【日本国憲法第23条の解説】学問の自由を保障する。政府の干渉を受けない。

日本国憲法第23条

こちらは日本国憲法第23条の解説記事です。

前編・後編の2部構成としています。
基本的には前編だけでも、その条文の伝えたいこと、
自民党提案の改憲草案の中身(問題点)がわかるようにしています。
まずは前編でも是非読んでいただけたら嬉しいです。

前編・後編の2部構成としています。
基本的には前編だけでも、その条文の伝えたいこと、自民党提案の改憲草案の中身(問題点)がわかるようにしています。
まずは前編でも是非読んでいただけたら嬉しいです。

更に深堀した内容は後編に書いていますので、
興味のある方は最後まで是非。

更に深堀した内容は後編に書いていますので、興味のある方は最後まで是非。

目次

前編:日本国憲法第23条【学問の自由】

意訳

学問の自由は、守られなければならない。

原文

学問の自由は、これを保障する。

この第23条が伝えたいポイント

権力によって、学問の内容や範囲を勝手に決めるようなことを、
いわゆる弾圧や禁止をしてはいけませんよ、
ということを権力者側に伝えている条文です。

自民党による改憲草案について

何をどう変えようとしている?

「これを」という言葉が削除されました。
➡「学問の自由は、これを保障する」

問題点は?

他の条文とも関連付けて考察すると、「学問の範囲」を制限しようとしている気がしています。
※国民が学ぶことそのものは自由。ただし、学べる学問に制限がかけられるイメージです。

前編はここまでです。後編では更に詳しく解説していますので、興味のある方はよかったら是非!ちなみに、改正草案の原文も後編の方で記載しています。
この第23条と繋がりのある条文記事も是非!記事下にあります➡繋がりのある条文を見る

後編:日本国憲法第23条を更に深堀してみよう

要点①:明治憲法時代にはなかった

「学問の自由」については、明治憲法時代は保障されていませんでした。
むしろ、治安維持法によって、政府に都合の悪い思想や教育を取り締まろうとしてきました。
そう、国家権力の意向にそぐわない学問や著書等は弾圧を受けていたのです。
そうして、国民に余計なこと(国にとって都合の悪いこと)を学ぶ機会を奪い、
一種の洗脳をおこなってきた結果、戦争へとなったのです。

そういった歴史的背景も踏まえて設けられた条文でもあります。

要点②:学問の自由が保障している、具体的な内容

具体的な内容については、以下の通りです。

学問研究の自由

何を研究しようと自由です。研究したいものを好きなように好きなだけ研究する自由が認められています。
第19条の思想や良心の自由にも繋がっています)

ただし、倫理に反するものは一定の制限がかけられています。
例えば核エネルギーの利用、ヒト(人間)の遺伝子操作、クローンに関する研究等。

研究発表の自由

研究したからには、その成果を発表する場がなければ無意味です。
発表して初めて価値が生まれ、また新たな研究が始まるのですから。

その研究の結果は国家権力やあれやこれに都合が悪いからダメだ!ということは認められません。

教授の自由

教育をする自由です。
ただし、小学校・中学校・高校の教員に対しては、一定の制限がかけられています。
これは「教えるべき内容は教えてください」ということです。
教員の判断で勝手にこの項目は教えないということができないように。

もしこれがなかったら、三角関数を学ぶ機会を奪われていたかもしれませんね。

一方、大学の教授には、完全な自由が認められています。
これは次項の要点③で説明します。

要点③:大学の自治

条文には明記されていませんが、大学の自治が保障されている条文だと解釈されています。

要点②の「教授の自由」のところでも書きましたが、
小学校~高校までの教授には制限がかけられています。

ですが、大学には制限がありません。

大学においては、各大学の自主性に任せ、国家権力等外部が干渉することを認めていません。
これはやはり、学問は主に大学という場で発展してきたからでしょう。

そういう風に、学問研究が自由にできるように大学の自治を保障する、という考えから、
「大学の自治の保障」と解釈されています。

改憲草案原文:第23条

※赤文字が変更箇所です

(学問の自由)
学問の自由は、これを保障する。

改憲草案の問題点:学問の自由が制限される可能性がある

「これを」が削除されただけにすぎません。
ゆえに、この条文だけで解釈するのであれば、現憲法となんら変わりないでしょう。

しかし、憲法というのは他の条文ともつながっているものです。

ここで特に気になるのが、
第12条(自由及び権利)や第13条(個人の尊重)において
「公共の福祉」という言葉が「公益及び公の秩序」に置き換えられていること。

第21条(表現の自由)において、
「公益及び公の秩序」という言葉を用いた条文を新設していること。

第26条(教育の権利や義務)でも、国が関わることを示唆している条文が新設されていること。

このことから考えると、自民党は教育にも介入したがっていると考えざるを得ません。

公益、つまり国の利益にならない学問。
公の秩序、つまり国が求める秩序を乱すような学問(例えば政治批判や過去の歴史の振り返り)。

こういったことを理由に、学問にも介入し制限をかけてこようとしているのではないかと考えられます。

これらは、実はかつての治安維持法にも似ていますね……

【治安維持法とは?】
■流れ
1925年、反国会政治運動を取り締まるために制定。
1928年、最高刑として死刑が追加される。
そこから軍国主義の強化としてより活用されることとなる。
1945年、敗戦したため、ようやく廃止。

■中身について
最初は、社会革命を目指す運動を取り締まるためのものでした。
次第に、政府を批判する発言も取り締まりの対象となりました。
更に、穏健派であろうとなんだろうと、自由主義者(個人の自由や平等を尊重する)や
労働運動等も取り締まりの対象となっていきます。
そして、軍国主義を強化すべく、反対運動・反戦運動を弾圧していくための手段になりました。

これらはいわば、改憲草案に出てくる「公益・公の秩序」を乱すものは許さないというものです。

後記

どんなに学問の自由を認められているとはいえ、
倫理に反しているのではないかという議論があるもの、
公共の福祉に反するものまではさすがに認められていません。

他の条文も踏まえたうえで、それでも限りなく広く、学問の自由が認められています。

たとえ、国家権力にとって都合の悪い内容であろうと、
たとえ、政治の歴史を研究し批判するような結果であろうと、
それでも、そうする自由が認められています。

だからこそ、私たちは前に進めるのです。

この第23条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。
(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

この第23条とも繋がりの深い条文は以下の通りです。(リンクの文章は記事のタイトルではなく、関連がわかるような紹介文にしています)
興味のあるところを是非。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

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