日本国憲法全文とそれぞれの意訳

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太文字が原文、その下が意訳です。

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条文
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

天皇は、日本のシンボルである。そして、日本国民の心をひとつにするための旗印である。天皇という地位は、主権を持っている私たち国民が決めたものである。
(※更なる意訳⇒国を治めるのは天皇ではなく、私たち国民である)

条文
皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

天皇という地位は現天皇の子供、更にその子供……という風に受け継いでいくものとする。詳しいことは、国会で決めた「皇室典範」という法律に従う。

条文
天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

天皇の国事(天皇が国民のために行うなにかの行事)はすべて、内閣の意見に従わなければならない。その代わり、国事に関する責任は内閣にある。

条文
天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

天皇は、この憲法にて定められていること以外は、国の政治には関わることはできない。

2 天皇は、法律の定めがあれば、誰かに仕事を任せることもできる。

条文
皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

皇室典範の定めによって摂政になった人は、天皇の代理を務める。なお、その場合でも、第4条第1項に従う。(その仕事の範囲は憲法にて定められているもののみであり、国の政治に関わることはできない。)

条文
天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

天皇は、国会が決めた人を内閣総理大臣に任命(その役職に就くよう命令)する。

2 天皇は、内閣が決めた人を最高裁判所の長官に任命する。

条文
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

天皇は内閣の意見に従って、国民のために以下の仕事をする。

一 憲法改正、法律、政令及び条約を国民に知らせる。
二 国会を召集する。
三 衆議院を解散する。
四 国会議員の総選挙を始めることを国民に知らせる。
五 国務大臣や、法律が定める役職の人を任命したり辞めさせたりすること。大使や公使に信任状(その人が国の代表であることを認める、という書類)を認めること。
六 有罪判決を受けた人の罪を軽くしたり、なかったことにしてあげたりすることを認めること。
七 国民に、国としての名誉を与えること。
八 外国との約束事に署名すること。
九 海外からの大使や公使を迎えること(接待すること)
十 儀式を行うこと。

条文
皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

皇室(天皇や皇族)に財産を譲ったり、または皇室が財産をもらったり、または誰かに与えるときは、国会でそのことを認めてもらわなければならない。

条文
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日本国民は、世界が混乱のない社会となり、平和がいつまでも続くことを、本気で願う。だから、外国との揉め事を解決するためだからといって戦争をしたり、武力で脅したり、武器を使ったりすることは、永久にしない。

2 この約束を守るために、日本は、陸軍・海軍・空軍等の軍隊を持たない。そして、日本は戦争する権利も認めない。

条文
日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

どんな人を「日本という国の国民」であるとするかは、法律にて決める。

条文
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

基本的人権というのは、国民のだれもが持っているものである。そして、それは奪われることも、誰かに侵されることもない。永遠に。この先いつの時代の国民に対しても、同じである。

条文
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

この憲法で保障している自由や権利(いわゆる基本的人権)は、国民の不断の努力で守っていかなければならない。また、国民は、この権利は自分勝手に使うものではない。自分のためだけではなく、世の中のためにあるものなのだから。

条文
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

国民は誰もが、一人一人違う人間として尊重されるものである。生命、自由、そして幸せを願う権利は、何よりも大切にしなければならない。反社会的なことでない限りは。そして、このことは、法律を作る時や政治を行う時は常に一番に考えなければならないことである。

条文
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

国民はみな、平等である。人種、信条、性別、身分、家柄によって差別されることはない。政治からも社会からも。

2 華族や貴族制度を認めない。

3 どんな栄誉や勲章にも、特権はもたない。また、そういった栄誉や勲章に関する影響は、それをもらった本人のみであり、子孫には関係ない。

条文
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

よい公務員を選び、悪い公務員を辞めさせることは、国民の権利である。

2 公務員は、国全体・社会全体のために働くものである。ある一部の特別な人のためだけのものではない。

3 公務員の選挙は、成年であれば誰でも投票できる。

4 誰に投票したかは秘密である。誰に投票したとしても、その選択を非難されることはない。

条文
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

誰でも、困ったことやお願いしたいことがあれば、どのようなことでもそれを伝える(請願する)権利を持っている。(損賠賠償でも、公務員をやめさせることでも、法律等の決まりを作ってもらったり、廃止や改正でも、なんでも)
そして、請願したがために差別されたり批判されたりすることはない。

