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三権分立とは?国会・内閣・裁判所の役割をわかりやすく解説|権力を一つに集めない理由

憲法は、「国の力」をどう扱うかを決めたルールです。
そしてその目的は、私たち一人ひとりの自由を守ることにあります。

ですが、ここで一つ大事な疑問が出てきます。

もし、ある強いリーダーや政権が、

  • 法律を作る力
  • その法律を実行する力
  • 違反かどうかを判断する力

このすべてを一人、または政権だけで持ってしまったらどうなるでしょうか。

たとえば「今日から表現の自由は禁止」と決めても、それを止める人がいなくなってしまいます。
どれだけ立派な憲法があっても、それを守らせる仕組みが弱ければ意味がありません。

そこで憲法は、国の力をあえて三つに分けました。
そして、それぞれが互いをチェックする仕組みにしたのです。

これが「三権分立」です。
このページでは、その仕組みを条文をもとにわかりやすく見ていきます。

【この記事でわかること】

  • 三権分立が必要な理由(権力集中のリスク)
  • 国会(立法)・内閣(行政)・裁判所(司法)の役割
  • 「監視し合う」ための具体装置(議院内閣制、司法の独立、違憲審査)
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権力(国を動かす力)を三つに分けた

日本国憲法は、国を動かす力を「立法」「行政」「司法」の3つに分け、
以下の表のように、それぞれ別の仕事をさせています。

組織役割憲法上の位置づけ
国会(立法)ルール(法律)を作る国権の最高機関。国民の代表者が集まる。
内閣(行政)ルールを実行する現場で国を動かす。国会に対して責任を負う。
裁判所(司法)ルール違反を裁く他の組織から独立し、憲法違反をチェックする。

そう、三権分立は、国を動かす力を弱めるための仕組みではありません。
権力を暴走させないために、強い力を分散し、相互チェックをかける仕組みです。

この三つの力が同じところに集まってしまうと、自由が制限されてしまったとしても、
それがあたかも正しい手続きに基づいているかのように見えてしまいます。

それを防ぐために、あえて権力を分ける。これが憲法の基本的な考え方です。

この記事で押さえておこう、「3つの装置」

①ルールを作る:国会(第41条・第43条)

国会は、憲法で「国権の最高機関」とされ、
「国で唯一、法律を作ることができる機関」と定められています(第41条)。
そして国会は、全国民を代表する議員で組織されると規定されています(第43条)。

ここで押さえておきたいのは、次の2点です。

  • 法律は、私たちの生活に直接影響を与える強いルールであること
  • そのルールを一部の人の判断だけで決めさせないために、
    国民の代表が集まり、公開の場で議論して決める仕組みになっていること

つまり国会は、国のルール作りができる力を持たされた人々を一か所に集めることで、
勝手に法律が作られるのを防ぐ役割を担っているのです。

②ルールを実行する:内閣(第65条・第66条・第67条・第69条)

国会が作った法律を、実際に社会の中で実行していくのが内閣です。
憲法は、行政権は内閣に属すると定めています(第65条)。

行政、つまり、政策を動かし、予算を執行し、国の方向性を具体的に形にする力のことです。
だからこそ、その力が一方的に使われないように、いくつかの歯止めが設けられています。

まず、内閣は国会に対して連帯して責任を負うとされています(第66条)。
これは、内閣が国会の信任のもとで活動する仕組み、いわゆる議院内閣制です。

さらに、内閣総理大臣は国会の議決によって指名されます(第67条)。

そして、衆議院が内閣不信任を決議した場合の対応についても憲法に規定があります(第69条)。

これらを合わせると、
行政が国会を無視して勝手に動き続けることができない構造になっていることがわかります。
これが、行政の力をコントロールするための基本的な仕組みなのです。

③ルール違反を裁く:裁判所(第76条・第81条)

国会が法律を作り、内閣がそれを実行する。

それでもなお、「その法律や行政の動きが憲法に合っているか」を確認する役割が必要です。
そこで登場するのが裁判所です。

憲法第76条は、司法権は裁判所に属すると定めています。
そして裁判官は、憲法と法律にのみ従い、独立して職務を行うとされています。
もしこの独立が守られなければ、裁判は権力の判断をそのまま追認するだけの場になってしまいます。

さらに第81条では、最高裁判所に違憲審査権があることが明記されています。
これは、法律や行政の行為が憲法に反していないかを判断する権限です。

たとえ国会が正式な手続きで作った法律であっても、憲法に違反していれば無効とされる可能性がある。

これが、憲法を守るための最後のブレーキです。

まとめ

国会・内閣・裁判所は、ただ仕事を分担しているだけの関係ではありません。
憲法は、この三つが互いを監視し、必要ならブレーキをかけられるような仕組みを、
あらかじめ組み込んでいるのです。

国会は、法律を作る入口を握り、行政を監督します。
内閣は、国を動かす実行力を持ちながらも、国会の信任に支えられ、また縛られています。
裁判所は、他の二つから独立し、違憲審査によって最後の線を守ります。

こうして見るとわかってくるように、
三権分立は「効率よく物事を決める仕組み」ではありません。
むしろ、簡単に一つの意思が国全体を支配できないようになっています。

だからこそ、政治がときに複雑で、遠回りに見えるのは、ある意味で健全な状態ともいえます。

国民の自由を守るためならば、権力者にとっては不便なくらいがちょうどいい。
それが憲法の考え方なのです。

では、そんな憲法を改正することはできるのでしょうか?それについてはこちら…。

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