
もしあなたが友達も含めて5人でピザを注文するとして。
1人だけ「俺は2枚分の権利がある!」って言ったらどう?
「え、ズルい!」ってなるよね。
選挙でも同じで、
「誰の票がどれだけ重いか」っていうのは
本当は平等じゃないといけないんだ。
でも、今の仕組みでは、地域によって1票の重みが全然違う。
これが「一票の格差」ってやつ。
そういえば憲法では、
選挙についてはどんなルールを設けているんだろうね?
これについて、天使くんと悪魔くんが話してくれているから、是非最後まで読んでいってね!
第47条【議員の選挙】
選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。



悪魔くん、今日は日本国憲法第47条について話そう!
まずはさ、意訳してみてよ



議員の選挙についてのルール――どこで投票するかとか、どうやってやるかとか、そういうのは憲法じゃなくて、法律で決めるってことだ。細かいことは憲法に書いてねぇよ。



ってことだろ。



うんうん、いいね!



ああ、めんどうくせぇことするんだな。
選挙のルールなんて、憲法でガッチリ決めときゃいいだろ。
なんでわざわざ法律任せにしてんだよ?



そう思う?
けど、選挙って、時代によって人口も知見も変わっていくから、
細かいことまで憲法に書いちゃうと逆に不便なんだよ。
だから、「選挙区」とか「投票方法」みたいな具体的な話は、
変えやすい法律にまかせてるんだ。



ふーん…
でもさ、結局その法律を作るのも国会議員だろ?
自分たちに都合よく作るんじゃねぇの?



お、鋭いね。
比例区とかね。
国民の信任は得ていないのに、
リスト上位だからって議員になれてしまうとか…



それから、「一票の格差」っていう問題も
まさにそれなんだ。
選挙区によって、有権者の数が違うのに、
同じ人数の議員を選んでると、
票の重みがバラバラになっちゃうんだよ。



どういうことだ?



たとえば、A市では1万人の有権者から1人の議員を選ぶ。
でも、B市では10万人の有権者から同じく1人の議員を選ぶ。
ってなると、A市の1票の方が10倍も重いってことになる。
これが「一票の格差」。



なんかそれって…ずりぃじゃん。



そう。
だから、憲法では「選挙の平等」が
大事だってことになってるんだけど、
今の法律はまだ平等になっていないんだよね。



だったらさ、
東京都みたいに人が多いところの議員を
もっと増やせばいいんじゃねぇの?
人口に合わせて議員数も増やす。
一票の重みが同じになるように、よ。



たしかに、それが一番シンプルな解決策だと思うよ。
でもね、それをやりすぎると、
地方の声が国政に届きにくくなるって問題が出てくるんだ。



え?



ほら、たとえばさ、
鳥取県みたいに人口が少ないところは議員の割合が減っちゃうよね。
そうなると、
人の少ないところの困りごとが見えにくくなっちゃわない?



あーそうか。
地方だからこその悩みとかあるもんな…
それがほうっておかれやすくなるってことか。



そういうこと。
だからこそ、人口だけで決めちゃダメだよね、
っていう考えもあって、法律では
「人口を基本としつつ、地形や地域性も考える」
ってことにしてるんだよ。



でもさ、それを逆手に取って
「格差あってもしゃーないっしょ」
って開き直る政治家もいそうじゃねぇか?



そうだね。
実は最近、自民党が出してる改憲草案では、
「人口だけじゃなくて、いろんな条件を総合的に勘案する」
って文言を憲法に入れようとしてるんだ。



なにそれ。要するに
「選挙結果がおかしくても言い訳できるようにしとくぜ」
ってことにならないか?



ちょっと言い方はあれだけど…うん、核心をついてるね。
「総合的に勘案」って言葉があると、
格差があっても「いろいろ考慮した結果です」って言えてしまう。
つまり、今なら完全に違憲状態だとしても、
改憲後はどんなに卑怯な手を使った選挙結果だとしても
合憲扱いにできちゃうっていう危険があるんだよね。



なるほどな。
つまりこの条文、地味だけどメチャ重要ってわけだ。



そういうこと。
選挙って、民主主義の土台だからね。
「誰が、どうやって、どんなルールで選ばれるのか」
っていう仕組みを、僕たち自身がちゃんと理解しておくこと。
それがすごく大切なんだよ。



…ま、ちょっとだけ感心したわ。
俺も投票くらいはちゃんと行くか。



それだけでも立派な一歩さ。
ありがとう、悪魔くん。
まとめ
私たちの「1票」がどれくらいの重さを持つのか。
それが不公平だと、どんなに正しいことを考えて投票しても、国に届きにくくなってしまいます。
もちろん、都市と地方のバランスを取るのは簡単なことではありません。
でも、それを「仕方ない」で終わらせずに、
「どうしたらより公平になるか」を考え続けること。
それが、今の憲法が私たちに与えてくれている可能性なのだろうと思います。
今回の記事が、そんな「選挙って実はけっこう大事なんだな」と思うきっかけになっていたら嬉しいです。



選挙は、僕たちの意思を社会に届ける大事な手段。
そのルールをどう決めるかという話は、
まさに僕たち一人ひとりの未来につながっているんだ。
この記事も、「選挙って実はけっこう大事なんだな」と思う
きっかけになっていたら嬉しいな!