条文
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

誰でも、公務員の不法行為(悪いこと等)によって損害を受けたら、法律によって、国や公務員から償ってもらうことを求めることができる。

条文
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

誰もが、奴隷のような扱いを受けることはない。また、無理矢理働かせるようなことはしてはいけない。例外として、犯罪を犯した人に対する処罰として、厳しい仕事をさせることはある。

条文
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

心の中は自由である。どんな思想や世界観を持っていたとしても、心の中で考えている限りは自由である。

条文
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することも強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

どんな宗教を信じても、それは個人の自由である。
どんな宗教団体でも、国から特権を受けたり、政治的な権力を使ってはいけない。

2 宗教上の行為や儀式、行事に参加することを強制されることはない。

3 国は、宗教教育等、どんな宗教的活動でもしてはいけない。

条文
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

集会を開いたり、政治団体をつくったり、出版物を出したりする等の表現の自由を保障する。
2 それについての検閲をしてはいけない。人の手紙をこっそり読んだり、電話を盗聴したりするようなことはしてはいけない。

条文
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

他の人の邪魔をしたり傷つけたりしない限り、どこに住んでもいいし引っ越してもいい。そしてどんな仕事をしても構わない。

2 誰でも海外に移住したり、日本の国籍から抜けることもできる。

条文
学問の自由は、これを保障する。

学問の自由は、守られなければならない。

条文
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

結婚は、本人同士の合意のみでできる。二人とも同じ権利を持っており、お互いが協力し合っていかなければならない。

2 法律を作る場合は、個人一人一人が大切であること、二人は平等であるということを基本にしなければならない。例えば、結婚相手を選ぶこと、お互いが持っている財産のこと、相続、住む場所、離婚や結婚、家族に関すること等。

条文
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

国民はみな、健康で文化的な最低限度生活、つまり人間らしい生活をおくる権利を持っている。

2 だから国は、生活の全ての面において、それができるようにしなければならない。例えば、社会福祉や社会保障、公衆衛生等。

条文
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

国民は誰でも、自分の力のある限り、教育を等しく受ける権利がある。

2 両親等大人たちは、子どもに必ず教育を受けさせなけばならない。受けさせなければならない教育は法律にて定められている。そしてこういった義務教育にかかる授業料等はすべて無償である。

条文
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。

国民は皆、働く権利があり、そして義務がある。

2 賃金や就業時間、休憩等、人を働かせるための決まりは、別途法律で決める。

3 子どもをこき使うことは許されない。

条文
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

働く人たちが団結して組合を作る権利、そして雇用主(使用者)に対して交渉やその他の行動(ストライキ等)をする権利は、この憲法にて保障されている。

条文
財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

誰もが、人の財産を奪ったりしてはならない。勝手に奪われるようなこともあってはならない。

2 「財産権」とはどういったことをいうのか、それは公共に適するよう、法律で定める。

3 人の財産を公共のために使いたいのであれば、正当な補償を払うことによって認められる。

条文
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

国民には、法律で決められた税金を支払う義務がある。

条文
何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

法律による手続きを踏むことなく、生命や自由を奪ったり罰することはできない。

条文
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

どんな人にでも、裁判所で裁判を受ける権利がある

条文
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

どんな人でも、現行犯(目の前で罪を犯して)いる時以外は、裁判官が作った書類がなければ逮捕することはできない。

条文
何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

どんな人でも、警察や刑務所に入れられる時は、必ずその理由を知らされなければならない。また、直ちに弁護人を依頼する権利がある。
どんな人でも、正当な理由がなければ警察や刑務所に入れられることはない。当事者の要求があれば、本人と弁護人がいる公開の法廷にて、その理由を示さなければならない。

条文
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する格別の令状により、これを行ふ。

正当な理由によって発行された書類がない限り、家の中に入りこまれたり、家の中を探されたり取り上げられたりするようなことは絶対にあってはならない。なお、その書類には、該当する場所や調べたり取り上げたりするものが明記されていなければならない。(第33条=現行犯)

2 捜索や押収は、裁判所が発行した書類が必要である。

条文
公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対これを禁ずる。

公務員(役員)は絶対に拷問やむごたらしい罰をくだすようなことをしてはならない。

条文
すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を十分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

