか
って方が大切だろ?



それは本当にその通り。
だからこそ、僕らは
「この人は地元のことだけじゃなく、
日本全体をどうするか考えてるか?
ちゃんと国民全体のことを考えてくれているのか?」
って視点で投票することが大切なんだ。



国会議員を「地元代表」じゃなくて
「国民の代表」として選ぶ意識が広がれば、
政治はもっと良くなると思うよ。



だよなぁ。



うん……



「地元」の方は、市議会や町議会とか、
ちょっと枠を広げれば県議会とかさ、
そっちのほうだよな!



そういうこと!
そこはちゃんと分けて考えなきゃだよね!
まとめ
私たちはつい、
「自分の住んでいる地域のために働いてくれそうな人」
を応援したくなります。
でも、憲法第43条が伝えたかったのは、
「議員は全国民の代表」であり、
「日本全体を良くするために選ばれている存在」だということです。
言い換えれば、選挙は「地域のお祭り」ではなく、
「日本という国全体の未来を考える場」なんですね。



選挙といってもいくつかあるからね、
しっかり目的を見極めて、
投票先を決めていこうね!