すべての刑事事件において、被告人(罪を犯したと訴えられた人)は、公平な裁判をできるだけ早く、公開で受ける権利がある。

2 被告人は、すべての証人に対して質問をする機会を十分に与えられる。また、証人が嫌がったとしても、強制的に裁判所に呼ぶことができる。なおその時の交通費等の経費は公費で負担する。

3 被告人は、どんな時でも正式な資格を持っている弁護士に依頼することができる。もし被告人自ら、弁護士に依頼することができない場合は、国が弁護士をつける。

条文
何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

どんな人でも、取り調べを受けた時、自分に不利となることは言わなくてもいい。無理矢理言わされることもない。

2 強制や拷問、脅迫によって言わせた自白、または特に理由もなく長く牢屋に入れて自由を奪い続けた後の自白は、証拠とすることはできない。

3 どんな人でも、唯一の証拠が本人の自白しかない場合は、罪に問われない。

条文
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

かつては犯罪ではないとされた行為、または、無罪になった行為については、法律が変わったとしても、改めて罰せられるようなことはない。また、ひとつの犯罪について、二度三度と罪にすることはできない。

条文
何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

抑留または拘禁されていた人が裁判で無罪と判決されたときは、法律の定めによって、国に補償を求めることができる。

条文
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

国会は国の政治を動かすための一番大切な役目を持っている。法律を作ることができる唯一の機関である。

条文
国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

国会は、衆議院と参議院の2つで作る。

条文
両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

衆議院・参議院ともに、国民を代表する議員として選挙で決める。

2 それぞれの議院に属する議員の人数は、法律で決める。

条文
両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

どんな人が衆議院・参議院の議員になれるのか。そしてその議員を選ぶことのできるのはどんな人か。そういったことは法律で決める。
ただし、人種・信条(信じる宗教や思想)、性別、身分、家柄、受けた教育、財産や収入の違いによって差別してはならない。

条文
衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

衆議院議員の任期は4年とする。ただし、衆議院が解散となった場合は、4年経っていなくても解散した時点で任期を終えるものとする。

条文
参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

参議院議員の任期は6年とする。そして、3年毎に議員の半分を入れ替える。

条文
選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

衆議院、参議院の議員を選ぶ選挙についての詳細は、法律で決める。

条文
何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

誰であろうと、衆議院と参議院の議員を同時にやることはできない。

条文
両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

衆議院・参議院の議員は、法律の定めに従って、国(国民の税金)から給料をもらう。

条文
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

衆議院・参議院の議員は、国会が開かれている間は逮捕されることはない。また、国会が始まる前に逮捕されたとしても、属する議院から求められれば、国会が開かれている間は釈放しなければならない。
ただし、法律で決められている「特別な例」は別とする。

条文
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

衆議院・参議院の議員は、議院の中ではどんな演説や討論をしても構わない。賛成・反対も自由である。それらが、議院の外で責任を問われることはない。

条文
国会の常会は、毎年一回これを召集する。

通常国会は、毎年一回行われる。

条文
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

内閣は、臨時国会の開催を決めてよい。
また、衆議院か参議院のどちらかの総議員の4分の1以上の議員が「臨時国会を開け」と要望を出してきた場合は、内閣は臨時国会を開かなければならない。

条文
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

衆議院を解散した時は、解散した日から40日以内に、衆議院議員を選ぶための総選挙を行う。そしてその選挙日から30日以内に、国会(特別国会)を開催しなければならない。

2 衆議院が解散した時は、参議院は閉会となる。ただし、国として急を要することがある時は、内閣は参議院だけを国会の代わりとして緊急集会を開くことを求めることができる。

3 2項による参議院だけで行われた緊急集会で決まった内容はあくまでも臨時のものである。なので、衆議院議員総選挙が終わってから開かれた国会にて10日以内に、衆議院の同意がない場合は、緊急集会で決まった内容は無効となる。

条文
両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

本当には議員になる資格がないはずの人が当選して議員になっていた場合、そのことについて、衆議院・参議院それぞれ、その資格の有無を問う裁判を行うことができる。ただし、議員を辞めさせるには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要である。

条文
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

衆議院・参議院ともに、総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開いたり、何かを決めたりすることはできない。

2 衆議院・参議院ともに、議事は出席議員の半分より多くの賛成が出た時に決める。賛成と反対が同数の場合は、議長が決める。ただし、憲法にて別途定めがあるものについては、そちらに従うこと。

条文
両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。

衆議院・参議院ともに、会議は公開とする。秘密会議を開くには、出席議員の3分の2以上の賛成を必要とする。

2 両議院とも、それぞれ会議の記録を残すこと。そして公表し、多くの人へ広めなければならない。ただし、秘密会議の中でも特に秘密にしなければならないと認められたものだけは例外とする。

3 どの議員が賛成して、どの議員が反対したのか等のようなことは、出席議員の5分の1以上の要求があれば、会議録に載せなければならない。

条文
両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

どちらの議院も、それぞれ議長やその他の役員を選ぶこと。

2 それぞれ議院の中での会議や手続き、内部の規律に関する規則を定めることができる。また、議院の秩序を乱した議員を罰することができる。ただし、議員を辞めさせる場合は、出席議員の3分の2以上の賛成が必要である。

条文
法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

法律は、衆議院・参議院両方の可決によって決まる。
ただし、

2 衆議院で可決⇒参議院で否決となった場合は、改めて衆議院で議決を採る。この時、衆議院での出席議員の3分の2以上の賛成があれば、その法律案は可決とする。

3 なお、参議院が否決した場合、衆議院が両議院の協議会を開いて、相談してもよい。

4 参議院は、衆議院から法律案を受け取った後60日以内に議決を採らなければならない。もし決まらなかった場合は、それは「否決」とみなす。

条文
予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

予算は、まずは衆議院で確認する。(※予算を作成するのは内閣)

2 衆議院で可決した予算案でも参議院で否決となった場合、法律の定めによって両議院の協議会を開くこと。その協議会でも意見が一致しない場合は、衆議院が決めたことを国会としての結論とする。参議院が衆議院から受け取ってから30日以内に議決しなかった場合も同様である。

条文
条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

内閣が海外と条約を結ぶときには国会の承認を必要とするが、その際、両議院の意見が合わない場合は第60条第2項の定めに従う。

条文
両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

衆議院・参議院のどちらにも国の政治に関する調査を行うことができる。そして、その内容等に関して、国会へ承認を呼び出したり、証言してもらったり、記録を提出することを求めたりすることができる。

条文
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

内閣総理大臣や国務大臣達は、衆議院もしくは参議院のどちらかの議員であるかなかろうか、いつでもどちらの議院にも出席できる。逆に、議院から出席を求められたら、出なければならない。

条文
国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

国会は、裁判官を辞めさせるための裁判をするための弾劾裁判所を設ける。

2 裁判官を辞めさせることに関する決まり事は、法律にて定める。

条文
行政権は、内閣に属する。

行政権は内閣が持つ。

条文
内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

内閣は、その長となる内閣総理大臣と国務大臣で作られる。

2 内閣総理大臣や国務大臣は、文民でなければならない。(軍人であってはいけない)

3 内閣は一同で、国会に対して責任を負いながら、政治を行う。

条文
内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
2 衆議院と参議院とが異なつた指名をの議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

内閣総理大臣は、国会が、国会議員の中から指名する。この指名は、他の案件よりも一番先に行うこと。

2 指名した人が衆議院と参議院で異なっていた場合は、両議院の協議会を開く。それでも意見が一致しない場合や、参議院が誰も指名しない場合は、衆議院が指名した人を内閣総理大臣とする。

条文
内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

内閣総理大臣は自分の考えで国務大臣を決めることができる。ただし、半分以上は国会議員の中から選ばなければならない。

2 内閣総理大臣は、自分の考えでいつでも国務大臣を辞めさせることができる。

条文
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

内閣は、衆議院が「内閣を信任しない」となった場合は、10日以内に衆議院を解散させるか、内閣を総辞職しなければならない。

条文
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

下記のケースの場合は、内閣は総辞職しなければならない。
・内閣総理大臣が欠けた時
・衆議院議員総選挙の後の最初の国会

条文
前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

内閣は総辞職した後も、新しい内閣ができるまでは引き続き内閣としての仕事を行う。

条文
内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

内閣総理大臣は、内閣の代表者である。代表として以下の職務を行う。

  • 内閣を代表して議案を国会に提出
  • 一般国務や交友関係について国会へ報告
  • 行政各部の指揮監督
条文
内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二 外交関係を処理すること。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
五 予算を作成して国会に提出すること。
六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

内閣は、一般的な行政事務のほかに、下記のような職務を行う。

  1. 法律を誠実に実行し、国全体の仕事を見ること
  2. 大事な外交関係を担当すること(日々の外交は外務大臣が担当するが、大事な問題は、国の代表として総理大臣自ら各国の首相とのやり取りを行うこと)
  3. 各国との条約を締結すること。ただし、事前事後どちらであれ、国会の承認を必ず得ること
    (国会が承認しなければ効力を持たない)
  4. 国家公務員法が定める基準に従い、国家公務員に関する事柄を取りまとめること
  5. 予算を作成して国会へ提出すること
  6. 法律を執行するための細かい事柄を決める執行命令、法律から委任を受けて細かい事柄を決める委任命令を行うこと。なお、罰則を設けることはできない。
  7. 裁判で確定した罪を軽くしたり取り消したりすること
条文
法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

法律及び政令には、担当の国務大臣の署名はもちろんのこと、内閣総理大臣の署名も必要とする。

条文
国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

国務大臣の在任中、国務大臣を訴えたり逮捕したりするには、内閣総理大臣の同意が必要である。
ただし、そういった訴追の権利そのものを侵すことはない。

条文
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

司法権を持っているのは最高裁判所、そして法律で定められた下級裁判所だけである。

2 最高裁判所や法律で定められた下級裁判所以外には、裁判所を設置することはできない。また、役所等の行政機関は、裁判所に代わって最後の審判を下すことはできない。(※終審でなければ裁判を行うことはできる)

3 裁判官はみな、憲法と法律大切にし、そして自分の良心だけに従ってその仕事を行わなければならない。

条文
最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

最高裁判所は、以下のことについてのルールを決めることができる。

  • 裁判に関する手続きのルール
  • 弁護士に関するルール
  • 裁判所の内部規律
  • 司法事務処理に関するルール

2 検察官は、最高裁判所が決めたルールに従わなければならない。

3 最高裁判所は下級裁判所に関するルールを決める権限を持っているが、その権限を下級裁判所に任せることができる。

条文
裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

裁判官をクビにできるのは、国会議員による裁判(裁判官弾劾裁判所)だけである。行政機関が裁判官の進退を決めることはできない。
なお、病気等によって仕事ができない状態になった場合は、裁判にかけられなくても辞めさせられる場合もある。

条文
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

最高裁判所は、長官とその他の裁判官(最高裁判所判事)で構成する。裁判官の人数については、別の法律(裁判所法)にて定める。長官以外の裁判官は、内閣が任命する。

2 最高裁判所の裁判官になったら、まずは直近の衆議院議員総選挙の時に一緒に行われる国民審査にて、国民の審判を受ける。そのあとも10年毎に国民審査にて国民の審判を受ける。

3 国民の審査の結果、辞めさせるべきだという声が多かった裁判官は、辞めさせられる。

4 国民審査の方法は別の法律(最高裁判所裁判官国民審査法)にて定める。

5 最高裁判所の裁判官は、法律で定めた年齢(70歳)で定年退職する。

6 最高裁判所の裁判官は、それなりの報酬を定期的にもらえる。この報酬は任期中に減額されることはない。

条文
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

下級裁判所の裁判官を任命するのは内閣である。ただし、人事権(誰を指名するか)というのは、最高裁判所が決める。裁判官の任期は10年とし、再任もできる。定年を迎えたら退官すること。

2 下級裁判所の裁判官は、定期的にそれなりの報酬をもらえる。この報酬は任期中に減額されることはない。

条文
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

すべての法律や命令、規則や処分が憲法に沿っているか、違反しているかどうかを最後に決めるのは、最高裁判所である。

条文
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

裁判については、公開を原則とし、誰でも観ることができる。

2 裁判官の意見が「今回は非公開の方がいい」と全員一致した場合に限り、対審に関しては非公開にすることもできる。ただし、政治犯罪、出版に関すること、そして「国民の権利」について問われているものに対しては、必ず公開とする。

条文
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

国(国家)のお金に関することは、国会で決めなければならない。
そして、政府は国会の決まりに従って行わなければならない。

条文
あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

国民に対して新しく税金をかけたり、または現在の税金に関することを変更する場合は、法律で決めなければならない。

条文
国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

国の費用を使ったり、国が借金したりする場合は、国会で決めたことに従わなければならない。

条文
内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

内閣は、会計年度ごとに予算を作成しなければならない。
そしてそれは国会に提出し、議論してもらい、認めてもらわなければならない。

条文
予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

予期せぬ事態にも対応できるよう、国会の許可を得たうえで、用途を決めない「予備費」という予算枠を設けることができる。

2 予備費の使途については内閣の責任において行う(国会へ事前承認を得る必要はない)
ただし、事後に国会へ報告し、最終的には承諾を得なければならない。

条文
すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

皇室の財産は国のものである。
皇室に関する費用は、国会にて毎年予算を決める。

条文
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

国民の税金や国有財産は、宗教団体に対して使ってはいけない。宗教団体にも使わせてはいけない。
国が管理していない(できない)慈善事業や教育に対して国民の税金を出したり、国有財産を使わせたりしてはいけない。

条文
国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

国の収入や支出が適切に行われてるかどうかは、会計検査院が毎年すべてチェックする。
その結果は、翌年度の国会にて、内閣が報告しなければならない。

2 その会計検査院の組織体制や権限ついては、別途法律(会計検査院法)にて定めるものとする。

条文
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

国の財政状況について、内閣は国会や国民に対して、最低でも年に一回は報告しなければならない。

条文
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

地方公共団体、つまり都道府県・市区町村を、どんな人たちでどのように運営していくのかというのは法律で決めていくものとする。

条文
地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
2 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

地方公共団体には議会をおく。

2 地方公共団体をまとめる(運営する)人達は、その地方公共団体に属する住民の直接選挙で選ぶ。

条文
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

地方公共団体は、その中で財政や行政を実行する権利がある。法律の範囲であれば、条例を作ることができる。

条文
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

国会が、ある特定の地方公共団体だけに使う法律を作る場合は、その地方公共団体の住民の賛成を得なけらばならない。その方法は法律によって定められた投票形式とする。

条文
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

憲法を改正したければ、下記の条件を満たさなければならない。

  • 衆議院・参議院それぞれにおける総人数の3分の2以上の賛成
  • 投票権を持つ国民の過半数の賛成

2 改正の承認を得られたときは、天皇は日本国民の名で改正した憲法を公布する。

条文
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

この憲法は、国民の基本的人権を守ることを約束する。この基本的人権というのは、昔の人々の努力の結果である。そうしてつかみ取ったこの権利は、現在そして未来の国民に受け継がれる。この権利は、侵すことのできない、永遠のものである。

条文
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

この憲法は、この国の最高法規(一番強い決まり事)である。なので、その内容に反する法律や命令、詔勅、国務等は、一切力を持たない。

2 外国と結んだ条約や国際法規は、誠実に守ることが必要である。

条文
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

天皇や摂政、国務大臣、国会議員、裁判官やその他の公務員は、この憲法を大切にし、守り続ける義務がある。

条文
この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
2 この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。

この憲法は、公布の日から6ヶ月目に効力を持つ。

2 この憲法を施行するために必要な法律を作ることや、参議院議員の選挙、国会を始めるための手続き等は、施行日を迎えていなくても行うことができる。

条文
この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。

この憲法が施行される時、参議院がまだ成立していなかった場合は、成立するまでの間は衆議院だけで「国会」の役目を果たすものとする。

条文
この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

この憲法による参議院議員のうち、その半数の任期は3年とする。(もう半数は6年)
その、任期が3年となる議員を誰にするのかというのは、法律で決める。

条文
この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。

この憲法が施行されても、この憲法にて地位が認められている者はその地位を失うことはない。例えば国務大臣や衆議院議員、裁判官やその他の公務員。(本来ならばこの憲法の施行と同時に全ての地位がリセットされるべきだが、そうはしない、ということ)
ただし、この憲法による選挙や任命によって後任者が決まれば、当然その地位を失うものとする。